そこの俺、

　明るくて、お調子者で、クラスの人気者の向井真央は、その類まれなる努力によって、人気者を演じていた。彼の正体は、何をやっても平均以下で、容姿もまったく冴えない男……そんな彼は、高校二年の梅雨時期に失恋し、自分がどれだけ無茶をして恋愛をしていたのかを知る。 「もうこんな自分に、恋愛をする資格なんてない……」 　そう俯きながら夕立の中を歩いていると、彼は大型トラックの目の前に飛び出していた――。 　一命をとりとめ、彼は病院のベッドで目を覚ました。家族の安心する様を見ながら、こう言った。 「おいおい、どうしたんだよう、知らない家族がおれのことなんか囲って……あ、まさか、おれの生来の格好良さに感動しちゃったのか！」 　検査の結果、彼は人物に対しての記憶だけをばっさりと失っていた、だが、例外として元カノのことだけはちゃんと覚えていた！ 　元カノとともに向井真央は二度目の人生を歩みだす――。

中学生の主人公「加賀 河割(かが かわる)」は勉強はできない、運動もできない、容姿も優れない、コミュニケーションも得意ではなく、まさに「最低」な男が、ある理由から「魔法科」を扱う学校へ行くこととなる。 魔法科に行った彼は最低から抜け出すことができるのか？

とある昔の西洋の森の話。外見はただの少女「姫神 罪有(ひめじ ざいあ)」は五百歳である。罪有は森の中で妖精や植物などと暮らしていた。ある日彼女は知る。彼女が、うまれてからの五百年間もの間、無自覚に、人としての禁忌を犯していたことを。