私はリリシュ=シュローテッド。成り上がりの男爵令嬢で、今そこできゃんきゃんと子犬みたいに喚いている第二王子レトリー殿下の現婚約者。
この度の卒業パーティで婚約破棄という壮大な『ざまあ』をされる、はずだった。
「リリシュ=シュローテッド! このままでは婚約破棄をしてしまうぞ! いいのか? おい、ちゃんと好きと言え!」
あれ?
でも気付いたらこれ、私にじゃなく、意地悪してきてた元婚約者のヴィクトリアに対する『ざまあ』になってない?
おいおいー―。
ちょっと、ヴィクトリアがまだ立ち直れてませんよ、殿下。まだやるんですか……
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文字数 12,637
最終更新日 2020.04.14
登録日 2020.04.13
少女漫画を読んでいると、ヒロインカップルを邪魔する女が必ずといっていいほどでてくる。
大抵それはボブカットの女。
そう。それが私。
いつも本気で恋をしているのに、誰かの恋愛のちょうどいいスパイスにしかならずに終わる。
そんな立ち位置から脱したいと思いつつも脱せないのは悔しいので、「邪魔な脇役ボブ女」を仕事に(報酬は食堂の食券三日分)してみた。
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文字数 8,020
最終更新日 2020.03.29
登録日 2020.03.29