2
件
遥輝は極道の家に生まれたΩ。
家のしきたりにも無頓着なまま自由に生きていた。
そんな遥輝のそばには、幼なじみであり護衛でもある遊馬がいる。
いつも一緒にいて、何をするにも遊馬がそばにいてくれる。
しかし、ある日突然「許婚」の存在が告げられる。
「Ωには相応しいαがいる」と。
その日から、遊馬の態度が少しずつ変わり始める。
優しいままだけど、ふとした瞬間に見せる独占欲の強い瞳。
からかうような甘い言葉が、どこか本気の響きを持っていて――。
「お前は、俺だけのものだろ?」
「ずっとそばにいてやるから、他のやつなんかいらねぇよ」
まだ気づかない。
この気持ちが“恋”だなんて、遥輝は全然わかっていない。
けれど、幼なじみの優しい執着は、遥輝を確実に絡め取っていく。
文字数 14,848
最終更新日 2025.03.02
登録日 2025.03.01
佐藤裕貴はΩとして生まれた21歳の男性。αの夫と結婚し、表向きは穏やかな夫婦生活を送っているが、その実態は不完全なものだった。夫は裕貴を愛していると口にしながらも、家事や家庭の負担はすべて裕貴に押し付け、自分は何もしない。それでいて、裕貴が他の誰かと関わることには異常なほど敏感で束縛が激しい。性的な関係もないまま、裕貴は愛情とは何か、本当に満たされるとはどういうことかを見失いつつあった。
そんな中、裕貴の職場に新人看護師・宮野歩夢が配属される。歩夢は裕貴がΩであることを本能的に察しながらも、その事実を意に介さず、ただ一人の人間として接してくれるαだった。歩夢の純粋な優しさと、裕貴をありのまま受け入れる態度に触れた裕貴は、心の奥底にしまい込んでいた孤独と向き合わざるを得なくなる。歩夢と過ごす時間を重ねるうちに、彼の存在が裕貴にとって特別なものとなっていくのを感じていた。
しかし、裕貴は既婚者であり、夫との関係や社会的な立場に縛られている。愛情、義務、そしてΩとしての本能――複雑に絡み合う感情の中で、裕貴は自分にとって「真実の幸せ」とは何なのか、そしてその幸せを追い求める覚悟があるのかを問い始める。
束縛の中で見失っていた自分を取り戻し、裕貴が選び取る未来とは――。
愛と本能、自由と束縛が交錯するオメガバースの物語。
文字数 73,577
最終更新日 2025.01.29
登録日 2025.01.11
2
件