伊藤ほほほ

伊藤ほほほ

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ファンタジー 連載中 長編 R15
「ヨール・ブラック、お前にはギルドを辞めてもらう。貸し与えた装備を脱ぎ、今すぐ立ち去れ!」 「そんな……。昨日も死ぬ思いでダンジョンに潜ったんですよ!」 探索者ギルド『ホープシーカーズ』の大広間で、ギルドマスターのロクス・オールラウンドから追放を言い渡された。 理由は簡単だ。俺が弱すぎたから。 その場に居たギルドメンバーに体を押さえつけられ、装備を剥ぎ取られた俺は、パンツ一丁の姿でギルドハウスから追い出されてしまう。 土砂降りの雨の中、絶望で頭が回らずふらふらと街中を歩く。気付くと屋台で酒を飲み、愚痴をこぼしていた。 「おい王様! よくも今までこき使ってくれたな!」 そこにやって来たのが、パーティメンバーでCランク探索者のハグワ・デレンジだ。ギルドをクビになった俺を追いかけて来たらしい。 ハグワに肩を小突かれた俺は、砂煙を巻き上げながら地面を転がってしまう。 「ちょっと! やめて下さい!」 地面に倒れ伏す俺の側に、同じく元パーティーメンバーで回復術師のエリーナ・ローズゴールドが駆けつけて来た。 肩が外れ、地面を転げ回った衝撃で肋骨が砕けた俺に回復魔法の癒しがかかる。 「俺に構わないでくれ!」 その場から逃げるように走り去り、宿に戻る。 泥だらけの体を早く綺麗にしたかったので、すぐに服を脱いでユニットバスの扉を開き中に入った。 「……は?」 そこは、ダンジョンだった。
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文字数 47,986 最終更新日 2025.01.14 登録日 2023.07.04
13歳になる年の始め、子供達は教会に集まる。 人生が決まるに等しい、適性診断があるからだ。 全ての人がモンスターを召喚できる召喚士となり、サモナーとテイマーに分かれる。 これが問題で、一般的にテイマーはハズレ、サモナーはアタリとされていた。 適性診断では、どんなモンスターに特化した召喚士であるのかが分かる。 ここに、夢を語りながら教会へと向かう子供が二人。 主人公のカイト・フェイトと、その幼馴染のラビ・エンローズだ。 どんな召喚士になるのか、気になってしまうのは当然のこと。 同じ学校に通う、顔見知りの子供達が作る列の最後尾に並び、ドキドキしながら順番を待つ。 一人、また一人と診断を終えて出てくる子供の顔は三者三様。嬉しそうな表情ならサモナー、絶望を浮かべていればテイマーになったのだろうと分かりやすい。 そしてついに、二人の順番がやってきた。 まずは、幼馴染のラビ・エンローズから。 「……ねえ、カイトくん? ……ラビね、ドラゴン特化サモナーになっちゃった」  小さく呟き、振り返ったラビの顔は、悲しんでいるのか喜んでいるのかよく読み取れない。口角は上がっているのに涙目で、頬がヒクヒクと動いている。  何が起きたのか理解できず、まるでカイトに助けを求めているようで……。 「す、すごいじゃん!」  幼馴染が、世界最強のドラゴンサモナーになってしまったのだ。手の届かないところへ行ってしまった気がして、カイトには情けない一言を発することしかできない。 「僕だって!」 しかし、カイトも自分を信じて疑わない。 ステータスを見ると、スライム超特化テイマーと表示されていた。 絶望するカイト。世界から色が消え失せて、ショックからか意識を手放す。 親の助言もあり、立ち直ることはできた。 だが、いじめっ子同級生のザンブに決闘を挑まれる。 自分を信じてスライムをテイムし、カイトは困難に立ち向かう。
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