さて、多くの人は職業によって働き方のイメージを固定して持っています。
今はかなり減りましたが、例えば「コンサルタントは月額で顧問契約をするもの」という信念などもそうです。
しかし、そんな決まりはありません。
私も職業のジャンルで言えばコンサルタントですが、顧問契約でしている仕事はありません。
一度やってみたのですが、あまり自分のやりたい働き方ではないのでやめました。
私のビジネスモデルでは、「連続講座」や「動画教材の販売」が中心です。
他にも、「出版」と「講演」が中心のコンサルタントもいますし、「ベンチャー投資」を中心にされている方もいらっしゃいます。
また、「医師」という仕事がありますが、一概に医師と言ってもさまざまな働き方があります。
手先が器用で「手術」が得意なお医者さんもいます。
「研究」が得意で論文をたくさん書くお医者さんもいます。
離島の人々の健康を守るために日々「診察」を行っているお医者さんもいます。
同じ職業だからといって、働き方自体が同じになるわけではないわけです。
「サッカー選手」でもそうです。
普通なら引退する年齢でもまだ現役で活躍している選手もいます。
監督を目指して人のマネジメントを勉強している選手もいます。
ゼネラルマネージャーなどを目指してビジネスを勉強する選手もいます。
それぞれが、それぞれの関わり方でその業界に貢献すればいいわけであって、職業がビジネスモデルを規定するわけではないということです。
つまり大事なことは、ビジネスに自分を合わせることではないということです。
逆に、「理想のライフスタイル」に「ビジネス」を合わせるのです。
あなたも、その職業の新しい働き方を提案すればいいのではないでしょうか?
昔は、ビジネスに自分を合わせることしかできなかったこともあったかもしれません。
しかし、これだけテクノロジーが発展した時代においては、どんどんビジネスの自由度が上がっています。
ライフスタイルに合わせたビジネスモデルを構築することは、それほど難しくない時代なのです。
そして、直近のライフスタイルだけでなく、長期のライフプランを描いておくこともおすすめします。
私もざっくりとですが、「70歳ぐらいで死ぬ場合」と「100歳ぐらいまで長生きする場合」の両方でライフプランを考えています。
90歳になって今ぐらいバリバリ働いてはいないでしょうし、旅行もそれほど行ってないだろうな、ということが想像できますので、その頃にどういうライフスタイルでいたいのかも分かります。
自分や家族のライフステージによってライフスタイルも変わりますし、それに沿って働き方も変わります。
子育てや介護などの時期も決まりますので、長期的にどのように働き方を変えて行けばいいのかがよく分かります。
先述した1年間家族旅行に行っていた人は、あのタイミングで行っていなければ、お子さんが大きくなってしまって、家族で長期の旅行に行くことはできなかったかもしれません。
逆算していくと、「あと5年はこの仕事をしよう」「次の10年はここに移り住もう」という風に、ライフスタイルの変化が決まり、ビジネスモデルをどのように乗り換えるのかもだいたい決まってきます。
そして、そのプランがあるから、安心して目の前の仕事に取り組めるのです。
さて、「いきなり理想のライフスタイルと言われても難しい」という方の場合は、まずはやりたくないことを明確にしていけばいいのではないでしょうか。
私の場合も、最初はそんな動機からスタートしました。
・通勤はしたくない。
・営業はしたくない。
・社員を雇いたくない。
・冗談の言えない仕事はしたくない。
・命に関わる仕事はしたくない。
・持ち帰る宿題がある仕事はしたくない。
・お客様に呼び出されたくない。
・わざわざ客先に訪問したくない。
そんな風に、やりたくないことを挙げていくと、だんだんとどのようなライフスタイルを送りたいのかが見えてくると思います。
私の場合、最終的にやりたいのは、カッコつけた表現で言えば「作品を残す」ということです。
それがビジネスの中でできれば最高です。
そういうわけで、本を執筆したり、動画教材をつくったりしているわけです。
しかし、同時にセミナーや連続講座なども行っています。
実は、最初は「自分は連続講座をしたいわけじゃない。でも、するべきだろうか?」と、迷ったことがあります。売上を考えるとやった方がよいのですが、「自分の仕事ではないのでは?」と思ったのです。
そんなとき、P・F・ドラッカーの本を読んで、この迷いがすぐに払拭されました。
ドラッカー曰く、彼が生涯を通じて行っていたのは、社会を観察して論文や本にまとめることです。ですが、ビジネスとしては、記者、コンサルタント、大学の先生をされていました。
これらは、生きる糧を得るための手段だったと書かれてありました。
ただし、どの職業においても、最終目的はあくまでも論文や本の執筆でした。
これを読んで、私も「セミナーや連続講座を行うプロセスを通じて、最終的に作品を生み出せればいいのだ」と、腑に落ちました。
セミナーを通じていろんな人の悩みを収集し、分析し、解決策を体系化して、それを本や教材にまとめればよいのだと納得できたのです。
ビジネスをそういう位置づけで考えられるようになって、ようやくセミナーや連続講座をするエネルギーが沸いてきました。
このように、「自分は何者か?」という深い問いと、現実のビジネスモデルがしっくり来たときに、あなたのビジネスは大成功することでしょう。
次回に続く