坂之上氷太朗には好きな人が居る。
出会ったあの日から高校二年生になった今まで一日たりとも彼女を想わなかった事はない。それほど恋焦がれていた。しかし、彼の奥手かつ臆病な性格が祟って、ここ五年間は言葉すら交わせていないかった。
そんなある日、ひょんな出来事から氷太朗は美夜に天体観測の約束を取り付けることに成功した。
千載一遇のチャンスである。何があっても失敗出来ない。
そう意気込む氷太朗は、気が付くと『異世界』に居た。
文字数 129,819
最終更新日 2024.06.18
登録日 2024.06.17