歴史・時代 怪力小説一覧

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「腹が……減った」  最後に何かを口にしたのは何日前だっただろうか。  世は戦国時代。  俺は主を失ったさすらいの武士である。  つまるところ無職だ。  三郎丸と名乗っている。  力に自信はあるので、なんとか武功を示したいところなのだがな……。  このあたりは、織田家の領地だ。  当主の信長は、うつけ者として有名らしい。  うつけ者であれば、名家の出身ではない俺でも雇ってくれるかもしれない。  そんなことを考えつつ、道を進んでいく。  ちょうど、織田家と今川家の武力衝突の場面に出くわした。  織田家が劣勢だ。  少女が窮地に陥っていたので、俺は織田家に加勢した。  そして……。 「いい? 三郎丸とやら。あなたは間違って覚えているようだから、教えてあげるわ!」  少女がそう言って、腰に手をあてる。  何やら偉そうなポーズだ。 「この尾張の当主は、この私。織田信菜よ!」
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文字数 2,433 最終更新日 2021.06.01 登録日 2021.05.31
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