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1-9. 最後の夜 *
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その夜、いつものバーで樫木先輩と飲んだ。
俺はいつもより饒舌で、終わりの言葉を聞きたくないという気持ちが、そうさせていた。
「今日の幸野くん、たくさん喋るのね」
「そんなことないですよ」
「いい事でもあった?」
優しい笑顔。そんな顔、これから振ろうとしている相手に対して見せるなんて、先輩は残酷だ。
彼女に対しても、良かったですね、と俺は笑うんだろうか。一度ぐらい壊したっていいんじゃないだろうか…
◇
「幸野くん、大丈夫…!?」
酔って潰れたフリをした。樫木先輩に支えられて、ヨロヨロとタクシーに乗り込む。
運転手に正確に住所を伝えて、マンションの前でタクシーを降りた。先輩に支えられながら、マンションの入り口のセキュリティロックを解除し、エレベーターに乗る。
「幸野くん!鍵は…?」
503号室。部屋の前で、何も知らない樫木先輩が、俺にそう聞いた。
「あ…、コートの…内ポケットの…」
「あった。開けるよ?」
そう言って、先輩が鍵を開ける。
ドアが開いて、よろめきながら玄関に入った。
オートロックのドアが背後で閉まったのを確認して、俺は壁に樫木先輩を押さえ付けた。
◇
「な…に…? んん…っ」
強引に唇を重ねる。柔らかくて、甘い匂い…
「や…っ、ん…ぅ…っ」
逃げようと唇が離れても、強引に押さえつけて再び塞ぐ。
噛みつくようなキスに、苦しそうな表情を見せる樫木先輩。構わずに唇を開かせ、舌を絡ませながら、胸元のボタンに手をかけた。
咄嗟に制止しようと樫木先輩の指が俺の手に触れる。
その瞬間、胸元に水原部長がつけた赤い痕が見えて、一気に頭に血が昇る。俺はネクタイを外すと彼女の両手を一つに纏め、そのまま縛った。
「なん…で、酔い潰れてたのに…」
「あれくらいで潰れるわけないでしょう」
「きゃ…っ!」
先輩を抱き上げると、部屋の奥に進み、ベッドに降ろす。そのまま押さえつけて、もう一度、唇を重ねた。
「んん…っ!」
先輩のブラウスを剥ぎ、胸の膨らみに触れる。
「や…っ、待…っ」
「スペアとはいえ、僕と先輩は一応付き合っていますからね。一度ぐらい身体を重ねたっていいでしょう」
「待…っ、は、話を…っ、んん…っ」
何か言おうとする先輩の唇をキスで塞ぐ。
今日、別れの言葉を言うつもりだったのだろうが、この行為が終わるまでは、終わりの言葉は言わせない。
先輩の背中に手を回すと、下着のホックを外した。滑らかな肌に直に触れると、彼女の身体がビクンと跳ねる。
胸の柔らかさを堪能しながら、指先で先端を遊ぶ。スリスリと指の腹で繰り返し擦ると、ぷく…とソコが膨らんだ。
「んん…っ、待…って、幸野く…」
スカートを捲り上げると、ストッキング越しに太脚に触れる。脚を開かせると真っ赤な顔をした樫木先輩の瞳が潤んだ。
「僕、一度やってみたかったんですよね…」
「え…?」
「後でちゃんと弁償しますから。破きますね」
「やめ…っ」
制止する先輩の声を無視し、俺は力ずくでストッキングを破いた。
俺はいつもより饒舌で、終わりの言葉を聞きたくないという気持ちが、そうさせていた。
「今日の幸野くん、たくさん喋るのね」
「そんなことないですよ」
「いい事でもあった?」
優しい笑顔。そんな顔、これから振ろうとしている相手に対して見せるなんて、先輩は残酷だ。
彼女に対しても、良かったですね、と俺は笑うんだろうか。一度ぐらい壊したっていいんじゃないだろうか…
◇
「幸野くん、大丈夫…!?」
酔って潰れたフリをした。樫木先輩に支えられて、ヨロヨロとタクシーに乗り込む。
運転手に正確に住所を伝えて、マンションの前でタクシーを降りた。先輩に支えられながら、マンションの入り口のセキュリティロックを解除し、エレベーターに乗る。
「幸野くん!鍵は…?」
503号室。部屋の前で、何も知らない樫木先輩が、俺にそう聞いた。
「あ…、コートの…内ポケットの…」
「あった。開けるよ?」
そう言って、先輩が鍵を開ける。
ドアが開いて、よろめきながら玄関に入った。
オートロックのドアが背後で閉まったのを確認して、俺は壁に樫木先輩を押さえ付けた。
◇
「な…に…? んん…っ」
強引に唇を重ねる。柔らかくて、甘い匂い…
「や…っ、ん…ぅ…っ」
逃げようと唇が離れても、強引に押さえつけて再び塞ぐ。
噛みつくようなキスに、苦しそうな表情を見せる樫木先輩。構わずに唇を開かせ、舌を絡ませながら、胸元のボタンに手をかけた。
咄嗟に制止しようと樫木先輩の指が俺の手に触れる。
その瞬間、胸元に水原部長がつけた赤い痕が見えて、一気に頭に血が昇る。俺はネクタイを外すと彼女の両手を一つに纏め、そのまま縛った。
「なん…で、酔い潰れてたのに…」
「あれくらいで潰れるわけないでしょう」
「きゃ…っ!」
先輩を抱き上げると、部屋の奥に進み、ベッドに降ろす。そのまま押さえつけて、もう一度、唇を重ねた。
「んん…っ!」
先輩のブラウスを剥ぎ、胸の膨らみに触れる。
「や…っ、待…っ」
「スペアとはいえ、僕と先輩は一応付き合っていますからね。一度ぐらい身体を重ねたっていいでしょう」
「待…っ、は、話を…っ、んん…っ」
何か言おうとする先輩の唇をキスで塞ぐ。
今日、別れの言葉を言うつもりだったのだろうが、この行為が終わるまでは、終わりの言葉は言わせない。
先輩の背中に手を回すと、下着のホックを外した。滑らかな肌に直に触れると、彼女の身体がビクンと跳ねる。
胸の柔らかさを堪能しながら、指先で先端を遊ぶ。スリスリと指の腹で繰り返し擦ると、ぷく…とソコが膨らんだ。
「んん…っ、待…って、幸野く…」
スカートを捲り上げると、ストッキング越しに太脚に触れる。脚を開かせると真っ赤な顔をした樫木先輩の瞳が潤んだ。
「僕、一度やってみたかったんですよね…」
「え…?」
「後でちゃんと弁償しますから。破きますね」
「やめ…っ」
制止する先輩の声を無視し、俺は力ずくでストッキングを破いた。
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