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第一章 異世界召喚編

第十一話 作戦開始!(サクヤ視点)

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 俺は目を閉じて意識を集中させていた。
 普通なら、精神統一をしていると思って声を掛けることはしないと思っていたが、この男は違う様だ。

 「なぁ、サクヤ…僕達はどうすれば良い?」
 「自分で考えて行動しろ!」

 俺はそう言って再び目を閉じた…が、マサギはそんな事はお構いなしに俺の体を揺すって聞いて来た。

 「何だよ⁉︎」
 「こういう場合、僕達はどうしたら良いか分からないんだよ‼︎」
 「怖いのなら、城の地下牢のにでも入っていろ!」
 「僕達は先程武器を渡されたんだ。 これは戦いに参加しろという話なのか?」
 「武器はあくまでも自衛の為だろ? 戦うのが嫌なら、地下牢に行くか他で役に立って見せろよ。」
 「具体的にどうすれば?」

 そこまで指示しないと分からないのか?
 確かに魔物が襲って来るなんていう事自体初めての経験だし、不安になる気持ちもわからない事はないが…お前等にはジョブの恩恵があるんだから、少しは考えて行動してほしいところだ。
 
 「怪我人の救助や怪我人を運んだりすれば良いだろ! 戦いに参加出来ないのなら、そう言った事で役に立ってみせろよ!」
 「なるほど…怪我人の救助か!」

 そう言ってマサギは倒れている人が居ないか探しに行った。
 ドラゴントゥースウォーリアの攻撃を上手く避けながら…マサギ本来の能力なのか、ジョブの恩恵なのかは分からないが。
 ただ、怪我人といっても…殴られて倒れている人を運ぶのとは訳が違う。
 中には斬られて大量の出血をしている者や腕や足が破損している者だっている。
 そういった者達の対処が冷静に出来るだろうか?
 
 他の者達を見ると、マサギとは別に自分の意思で動いていた。
 ミクは騎士達に混ざってドラゴントゥースウォーリアの対処に、マミは救護所でプリースト達と怪我人の回復に、ユウトは騎士達に強化魔法バフを掛けていた。
 
 「皆はそれぞれの意思で役割を心得ているな…マサギとは大違いだ!」

 何でマサギが勇者に選ばれたのかが正直分からない。
 明らかに人選ミスに様な気がするが…これから変化があるのだろうか?
 まぁそれよりも…俺は目を閉じて集中した。
 すると、目の前にデスブリンガーの俺が歩いて来た。

 『退け…貴様なんぞに用はない!』
 「それは出来ない相談だな…」

 芝居とはいえ、このやりとりは正直言ってかなり恥ずかしい。
 まぁ、王宮の関係者以外…デスブリンガーが俺だと思っている人は居ないと思うので問題は無いのだが…?
 そして、デスブリンガーの俺は魔剣を抜き放つと、俺も聖剣を抜き放った。
 そして2人の俺…サクヤとデスブリンガーとの戦いが始まるのだった!
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