カラスのサルヴァドールは腕利きのシェフ。だけどちょっと普通じゃないとみんなが言う。
彼はウタカタンを旅立つ者が最期に口にする料理――『たそがれのひと皿』を作るのだ。
客は旅立ちのとき、そのひと皿を味わい、様々な想いを胸にウタカタンをあとにする。
ある日、客のリストを見たサルヴァドールは素っ頓狂な声を上げた。
「困ったな、私じゃないか」
彼は自分のために旅立ちのひと皿を用意しなければならなくなったのだが……。
この作品は无域屋(むのくにや)さんのイラストに物語を寄せたものです。
文字数 5,058
最終更新日 2021.11.05
登録日 2021.11.04