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100年前、このリーンベル大陸はまだ小さな国が小競り合いを繰り返す戦乱の中にあった。
ユーステル王国ロメリオ・ユーステルとアーバイン皇国ジュリエラ・アーバインは一触即発ながら表向き良好な関係の、特に小さな2国の王族だった。
水面下で腹の探り合い、謀略のかけあい、暗殺、色々あったけれど王子だったロメリオと隣国皇女だったジュリエラはそんな2国の関係を改善しようとする派閥と手を組み何度も顔を合わせる内恋に落ち……。
やがて戦禍は2人の恋をも焼き尽くす事になる。政略結婚として嫁いできたジュリエラが何者かに暗殺されてしまったのである。それを機にアーバイン皇国は宣戦布告。
しかもジュリエラ殺しの主犯として処刑されたのはロメリオの最も信頼する腹心の部下ユマニエルとキンバリーで。
2人の無実を訴えるロメリオの声は届かず、戦争を止める事も出来ず、彼もまた戦乱の中1人失望しながら息絶えようとしていた。
「もう一度彼らに会いたいな……」
攻撃魔法や弓矢、燃える煙が覆い尽くす空を見上げて微かに見える青空に伸ばす手は血に塗れている。
ユマニエルの生真面目な声、キンバリーの朗らかな声、そして愛しいジュリエラの涼やかな声……ぱたり、と手が胸の上に落ちる。空を見上げる瞳はどろりと濁り、最早生の欠片は1つもなかった。
「……確かにもう一度会いたいって願ったけど、どうしてみんな男に生まれて来ちゃうの!?ねえ、どうして!?」
薄ピンクの髪、色素の薄い茶色の瞳。中性的な容姿の青年は地に倒れ伏して叫ぶ。
「しかも信じられる!?俺のジュリエラがこんな大男になるとか信じられる!!?」
金の髪、灰色の瞳の長身の青年は呆れた様子で肩を竦めた。
「“俺のジュリエラ”とかキモイんだけど」
「やだ信じない、ジュリエラが“俺”とか言うの信じない!」
「まあ何にせよ俺“下”になるつもりないから。俺とそういう仲になりたきゃ“下”になる覚悟してからにしな」
元ロメリオ、現デュナはそう言って部屋に戻っていく歩く彫像のような理想的な筋肉に恵まれた体の元ジュリエラ、現ネイビスを見て叫んだ。
「嫌だーーーー!!信じないーーーー!!!」
前世の恋人と再会したら立場が逆転してるとか有りですか!?
※表紙はAIです
文字数 63,994
最終更新日 2024.11.18
登録日 2024.10.24
幼い頃村を奴隷狩りに襲われ居場所を奪われた鳥人族の青年は金糸雀(カナリア)という希少でありながら声が出ない劣等種の為、18歳になるとそれまで働かされていた奴隷商の元から娼館へと売られてしまう。
彼はそれから4年、奴隷(スレイブ)と呼ばれ娼館で地獄のような日々を送っていた。唯一の拠り所は未だ奴隷商の元にいる双子の弟達だけ。
そんなある日、スレイブは娼館にやって来た1人の男と出会う。
「年は」「名前は」と訊くばかりでスレイブをなかなか抱こうとしない男との出会いが彼の人生を変えていくーー
黒の騎士と恐れられる辺境伯と声の出ない鳥人族の青年の物語。
※表紙はAI作成です。
文字数 52,662
最終更新日 2024.07.03
登録日 2024.05.04
カルヴァンラーク王国に住む薬師のミズイロはある日王城からの登城命令により召集(拉致)される。
そこで国王から告げられたのはーーー。
「お前は勇者なのだ、薬師ミズイロ。どうかこの国を救う為魔王を倒してくれ」
「えっ、嫌ですぅ…。魔王なんて怖いし、魔物も怖いし、旅の途中でお化けとか出るかも知れないし…」
「やかましいわ!ごちゃごちゃ言わず黙って旅立てーーー!!!」
王の鉄拳で城外に吹っ飛ばされたミズイロの旅が今ーーー始まる。そんなに強いんだから自分で行けば良いじゃん!
勇者の剣は聖剣じゃなく呪剣だし、戦闘後デメリットで体が子供サイズになるし、仲間の第4王子は俺様だし、第3王女はすぐ邪気を放つし、魔術師は変な人だし。
神様!僕このパーティーで生き残れる気がしません!
※表紙はAI作成
文字数 60,981
最終更新日 2024.05.09
登録日 2021.10.07
人族、精霊族、魔族、獣人族が住む世界アンダリウム。
4人種の争いに終止符を打った英雄クセンチュアナが死んでから100年。
表向き争いのなくなった世界ではあったが未だに種族差別の残る人族の国で魔族の父と人間の母を持つエルフィスは両親と共に人目を避けて森の奥で生活していた。
だが3歳になったある日何者かの襲撃を受け、両親を喪ってしまう。
奴隷商に売られるも半魔である事を理由に虐げられ、8歳で異教徒に悪魔へ捧げる贄として買われた時には既に瀕死の重傷を負っていたエルフィスを救ったのは母の兄であるという人物。
その日からエルフィスの生活はがらりと変わった。
子煩悩な父、厳しくも愛情深い母、騒がしくエルフィスにまとわりつく兄達。これまで両親以外の優しい人間を知らなかったエルフィスは大いに戸惑い、心を閉ざしていた。
そんな彼を初めて襲った魔力の暴走。それを鎮めたのは精霊族と人間のハーフである半霊の少年でーー。
同い年の少年半霊のイオニアと関わる内、やがて新しい家族からの愛情をゆっくりと受け止められるようになった彼は思う。
「この世にうざくない兄がいるの……?」
「エルフィス様の兄上方が特殊なだけかと」
「お兄ちゃんめっちゃショックなんだけど!?」
鬱陶しい愛情を注ぐ兄達と半霊で寡黙な護衛の見習い騎士、新たな友人達。半魔のエルフィスを虐げ差別する人達。
森の家ではわからなかった広い世界の中、戸惑いながら前に進む半魔の少年の物語。
※表紙はAI作成です。
文字数 3,240
最終更新日 2024.05.04
登録日 2024.05.04
短編をまとめてあげていきます。それぞれ章の所にシリーズ名をつけてわけております。
2016年くらいに書いていた短編達です。
文字数 36,754
最終更新日 2024.02.08
登録日 2024.02.04
8歳の頃ここが『光の勇者と救世の御子』の小説、もしくはそれに類似した世界であるという記憶が甦ったウル。
家族に疎まれながら育った自分は囮で偽物の王太子の婚約者である事、同い年の義弟ハガルが本物の婚約者である事、真実を告げられた日に全てを失い絶望して魔王になってしまう事ーーそれを、思い出した。
思い出したからには思いどおりになるものか、そして小説のちょい役である推しの元で幸せになってみせる!と10年かけて下地を築いた卒業パーティーの日ーー
ーーさあ、早く来い!僕の10年の努力の成果よ今ここに!
魔王になりたくないラスボス(予定)と、本来超脇役のおっさんとの物語。
※体調次第で書いておりますのでかなりの鈍足更新になっております。ご了承頂ければ幸いです。
※表紙はAI作成です
文字数 217,685
最終更新日 2024.02.07
登録日 2023.08.23
国唯一にして最強の精霊師として皇太子の“婚約者”となったアレキサンドリート。幼い頃から想いを寄せていたテオドールに形だけでも添い遂げられると喜んでいたのも束の間、侯爵令嬢であるユヴェーレンに皇太子妃の座を奪われてしまう。それでも皇太子の側にいられるならと“側妃”としてユヴェーレンの仕事を肩代わりする日々。
過去「お前しかいらない」と情熱的に言った唇で口汚く罵られようと、尊厳を踏みにじられようと、ただ幼い頃見たテオドールの優しい笑顔を支えに耐えてきた。
しかしテオドールが皇帝になり前皇帝の死に乱れていた国が治まるや否や、やってもいない罪を告発され、周りの人々や家族にすら無罪を信じてもらえず傷付き無念なまま処刑されてしまう。
だが次目覚めるとそこは実家の自室でーー?
全てを捨て別人としてやり直す彼の元にやってきた未来を語るおかしな令嬢は言った。
「“世界の強制力”は必ず貴方を表舞台に引きずり出すわ」
世界の強制力とは一体何なのか。
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女性キャラとの恋愛はありませんがメイン級に出張ります。
ムーンライトノベルズさんで同時進行中です。
表紙はAI作成です。
文字数 160,879
最終更新日 2023.09.27
登録日 2022.10.01
仕事で朝帰り中、酒を飲んで海に落ちた嶋鳥 朴(しまとり すなお)。目が覚めるとそこは全く知らない世界で…。
魔力が高いと物理防御は紙きれ並みの世界で、SSSクラスの魔力を持ちながら農民になりたい朴が行く浄化の旅。
モフモフに囲まれたスローライフを希望したのに最初からスローライフと程遠い出来事に遭遇する不運の連続でーーー俺は農民になりたいんです!
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仕事時間が不規則な為、更新時間も不規則ですが出来るだけ毎日更新できるよう頑張ります。
文字数 424,338
最終更新日 2022.05.20
登録日 2021.08.15
小説家の青年×援交少年
母親に捨てられ、父親は病死した。高校生の雨宮 真希は小さな弟真央を育てる為に援助交際を繰り返していた。そんなある日、優しくしてくれる隣人の青年に援交を知られてしまい…。
文字数 49,033
最終更新日 2021.08.25
登録日 2021.08.24
出会うはずのなかった二人が出会い動き出す物語。
仲間二人と気儘に傭兵家業を営む銃剣士のソラは、一仕事終えて戻って来た町で柄の悪い他の傭兵に絡まれている一人の少年アサギと出会う。口の利けない彼は「家出をした」「家には帰りたくない」という。
詳しい事情を聞こうとしても、教えてくれない彼を襲う謎の仮面兵士達。アサギの“ご主人様”の兵士だという彼らはアサギを何の躊躇いもなく殴り飛ばした。
兵士から逃れようとするアサギをなし崩し的に助けた彼らに、アサギは一つの依頼をする。
「自分を逃がしてくれた兄を助けて欲しい」
その依頼から世界を揺るがす事件に発展するとは夢にも思わずーー
※二分の一の世界と最終的にリンクしますが、物語には直接関係ないのでどちらも単品で読めます。
※ムーンライトノベルズでも投稿始めました。
文字数 200,969
最終更新日 2021.08.18
登録日 2021.07.11
襲った船にあった“積み荷”は一人の青年だった。
悪徳な海軍や悪行を尽くす海賊ばかりを狙う義賊――漆黒の聖女。
船長であるケイが拾った青年ーーアサギは違法な薬で前後不覚になっていたものの何とか正気を取り戻したけれど、正気に戻った彼の第一声は「何で殺してくれなかった」だった。
快楽に弱く、そのくせなかなか本心を話さず素直じゃない彼に惹かれていくケイ。
自由奔放ながら部下達から絶対的な信頼を寄せられるケイに心を開いていくアサギ。
二人の思いが通じ合った頃、彼の元に現れた人物が全てを壊しーー?
何かから逃げてきた青年と奔放な船長の物語。
■■■■
※君を呼ぶ声と最終的にリンクしますが、こちらの物語の内容自体には関わりがありませんので単品で読めます。
文字数 190,364
最終更新日 2021.08.10
登録日 2021.07.11
路地裏にひっそりとある占い師の店。知る人ぞ知るそのお店はいつしか人気の店になったけれど、来るのは生きた人間ばかりではなく…。
文字数 6,694
最終更新日 2021.07.14
登録日 2021.07.14
merfolk(マーフォーク)。人工的に生み出された半人半魚の少年と飼育係の青年の悲しい恋物語。
文字数 11,155
最終更新日 2021.07.13
登録日 2021.07.13
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