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この男娼、何かおかしい
スパダリ男娼×不器用な運び屋
飛竜に乗りこなす男、ヴィントは運び屋だ。
借金返済のため仕事に追われる日々を送る彼にとって、金だけがすべてだった。
虚しさを抱えながらも稼ぐ事しか出来ない。苦労に対し簡単に消えていく金。
他者に与えられる無償の愛を目の当たりにする度に自覚する心の渇き。
ヴィントは誰にも奪われない、なにか確固とした拠り所を望むようになる。
出会いは突然だった。ヴィントは青い瞳が美しい青年・ソルに助けを求められる。
「身請けされたら殺される。助けて」
そう、ソルは男娼だった。
ヴィントはソルに食事を与える。腹を満たして体よく追い返そうと考えていたが、不意にソルとの食事にいままで感じたことのない温かみを覚えた。心地よく、長らく忘れさっていたもの。
ヴィントは得心する。求めていたものは、これかもしれない。
――愛だ。
ヴィントはソルにそんな感情をぶつけ、身体を交えるが、得た物は嫌悪感。
男娼から本物の愛を得られないと、ソルを追い出してしまう。
だが、ヴィントの心には喪失感と後悔が残ったのであった。
翌日、ソルは国家騎士によって捕らえられてしまう!
拘束されるソルを見かけたヴィントは苦悩する。
男娼に過ぎぬ彼を救ってもしかたがない。
しかし。
ヴィントの足はソルの救出に向かっていた。
ヴィントは知りたかった。
共に楽しく食事をしたあの温かさを、安心感を。あの感情の名前を。
――ソルが与えてくれたものと向き合いたい!
飛竜を呼び寄せ、ヴィントはソルと共に逃避行の旅に出るのであった!
ヴィントとソルは旅をしながら互いに惹かれ合っていく。飛竜の上で天空の交わりを経験したりと幸せな日々が続くが……?
第二回キャラ文庫小説大賞の中間通過した作品を改稿しているので、不定期更新ですが、11月中には完結出来る予定です。
文字数 2,085
最終更新日 2024.10.31
登録日 2024.10.31
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