8
件
運転操作不適や不注意での交通事故が相次いでいる。
一生を80年と仮定した場合、人生で交通事故に遭う人は4人にひとり。
明日は我が身と考えてもおかしくない値であり、誰もが加害者にも、被害者にもなりうる。
この先ずうっと、日常に潜む恐怖からの自由を求め続けたい。
出版社勤務の事件記者“中野連”。連には、女性警察官の妹がいる。事件記者と警察官の連携で事件の真相を追う。
都心の集合住宅の一室で女優である藤堂さくらが殺害される。害者は仰向けで倒れていた。争った形跡がないどころか、穏やかな顔をして、髪の毛や衣服がきれいに整えられていた。顔見知りの犯行である可能性が高いということで捜査は進められた。まずは、侵入したと思われる経路を特定する集合住宅のエントランスに設置してある防犯カメラの映像のチェックを試みるも……。さくらが所属する劇団員か、周辺の住民か、あるいは行きずりの犯行なのか。
近々公演予定の舞台で、さくらが主役を務めることが決まっていた。事件をきっかけに、劇団員たちの間に不安が広がり始め、互いに疑心暗鬼に陥り、絆に亀裂が入る。公演中止、解散寸前の状態に。
連と警察は、劇団員の動向に注目しながらも、それら以外の害者周辺の情報を集める中、さくらの両親が交通事故に遭って亡くなっていたという情報を入手する。今回の事件との関連性は薄いと感じながらも取材や捜査は進められた。
文字数 142,226
最終更新日 2023.03.16
登録日 2023.02.13
“いつも人と比べてしまう……周りが気になる……とにかく歯がゆい……そんなんじゃダメだよね”
主人公は二十八歳のOL。大学卒業後、社会に出て六年経ち、一通りの仕事や作業を無難にこなせるようになっていました。
「今日も、何ごとも起こりませんように」とつぶやきながら、ストレスは多少あるけれど、大きな不満は特にない日常が続いていましたが、ふと将来に対する不安がよぎります。同い年である同僚との比較で、自分に対する物足りなさを感じるようになります。
同僚には将来有望の恋人が社内にいます。ところがある日、同僚は結婚相談所に入会します。恋人がいるのに、なぜ結婚相談所に入会するのか?
しばらくして、同僚は相手を紹介され、それなりに楽しい日々を過ごします。
そして、二人目となる商社マンを紹介されてから日々のリズムが狂い始めます。
ある日、重大な出来事が起こります。自分だけでは解決できない、取り返しのつかないことが。
解決策は? 平坦な道はありませんでした。
文字数 121,738
最終更新日 2018.07.15
登録日 2018.04.21
JR新橋駅日比谷口のSL広場で、行き交う人たちにチラシを配っている人物がいる。その人物が配布しているは、片面モノクロ印刷したA4サイズのチラシ。内容は、自殺志願者を対象にしたセミナーの勧誘だった。広場では忙しい人たちが多く、チラシを受け取る人はあまりいない。受け取っても、タイトルを見て不快に思うのか、そのまま道に捨てたり、丸めてゴミ箱に入れたりで、じっくり読む人なんてほとんどいなかった。
その中で、深い悩みを抱いていたのか、興味を示した人たちが開催日に会場に足を運んだ。
セミナー会場は、九階建のビルの最上階にある。そのビルは、ペンシル型で細長く、ワンフロアに一つの会社や事務所が入っているようなこぢんまりとした感じのものである。参加者全員が揃うと、主催者のあいさつに続いて、セミナーの内容についての説明があった。
ここに集まった人たちは自殺志願者だ。今すぐ、あるいは近いうちに死にたいと思っている人たちがほとんどだ。主催者もそのことは十分に承知している。最終目的がなんなのかも伝えようとすることもなく時間だけが過ぎていった。
文字数 33,827
最終更新日 2015.03.31
登録日 2015.03.21
8
件