ライト文芸 人斬り小説一覧
4
件
ソレは、さながら、妖――。
偶然を装った必然の出逢い。
細い月が浮かぶ夜、出逢ったその人は人斬りでした。
立派なのは肩書だけ。中身なんて空っぽだ。
この国は、そんな奴らがのさばっている。
将軍の死の疑惑。
そこから、200年続いたうわべだけの太平の世の終焉が始まった。
「この国をいい国にしたい。弱い人が、安心して暮らせる国に」
動乱の中、その一心で「月」になったひとりの少年がいた。
少年はやがて青年になり、ある夜、ひとりの娘に出会う。
それは、偶然を装った、必然の出会い。
そこから、青年の運命が大きく動き出す。
都の闇夜を駆け抜ける影。
一つよに咲く華となれ。
文字数 132,559
最終更新日 2022.06.09
登録日 2021.09.28
あれは、細い月が浮かぶ夜。
偶然を装った必然の出会いに、柚月は禁断の恋へと堕ちていく。
柚月一華(ゆづき いちげ)。
彼は、政府転覆を狙った組織「開世隊(かいせいたい)」お抱えの人斬りだった。
紆余曲折を経て、今は政府の宰相、雪原麟太郎(ゆきはら りんたろう)の小姓をしている。
開世隊との戦が終わり、平穏な日々が続く中、柚月の中にだんだんと、だが確実に、自覚され大きくなってく、罪の重さ。
「俺は所詮、人斬りだ」
そう思いながら、止められない椿への思い。
その椿もまた、人斬り。
それも、柚月を殺そうとしていた人物だというのに。
「好きだ」
いやもう、めっちゃ好き。
好きがだだ洩れている。
そんな椿も、表向きは雪原の世話係。
忙しい雪原について、ずっと城に泊まり込んでいた。
それが、雪原が「本宅に帰る」と言うので、椿は久しぶりに柚月が住む雪原の別宅に帰ってきた。
椿自身気づいてはいないが、足どり軽く。
椿もまた、柚月に会えるのを楽しみにしていたのだ。
だが、もじもじすれ違う二人。
おまけに、椿と仲良さげに話す男まで現れて⁉
さらに、二人の主人雪原は、柚月を遊郭に連れて行き、自分の馴染みだという遊女、白峯(しらみね)と契りを交わすよう柚月に迫る。
柚月と椿。
二人の恋は、前途多難。
一つよにさく華となれ。
幕が開け、渡りを経て、嵐の予兆が訪れるまでの、ほんの隙間の物語。
文字数 28,327
最終更新日 2022.04.13
登録日 2022.03.26
暮れ六つ過ぎ。
十日ごとに遊郭に現れる青年がいる。
柚月一華(ゆづき いちげ)。
元人斬り。
今は、かつて敵であった宰相、雪原麟太郎(ゆきはら りんたろう)の小姓だ。
人々の好奇の目も気に留めず、柚月は「白玉屋」の花魁、白峯(しらみね)の元を訪れる。
遊ぶためではない。
主の雪原から申し渡された任務のためだ。
隣国「蘆(あし)」の謀反の気配。
それを探る報告書を受け取るのが、柚月の今回の任務だ。
そんな中、柚月にじわりじわりと迫ってくる、人斬りだったことへの罪の意識。
「自分を大事にしないのは、自分のことを大事にしてくれている人を、大事にしていない」
謎の言葉が、柚月の中に引っかかって離れない。
「自分を大事にって、どういうことですか?」
柚月の真直ぐな問いに、雪原は答える。
「考えなさい。その答えは、自分で見つけなさい」
そう言って、父のように優しく柚月の頭を撫でた。
一つよに咲く華となれ。
文字数 46,727
最終更新日 2021.09.24
登録日 2021.09.01
自分を狙った人斬りを小姓にするとか、実力主義が過ぎませんか?
人斬り 柚月一華(ゆづき いちげ)。
動乱の時代を生きぬいた彼が、消えることのない罪と傷を抱えながらも、新たな一歩を踏み出す。
すべてはこの国を、「弱い人が安心して暮らせる、いい国」にするために。
新たな役目は、お小姓様。
陸軍二十一番隊所属宰相付小姓隊士。宰相 雪原麟太郎(ゆきはら りんたろう)は、敵方の人斬りだった柚月を、自身の小姓に据えた。
「学びなさい。自分で判断し、決断し、行動するために」
道を失い、迷う柚月に雪原は力強く言う。
「道は切り開きなさい。自分自身の力で」
小姓としての初仕事は、新調した紋付きの立派な着物を着ての登城。
そこで柚月は、思わぬ人物と再会する。
一つよに咲く華となれ。
※「一よさく華 -幕開け- 」(同作者)のダイジェストを含みます。
長編の「幕開け」編、読むのめんどくせぇなぁって方は、ぜひこちらからお楽しみ下さい。
文字数 20,431
最終更新日 2021.07.26
登録日 2021.07.26
4
件