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第三章 モテ期到来?の章
第八話 チヨの正体?
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私は考えていた。
ダナッシュは恐らく長い間牢に入れられる事にはなるのだが、実家から保釈金を払わされればすぐに出て来るだろう。
一生牢屋に入れる必要はないが、それでもある程度…長い期間を過ごして貰う必要がある。
その為には、保釈金を支払っても刑期が多少減るだけで、解放されないという方法をチヨと一緒にこれから実行するのだった。
「チヨ様、私はチヨ様の従者として通訳を致しますので…宜しいですね?」
「ん、まがぜるなやぁ!」
私は二度と来る事は無いと思っていた、王城にチヨと2人で入って行った。
そして私とチヨは呼ばれて、王の間の扉の前にいた。
私はいつもの変装とは違い、メイク魔法で変化した姿になっていた。
『ベジツ・タブール農国・王姫チヨ様とその従者の方入られます!』
私とチヨが王の間に入ると、国王陛下と王妃陛下が玉座に座っていた。
チヨは頭を下げると、従者役の私も共に頭を下げた。
「チヨ殿、久しいな!」
「お元気そうで何よりですね。 ところで本日はどの様な御用でいらしたのでしょうか?」
チヨは私に話掛けるフリをした。
すると私は、事前に打ち合わせしていた会話の内容を通訳する振りをしながら言った。
「実は昨日…この国の子爵令息のダナッシュという者が牢に入れられたという話は聞いていますか?」
「あぁ…その様な事があったのは報告を受けている!」
「そのダナッシュという者は、王妃陛下のお達しがある下着店に無断で入り込んでから、試着室のカーテンを開いてそこにいた着替えの途中の女性達を辱めたという話も御存知ですか?」
「あぁ…その様に報告は受けている。」
私は軽く咳払いをしてから話を続けた。
「では、その試着室で着替えていた女性の中に、チヨ様がいたという報告は受けておられますか?」
「な…なんだと⁉」
「私達は、お忍びでこの国に来てショッピングをしておりました。 この国のファッションは、自国のベジツ・タブール農国にはないセンスの服が多くて、その買い物の最中に今回の件が起きました。」
国王陛下と王妃陛下は、手で頭を押さえていた。
私はチヨから話し掛けられるフリをしてから、話を続けた。
「今回の件で、チヨ様は大変御立腹だそうです。 チヨ様の婚約者にすら見せてもいない下着姿を見ず知らずの男に見られたと言って…」
「その者は厳罰に対処をしよう!」
「チヨ様は、その者の命までは望んでは居りません。 ですが、ほんの数年で出られる様な真似はしないで欲しいとの事です。」
「だが、我が国には保釈金制度という物があってだな…」
「それは知っております。 もしも、保釈金で出される様な事があれば…この国に輸出している食糧の供給の一切を停止すると、チヨ様は申しております!」
「な…なんだと⁉」
国王陛下は悩んでいた…
ベジツ・タブール農国からの食料の主は、野菜や果物の類だからである。
この国でも野菜の栽培は行われてはいるが、それでも国民に全て供給出来る量は無く、他国に頼っているのだった。
それを見出したのがノワールで、ノワールのお陰でこの国の食糧事情がかなり改善されたのであった。
輸出を停止というのは全くの冗談で、そんな気は毛頭なかった。
ただ、こういえば…ダナッシュは保釈金程度では出られないと踏んだのである。
「わかった! では10年は牢から出さない様にしよう! それで宜しいか?」
「それで構わないそうです! では、宜しくお願いしますね! それと、チヨ様は王妃陛下に話があるそうなのですが…」
「わたくしに…ですか?」
王妃陛下は立ち上がると、チヨと私は王の間から出て別室に行ったのだった。
そして部屋に入ると、王妃陛下は私に声を掛けて来た。
「ノワール、もう良いわよ!」
「やっぱりバレていましたかw」
「子爵令息のダナッシュが、ノワールを発見したと騒いでいましたからね。 今回の件も貴女が絡んでいると思いました。」
「でも、チヨ様が下着姿を見られたという話は本当の事ですよ。」
「それについては、我が国の民が御迷惑をお掛け致しました。」
王妃陛下は、チヨに頭を下げて謝罪した。
チヨは申し訳なさそうに言った。
「王妃様、気にしねぇでけろぉ~! あんな姿は、農作業さしているどぎに国中の男子に見られてるきゃね!」
それから私達3人は、私の報告してから様々な事を話していた。
そして話を終えると、私はチヨと一緒に王城から出て城下町の出入り口に止めてあったチヨの馬車に向かったのだった。
「チヨ様、私事の為に本当にありがとうございました!」
「ノワぁ! 気にするごどはなさ! まだぁごまっだごどがあんれば、いづでも相談してけろぉ!」
ノワールとチヨは強く抱き合うと、チヨは馬車に乗って自国に向かって帰って行った。
そして私は、再びテスタレディシア王国に帰国するまでの間…街で時間を潰していたのだった。
出発の日…
私達はまた馬車の護衛をしながらテスタレディシア王国に向かうのだった。
だが…帰り道は行きとは違う事が起こるのだった。
ダナッシュは恐らく長い間牢に入れられる事にはなるのだが、実家から保釈金を払わされればすぐに出て来るだろう。
一生牢屋に入れる必要はないが、それでもある程度…長い期間を過ごして貰う必要がある。
その為には、保釈金を支払っても刑期が多少減るだけで、解放されないという方法をチヨと一緒にこれから実行するのだった。
「チヨ様、私はチヨ様の従者として通訳を致しますので…宜しいですね?」
「ん、まがぜるなやぁ!」
私は二度と来る事は無いと思っていた、王城にチヨと2人で入って行った。
そして私とチヨは呼ばれて、王の間の扉の前にいた。
私はいつもの変装とは違い、メイク魔法で変化した姿になっていた。
『ベジツ・タブール農国・王姫チヨ様とその従者の方入られます!』
私とチヨが王の間に入ると、国王陛下と王妃陛下が玉座に座っていた。
チヨは頭を下げると、従者役の私も共に頭を下げた。
「チヨ殿、久しいな!」
「お元気そうで何よりですね。 ところで本日はどの様な御用でいらしたのでしょうか?」
チヨは私に話掛けるフリをした。
すると私は、事前に打ち合わせしていた会話の内容を通訳する振りをしながら言った。
「実は昨日…この国の子爵令息のダナッシュという者が牢に入れられたという話は聞いていますか?」
「あぁ…その様な事があったのは報告を受けている!」
「そのダナッシュという者は、王妃陛下のお達しがある下着店に無断で入り込んでから、試着室のカーテンを開いてそこにいた着替えの途中の女性達を辱めたという話も御存知ですか?」
「あぁ…その様に報告は受けている。」
私は軽く咳払いをしてから話を続けた。
「では、その試着室で着替えていた女性の中に、チヨ様がいたという報告は受けておられますか?」
「な…なんだと⁉」
「私達は、お忍びでこの国に来てショッピングをしておりました。 この国のファッションは、自国のベジツ・タブール農国にはないセンスの服が多くて、その買い物の最中に今回の件が起きました。」
国王陛下と王妃陛下は、手で頭を押さえていた。
私はチヨから話し掛けられるフリをしてから、話を続けた。
「今回の件で、チヨ様は大変御立腹だそうです。 チヨ様の婚約者にすら見せてもいない下着姿を見ず知らずの男に見られたと言って…」
「その者は厳罰に対処をしよう!」
「チヨ様は、その者の命までは望んでは居りません。 ですが、ほんの数年で出られる様な真似はしないで欲しいとの事です。」
「だが、我が国には保釈金制度という物があってだな…」
「それは知っております。 もしも、保釈金で出される様な事があれば…この国に輸出している食糧の供給の一切を停止すると、チヨ様は申しております!」
「な…なんだと⁉」
国王陛下は悩んでいた…
ベジツ・タブール農国からの食料の主は、野菜や果物の類だからである。
この国でも野菜の栽培は行われてはいるが、それでも国民に全て供給出来る量は無く、他国に頼っているのだった。
それを見出したのがノワールで、ノワールのお陰でこの国の食糧事情がかなり改善されたのであった。
輸出を停止というのは全くの冗談で、そんな気は毛頭なかった。
ただ、こういえば…ダナッシュは保釈金程度では出られないと踏んだのである。
「わかった! では10年は牢から出さない様にしよう! それで宜しいか?」
「それで構わないそうです! では、宜しくお願いしますね! それと、チヨ様は王妃陛下に話があるそうなのですが…」
「わたくしに…ですか?」
王妃陛下は立ち上がると、チヨと私は王の間から出て別室に行ったのだった。
そして部屋に入ると、王妃陛下は私に声を掛けて来た。
「ノワール、もう良いわよ!」
「やっぱりバレていましたかw」
「子爵令息のダナッシュが、ノワールを発見したと騒いでいましたからね。 今回の件も貴女が絡んでいると思いました。」
「でも、チヨ様が下着姿を見られたという話は本当の事ですよ。」
「それについては、我が国の民が御迷惑をお掛け致しました。」
王妃陛下は、チヨに頭を下げて謝罪した。
チヨは申し訳なさそうに言った。
「王妃様、気にしねぇでけろぉ~! あんな姿は、農作業さしているどぎに国中の男子に見られてるきゃね!」
それから私達3人は、私の報告してから様々な事を話していた。
そして話を終えると、私はチヨと一緒に王城から出て城下町の出入り口に止めてあったチヨの馬車に向かったのだった。
「チヨ様、私事の為に本当にありがとうございました!」
「ノワぁ! 気にするごどはなさ! まだぁごまっだごどがあんれば、いづでも相談してけろぉ!」
ノワールとチヨは強く抱き合うと、チヨは馬車に乗って自国に向かって帰って行った。
そして私は、再びテスタレディシア王国に帰国するまでの間…街で時間を潰していたのだった。
出発の日…
私達はまた馬車の護衛をしながらテスタレディシア王国に向かうのだった。
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