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高尾山のムササビカフェ食堂でお仕事ですよ
女の子の正体は
しおりを挟む一方ムササビとモモコは今もギロギロと睨み合っている。二人とも可愛らしい顔をしているけれど、恐ろしい。
「ムササビって名前を呼ばないでよ。オチビ」
「だからオチビって呼ぶな」
「だって、体が小さくてオチビだよね~」
ムササビとモモコはふん! とお互いソッポを向く。
「失礼な子だね。体が大きいムササビよりわたしの方が可愛らしいもんね~だ」
「な、何ですって! この可愛らしいわたしに酷いこと言うよね。モモンガのくせして」
ムササビはそう言ってほっぺたをぷくっと膨らませる。怒っているけれど、可愛らしい。ってちょっと待って……。
「今、モモンガって言いましたか!?」
わたしは思わず大きな声を出してしまった。だって、モモンガってあの動物のモモンガだよね?
「モモンガのくせしてって失礼だね。ムササビ~!」
「だって、ムササビの方が迫力あるもんね~だ」
ムササビとモモコの言い合いは続いている。ソッポを向いていた二人はくるりと振り向きお互いの顔を睨んだ。
「あの女の子モモンガだったんですね……」
わたしはぽつりと呟いた。
「にゃはは、モモンガってムササビの小型バージョンみたいで可愛らしいんだよね」
ミケは楽しそうに笑った。
「なんと! あの女の子はモモンガだったのか」
高男さんも白い歯をのぞかせて笑っている。その笑顔は男性なのにとても美しい。なんて感動している場合ではない。
「ムササビとモモンガ対決ですか!?」
わたしは思わず大声を上げてしまった。
それにモモコちゃんもモモンガが人間に化けているということだよね。
ダメだ……目眩がしてきた。
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