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高尾山のムササビカフェ食堂でお仕事ですよ
喧嘩はダメだよ
しおりを挟むおでこを押さえしゃがみ込むわたしの顔を高男さんとミケが覗き込み「真歌さんどうしたんですか?」、「どうしたにゃん、お熱かな?」と心配そうな表情を浮かべている。
「……あなた達がこの状況を受け入れていることも含めて目眩がしているんですよ」
「ん? どうしてわたし達も含まれているにゃん?」
「はて? 何故ですかね?」
不思議そうに首を傾げきょとん顔の二人に呆れて言葉も出てこない。
それからムササビとモモンガのモモコのバトルも続いている。
「ふん! 可愛らしいってわたしにムササビパンチをしたよね?」
「ふん、そっちこそわたしにモモンガキックをしたよね? それにわたしがパンチをしたのはモモコがわたしの食べ物にばっちい俵型のうんこを落としたからだよ!」
ムササビは鼻息を荒くして怒っている。
「ふん、そっちこそわたしのご飯にまん丸なうんこを落っことしたよね」
モモコも鼻息を荒くした。
「先にうんこを落っことしたのはモモコでしょ」
「知らないよ。わざとじゃないもんね。それなのにムササビパンチをしてくるなんて酷いよね~」
「でも謝らなかったよね」
「それはムササビが強烈なムササビパンチをわたしの顔面にしてきたからだよ」
「モモコはモモンガキックをしてきたよね」
ムササビとモモコはまたまた睨み合う。
そんな二人の様子をどうしたものかとわたし達はじっと眺めた。可愛らしい女の子の姿に化けた二人が『うんこ』なんて言っているのだから……。なんだかな。
「ムササビパンチを食らわせてやる」
ムササビは拳を握りながら叫んだ。
モモコも「なぬぬ」と叫びキックのポーズを取る。
わたしはこれはマズイと思いムササビとモモコの元へと駆け出した。高男さんもわたしの横に並び走っている。
「ムササビちゃん危ないからやめなさい!」
「ムササビ今のお前は人間の姿だぞ」
わたしと高男さんの声が揃った。
「あ、真歌ちゃんに高男さん……」
ムササビはちょっとびっくりした顔で振り向く。その時。
「隙あり!! モモンガキックだ~!! 食らえ~!!」
ムササビの前に回り込んだモモコが足を上げムササビの顔を前蹴りした。
「うっ、うわぁ~!! い、痛い!!」
ムササビは大声を上げ後ろにひっくり返りそうになった。それを高男さんが間一髪支えた。
「ムササビ大丈夫かい?」
「だ、大丈夫じゃないよ~痛い~」
ムササビは顔を押さえ泣きそうになっている。
「ふふん、わたしのキックは最強でしょ?」
モモコは腰に両手を当てて得意げに笑った。
「お客さんここは喧嘩道場ではありませんよ。座ってゆっくりしてください」
高男さんが顔を上げ言った。
「あら、わたしとしたことが……」
モモコはにっこりと笑い椅子に腰を下ろす。
「な、何がわたしとしたことがよ。ムササビパンチを食らいなさい!」
立ち上がりモモコに殴りかかろうとしたムササビを高男さんが「ムササビやめろよ、ここはゆっくり癒される場所だろう」と言ってムササビの腕を掴んだ。
「……こ、今回は特別許してあげるよ」
ムササビは悔しそうに唇を噛んだ。
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