魂が百個小説一覧
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「ソフィーナ嬢、君との婚約は解消だ!!!」
声を張り上げたのはこのオルタ国の王太子、アルフレッド・クラウン・オルタだ。
そしてそれに対峙するのはその婚約者、ソフィーナ・ベリア。
この国唯一の公女である。
「本気で言っておりますの?」
「勿論だ!」
「この婚約は王家の方から頼みこまれて渋々お受けしたものでしてよ?本当によろしくて?」
なるほど、なかなかに気が強い女性だ。
王太子相手に一歩も引いていない。
「君のその、いつも僕を小馬鹿にするような態度が嫌いだった!僕はこの…」
他人顔で見ていた私は突然、ガッと腕を掴まれ引き寄せられる。
転げそうになりながら前に出る私を小脇に抱えるような恰好で、王太子殿下は声高に宣言した。
「カブラギ男爵令嬢ユーリと結婚することにする!!!」
「…は?」
それは私にとっても寝耳に水な言葉だった。
文字数 60,496
最終更新日 2024.09.20
登録日 2024.08.30
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