贋作 小説一覧
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贋作師(がんさくし)——本物と見紛う “偽物” を描き、あたかもそこに “もう一つの傑作” が存在したかのように市場へ忍び込ませる。
単なる偽造ではなく、芸術と欺きの境界線をゆく、もうひとつの創造行為である。
本作は、実際に存在した贋作師の生涯に着想を得たフィクション。
史実と空想が交差する筆の先に、
“本物とは何か” 、“芸術とは誰のものか” という問いが静かに浮かび上がる。
描かれたのは、過去ではなく「もしも」の世界。
騙すためではなく、語るために描いた一枚の絵。
"ある空白" を埋めるために他人になりきった、ある男の静かで鮮やかな闘い。
文字数 87,411
最終更新日 2025.09.18
登録日 2025.08.07
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『徒人草』・あだひとぐさ、なる古文書が京田辺市の寺から発見された。有名な『徒然草』を元に50年後の室町時代に書かれた文章で、その機知に富む軽妙な文章には高い評価がなされ、国の重要文化財に指定された。しかし、専門家からは偽物では?との声が上がり、真贋論争が繰り広げられたが、決着がつかずにウヤムヤとなった。『徒人草』が発見された寺の住職は亡父の日記を読んで、『徒人草』は父が復讐のために捏造した贋作と知るが・・・
文字数 8,127
最終更新日 2025.03.30
登録日 2025.03.30
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徳島県立近代美術館に展示される名画「自転車乗り」。その真贋に疑念が浮かび上がる。館長・東条理香は、修復師・三枝からの報告を受け、調査を開始。地元紙記者・水無月も巻き込み、美術界を揺るがす贋作疑惑の核心へと迫っていく。やがて浮かび上がるのは、世界的贋作師ベルトラッキの影と、芸術と真実の曖昧な境界。贋作が意味するものとは何か、美術館の責任とは、美とは何かを問う本作は、サスペンスとヒューマンドラマが融合した社会派ミステリー。真実を追い求める人々の葛藤と決断、そして贋作に込められたもう一つの芸術への情熱が胸を打つ。最後に残されたのは、贋作という名の“真実”だった――。
文字数 9,280
最終更新日 2025.03.26
登録日 2025.03.26
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