今どきの若手の育て方

「上司と飲む意味って…?」若手は会社の飲み会に「合理的理由」を求めている

2019.06.20 公式 今どきの若手の育て方 第7回
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仕事も飲み会も合理性重視

上司、先輩が「飲みに行こう!」と誘っても、若手はなかなか「はい」と言ってくれず、扱いが難しいなと感じる時代になって久しいです。

若手が飲み会に行かない理由は一つです。
それは、「自分にとってメリットがない」からです。

仕事が終われば疲れています。なので、「早く帰って休みたい」、または「自分の好きなことをやってリフレッシュしたい」「好きな人と会いたい」など、自身の活力を取り戻すことに時間を使いたいと思うのです。
そして、それが飲み会に行くことによって、得られるのか? と考えたときに、「得られない」と判断しているわけです。
飲みに行けば、上司、先輩に気を遣うことになります。「気を遣わなくていいよ」と言っても、気を遣わないで勝手なことをしていれば、後で小言を言われる危険性があることを若手は知っています。
また、上司、先輩の意見や、考えを聞かされます。それはお酒が入ると、愚痴に変化する可能性もあります。若手は、「そうですよね~」と相づちを打ちながら聞くことになります。若手は聞きながら、こう考えています。
「俺は今、何やってんだろうなぁ、早く帰ってゲームしたいな」です。
まだ年齢が近いリーダーと飲むなら、共通の話題もあるため、気軽さが増すことで相談などもできます。しかし、そうでないと途端に苦痛を受ける場になるのです。

昔は、「飲みに行くメリット」がありました。それは、人脈をつくったり、上司と懇意になることで、後々の出世や評価に繋がるというメリットです。
しかし、今はどうかというと、それほどの効果はありません。理由は、この会社で出世したいと考えていないからです。
つまり、仕事が上手くいくための最低限の人間関係は必要。それは仕事の中で築いていくほうが合理的。また、それ以上の関係性は特に望んでいない。なぜなら、この会社で出世したいと思っていないから。なので、業務外での飲み会に行く必要は特に感じられない。というロジックになります。

若手にとって重要なことは、自分の人生の幸せです。
そのため、その幸せに繋がる明確なメリットがなければ動かないのです。

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プロフィール

石田祐一郎
石田祐一郎

株式会社GO FRONTIER代表取締役。大学卒業後、婦人服アパレル企業に就職。いちスタッフから数店舗の店長を経て、マネージャーとして全国を回る。その後、課長に抜擢。ブランド存続の危機の中で、社員一丸となって業績を挽回。さらに商品部長を経て取締役営業部長となり、全社の古い企業体質を改善。退職後はコーチング、アドラー心理学、メンタルケアを学び、プロコーチとして独立。現在は年間150回以上登壇し、成果が出るマネジメントとコミュニケーションのコツを全国で伝えている。

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