架空の恋人小説一覧
2
件
娘の生涯は生まれた時から悲惨だった。前世なにかやったか?とおもうぐらい初めから詰んでいた。
娘の父親は、強姦魔で狂人でろくでなしでいつも酒をかっくらっていた。母親も頭が弱くて、獣のような幼児のような女だった。
それでも母性はあったようで、辛うじて娘は生き抜いた。
しかし、親が劣性でどうしようもない組み合わせで、娘は時折、頭が狂ったり、奇声を上げたりした。
その時だけ、娘は自分がライオンのようになった気がする。実際は悲惨な狂った娘なのだが、よいではないか?現世など50年で終わる。夢を見ていると思い、自分も世界も見限れば、脳には七色のカラフルな花が咲くぞ。一面の花畑。綺麗な天使も見える。現実逃避も突き抜ければ天国が見える。
文字数 6,072
最終更新日 2023.07.14
登録日 2023.07.14
没落した男爵家の令嬢ソフィアは、二十五歳になっても結婚していない。
父の死後、金貸しの息子との結婚を迫られているのに、五年経っても拒んでいる。ソフィアには心に決めた人がいて、その人をずっと待っているのだ。
……ということになっているが、本当はそんな相手はいない。金貸しの息子と結婚したくないから「心に決めた人がいる」と言ってしまっただけ。
でもなぜか金貸し親子はそのでまかせを信じているから、一応、想い人のイメージは作った。モデルはオレン。父が在命中に文字を習いに来ていた年下の少年だった。
(全六話の短編です)
文字数 12,592
最終更新日 2023.03.31
登録日 2023.03.30
2
件