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つくも神
特別な力
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「だって、本当のことだにゃん」
「まあ、そうだけどな……」
「そうかもしれないけどさ……それはそうとやっぱり真歌ちゃんは何か不思議な力を持っているのかな?」
ムササビのその言葉にわたしが首を傾げミケと高男さんがそんなわたしの顔をじっと見る。
「真歌さんはこのムササビカフェ食堂に辿り着いたんだからきっとそうだよ」
高男さんが首を縦にうんうんと振り、「きっとそうだにゃん」とミケも言った。
「わたしはごく平凡な人間だよ」
わたしは手をぶんぶん振り回す。
「そっかな~?」
「う~ん、どうかにゃん?」
「まあ、普通の女性だと思うけど何かあるかもね」と三人が口々に言う。
特別な力どころかわたしは派遣先の倒産でいきなり職を失った悲しき女だよ。まあ、この怪しげなカフェ食堂の仕事にありつけたけどね。
「真歌ちゃん何をブツブツ呟いてるの?」
「ううん、何でもないよ」
わたしは声に出していたようだ。
「おっ、お客さんが食事を終えたみたいだよ」
店内に目をやるとお客さんは伝票を持ち椅子から立ち上がるところだった。
「では、みんなでお客さんをお見送りしましょうか」
高男さんはニカッと笑った。
「え? みんなでお客さんをお見送りするんですか?」
「にゃんとみんなでお見送りにゃ~ん!」
「よし、お客さんをお見送りするよ~」
わたし達は口々に言った。
そんなこんなでわたし達はぞろぞろとお客さんをお見送りすることになった。
「まあ、そうだけどな……」
「そうかもしれないけどさ……それはそうとやっぱり真歌ちゃんは何か不思議な力を持っているのかな?」
ムササビのその言葉にわたしが首を傾げミケと高男さんがそんなわたしの顔をじっと見る。
「真歌さんはこのムササビカフェ食堂に辿り着いたんだからきっとそうだよ」
高男さんが首を縦にうんうんと振り、「きっとそうだにゃん」とミケも言った。
「わたしはごく平凡な人間だよ」
わたしは手をぶんぶん振り回す。
「そっかな~?」
「う~ん、どうかにゃん?」
「まあ、普通の女性だと思うけど何かあるかもね」と三人が口々に言う。
特別な力どころかわたしは派遣先の倒産でいきなり職を失った悲しき女だよ。まあ、この怪しげなカフェ食堂の仕事にありつけたけどね。
「真歌ちゃん何をブツブツ呟いてるの?」
「ううん、何でもないよ」
わたしは声に出していたようだ。
「おっ、お客さんが食事を終えたみたいだよ」
店内に目をやるとお客さんは伝票を持ち椅子から立ち上がるところだった。
「では、みんなでお客さんをお見送りしましょうか」
高男さんはニカッと笑った。
「え? みんなでお客さんをお見送りするんですか?」
「にゃんとみんなでお見送りにゃ~ん!」
「よし、お客さんをお見送りするよ~」
わたし達は口々に言った。
そんなこんなでわたし達はぞろぞろとお客さんをお見送りすることになった。
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