児童書・童話 怪奇小説一覧
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主人公、歌川 優斗は十一歳の小学五年生。
ある日。
学校の宿題でプリントが配られた。
そこには、将来のなりたい職業、というタイトル。
彼は「配信者」と書いてしまう。
そのことでクラスメートの牛田に笑い者にされてしまった。
なぜなら、優斗は会話が下手だったから。
そんな自分が嫌になり、配信者は諦めようと決意する。
しかし、帰宅すると、母親がプレゼントをくれた。
それは撮影用の大容量スマホだった。
母のすすめで、配信者はやってみることにする。
彼女の協力をへてチャンネルを設立。
その名も『ユートチャンネル』
まずは、姫井ヶ森の沼に住む、大好きなタガメを撮影することにした。
沼に行く途中。
不思議な場所に迷い込んでしまう。
一人の女性が立っていて、その姿はコート姿。
真夏なのにコート?
よく見ると、その体には目玉がたくさんついていて、ギョロリと動いているのだった。
優斗はスマホで録画中である。
そんな映像を撮ってしまったから大変。
それから次々と不思議な妖怪に遭遇して……。
優斗は配信者になって妖怪を撮影する。
モフモフの毛玉の妖怪、毛毛丸とも友達になってしまう。
妖怪たちの映像はたちまち大人気!
アップした動画はバズりまくる!
妖怪配信者の誕生だ!
そんな中、姫井ヶ森で人が石になるという不思議な事件があった。それは妖怪の仕業で……。
果たして、妖怪配信者になった優斗は事件を解決できるのか!?
妖怪たちは不思議で楽しい。でも、ちょっと怖い奴もいたりして。
そんな妖怪たちと織りなす現代ファンタジー小説!
文字数 63,852
最終更新日 2024.07.21
登録日 2024.07.19
春夫がまだ小さい頃。近所の神社でいつものように遊んでいた。同級生でもあり、神社の娘でもある希子は春夫を見つけて声をかける。
「おぉい!はるくん何してるのぉ?」
「ん?のこちゃん。今ね、池の中に何か見えて……」
「鯉じゃない?」
「いや、何か光った気がしたんだ」
「あっ!お父さんが言ってた。この池は参拝客がお金を投げ込むんだって。それじゃない?」
神社の裏手にある池は鯉にちなんで「恋人が結ばれる池」として当時はちまたで有名だった。休日ともなると参拝客が列をなしている時もあった。平日のその日は人気もなく、セミの声だけが聞こえる。
学校はちょうど夏休みだった。春夫は宿題を終わらせ、神社の境内で自由研究にとカブトムシを探しに来ていた。
「ほら、そこ。さっき光った様に見えたんだけど」
「どこ?のこには見えないよ。ねぇ、本当に――」
「お……おい……お前は誰だっ!!!」
「え?急に何!?はるくん!どうしたの!!ねぇ!」
それは太陽の光が反射する池の湖面に立っていた。この時、それは春夫にしか見えていない。
『……お主、わしの姿が見えたのかぇ?』
それは真っ白な装束を着て、髪も真っ白、目は赤く、長い舌が特徴的だった。
春夫は驚きのあまり声が出ない。尻もちを着き震え始める。何も見えていない希子は春夫と池を交互に見るが何が起きているのかわからない。
「ちょ!はるくん!しっかりして!!ねぇ!」
その時、突然春夫の足が引っ張られ池の方へと引きずられる――
2023.7.20〜
文字数 100,042
最終更新日 2023.08.31
登録日 2023.07.31
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