歌う小説一覧
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声と歌をからかわれた経験から声を失った私は、合唱コンクールの練習期間である二ヶ月が憂鬱で仕方なかった。
多分そのせいで、大切な手帳を旧校舎に忘れてしまう。
皆が練習する中、物置と化した旧校舎へ取りに入った私の耳に、突然歌が飛び込んできた。
楽しげな少女の歌声に苦しさを覚え、その日は逃げてしまう。
しかし、なぜ一人で練習しているのか気になって、あくる日も旧校舎に来てしまった。
歌を聴いている内、音を追いかけたくなってしまった私は、声は出さずに唇だけで旋律追いかける。
そう、声は出していなかったはずなのに。
「あなた、いい声だね!」
部屋の中から、突如として賞賛が聞こえてきて。
文字数 8,000
最終更新日 2023.11.08
登録日 2023.10.30
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