ローマ帝国小説一覧
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灼熱の太陽が照りつけるシリア砂漠。砂塵が舞い、どこまでも続く地平線には蜃気楼が揺らめく。そこには、一人の男が倒れていた。ローマの剣闘士として名を馳せたレオニウス、本名はハイダル。かつての栄光は影を潜め、彼は砂漠の孤独な漂流者と化していた。
その頃、砂漠に生きるラムル族の若者、ナディムは倒れているハイダルを発見する。彼は衰弱しきったハイダルを看病した。ナディムの優しさに、ハイダルは久々に温かいものを感じた。
ナディムに連れられ、ラムル族の集落で静養するハイダル。彼らの優しさにハイダルは心も身体も少しずつ癒されていく。しかし、過去の夢が彼を再び追い詰める。ローマでの栄光、剣闘士としての過酷な日々。そしてかつて主人であったデリーゲレとの出会いと別れ。
そんな時、ラムル族の集落にローマ兵達がハイダルを捜索しにやって来たのだった。
文字数 22,075
最終更新日 2024.09.06
登録日 2024.09.06
時は十五世紀初頭。西ヨーロッパ諸国は東のイスラーム教国であるオスマン帝国の圧迫を受けていた。防波堤であるビザンツ帝国は衰退はなだしく、その対応が求められていた。レコンキスタの途上にあってイベリア半島の雄でもある新興国カスティリヤ王国はさらに東から勃興しつつあったティムール帝国に目をつける。彼の国はかつてユーラシア大陸を席巻したモンゴルの末裔を称し、領土を拡大していた。さらにオスマン帝国の領土も狙い、両国は雌雄を決する対決に向かっていた。この状況を踏まえ、カスティリヤ王国はティムール帝国との同盟によりオスマン帝国の圧迫に対抗することを決意する。派遣された外交団を狙う刺客。その窮地を救う謎の集団。オスマン帝国の『稲妻』とも称されるスルタンバヤジットと、暁のごとき勢いで西に領土を拡大するティムールの対決。アンカラの戦いの中に埋もれた、忘れられた物語を、今綴ろう。
文字数 38,274
最終更新日 2024.06.25
登録日 2024.05.31
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