起業した人の中には、
「こんなに忙しくなるんだったら、起業するんじゃなかった」
「こんなに気を使うなら、サラリーマンの方がましだ」
「こんなに心が休まらないなら、他の仕事にすればよかった」
「社員の給料のために働いている気がする」
などと、嘆いている人たちはけっこう多いです。
せっかく起業したのに、ビジネスが途中で嫌になってしまうのです。
一方で、いつも楽しそうに仕事をしている人たちもたくさんいます。
・とてもゆったりしていて、楽器やコーラスなど、趣味に勤しんでいる人。
・日本中を駆け回って充実している人。
・大企業と取引をしてイキイキとしている人。
やりたいことをやって、本当に自由で楽しそうです。
では、この差はなんなのでしょうか?
ビジネスが嫌になる人の多くは、ただ「稼げそう」だとか、「流行っているから」という理由だけでそのビジネスを始めてしまいます。
一方で、楽しそうに仕事に打ち込んでいる人は、「稼げるかどうか」だけでは判断しません。
もっと大事なことを考慮に入れてビジネスをスタートします。
それは、ひと言でいえば、「理想のライフスタイル」です。
さて、ここでの重要な問いかけは
「あなたは、ご自身の理想のライフスタイルを明確に描いていますか?」
です。
これが明確になっていなければ、何が幸せかわかりませんし、ビジネスでどこを目指せばいいかもブレてしまいます。
そもそも、ビジネスを行う目的は、「自分自身が望む人生」を手に入れるためのはずです。
ですので、「望む人生がなんなのか?」が決まっていないと、本来、どんなビジネスを始めるべきなのかが明確にならないのです。
毎日のように、いろんな場所を飛び回るような生活がいいのか?
それとも、なるべく移動せず自宅に長くいたいのか?
たくさんの人に囲まれるような環境がいいのか?
少数の人とじっくり関わりたいのか?
人前でパフォーマンスをしたいのか?
裏方でサポートをしたいのか?
そんなことを考えておく必要があります。
もし、考えていなければ、
・人との交流が苦手なのに、大人数を相手にするビジネスを始めてしまって苦しくなる。
・ゆったり過ごしたいのに、常に外出しなければならない。
・逆に、人と関わるのが好きなのに、パソコンに向かった作業ばかりしてしまう。
ということにもなりかねません。
これは当たり前のことのように思うかもしれませんが、起業当時は「売上をつくることに必死で考える暇がなかった」という人も多いのです。
私の知り合いの中には、「2週間働いて1週間休む」というサイクルで仕事をしている人がいます。
また、仕事を休んで子供も学校を休学させて、1年間家族で世界旅行していた人もいました。
その話を聞いたときにはビックリしましたが、自分の中の常識がいい意味で壊されました。
「自分の人生なのだから、自由に設計すればいいんだ」ということが腑に落ちました。
他にも、サラリーマン時代には考えもしなかったようなライフスタイルを送っている起業家の方々はたくさんいらっしゃいます。
・毎月、海外旅行に行っている人。
・1日1時間しか働かない人。
・商品の販売が年に1回だけの人。
・社員に業務を任せて、育児に専念している人。
こんな風に自由を楽しんでいる人もいれば、一方で、
・365日休みを取らず、バリバリと活躍している人。
・どんなに寝不足でも、依頼を全てこなしている人。
・年に何冊も本を出している人。
・非営利事業にエネルギーを割いている人。
などもいらっしゃいます。
どんなライフスタイルも、本人が望むように組み立てればいいわけです。
自分のビジネスですから、どんな働き方でも自由です。
私の場合も、自分の趣味や家族との時間など、ライフスタイルを考えてビジネスモデルを構築していきました。
子どもが小学生のころは、参観や運動会などは、きちんと参加していましたし、昼間からコンサートに行ったり、クラリネットを習いに行ったり、好きなことをすることができています。
ランニングをしたり、ジムに通うこともコンスタントにできています。
行きたくなったら海外旅行にも行けます。
海外でも仕事ができますし、旅行に行けないほど忙しくしていないからです。
基本的には自宅で仕事をしていますので、通勤時間もありません。
そして、デスクのすぐ近くにクラリネットを立てているので、気分転換にすぐに練習をすることができるというわけです。
ランニングは朝が多いですが、昼間に走ることもあります。ジムには夕方の4時か5時あたりに行くことが多いのですが、その時間はとても空いていて使いやすいです。
もし会社勤めを続けていたら、こういうことは仕事が終わってからしなければなりませんので、趣味も運動もなかなか続けられなかったかもしれません。
自由に時間を使えるというのが、起業家の醍醐味だと思います。
ビジネスモデルを考える前に、まず、あなた自身の「理想のライフスタイル」を自由に描いてみて下さい。