19 / 134
つくも神
ここへ来たことに意味はあるかな
しおりを挟むわたし達四人はしばらくの間笑っていた。
そして、「ミケちゃんの初めて口にした料理はこの菜っ葉の煮物とお好み焼きなんだね」とわたしが言った。
「うん、でもね、わたしこの菜っ葉の煮物もお好み焼きの味も知っているような気がするんだにゃん」
ミケはそう答え菜っ葉の煮物をパクパク食べた。
「そっか、どうしてなんだろうね? 懐かしいんだよね? わたしもね田舎のおばあちゃんの懐かしい味を思い出したんだよ」
この菜っ葉の煮物やお好み焼きに何か秘密が隠されているのだろうか。わたしもお好み焼きを口に運ぶ。薄い生地のお好み焼きがやっぱり懐かしくてほっこりした。
うふふ、美味しいな。謎や秘密なんてないかもしれないけれど、このムササビカフェ食堂でごゆっくりを見つけることができたわたしは幸せだなと感じた。
「わたし真歌ちゃんに目を覚ませてもらえたことにはやっぱり何か意味があるにゃーって思うな」
「そうなのかな?」
「うん、だって、ムササビちゃんも高男さんもずっと、あの更衣室兼休憩室を利用していたのにわたしを目覚ましてくれなかったんだにゃん」
ミケは言いながらムササビと高男さんの顔を交互に見る。
「あ~それってわたし達が目覚ましてあげなかったみたいじゃな~い!」
「だよな~」
ムササビと高男さんは不満げに頬を膨らませた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
しるたん!
タロスケ
キャラ文芸
ニッチでマイナージャンルのおまけシールコレクターの生態観測をラノベ風に紹介していこうと思います。あるあるネタメインです。
G○部のパクリとかパチモノとかトレースとかクレームはジャ○へ。
読みづらい等クレームも○ャロへ。
何かあればとりあえずビール並みにとりあえずジ○ロへ。
しるたん!
【登場人物紹介 】
・四ッ角 直人(よつかど なおと)
私立土岐土岐(しりつどきどき)学園高等部一年生。無理矢理『しるたん部』に入部させられる。中肉中背弱肉草食系男子。
シールについては全くの無知。
・三田 好美(みた すくみ)
私立土岐土岐学園高等部三年生。父の影響からオマケシールをこよなく愛する
が故、『しるたん部』を設立する。
・宵闇 舞奈(よいやみ まいな)
私立土岐土岐学園高等部三年生。父の影響からマイナーシールをこよなく愛するがゆえに好美と事あるごとに衝突するも、お互いシールに関する会話が出来る友人がいない為実際は仲がいい。しるたん部員
※新キャラ随時投入予定※
夜の装飾品店へようこそ~魔法を使わない「ものづくり」は時代遅れですか?~
スズシロ
キャラ文芸
「造形魔法」と「複製魔法」によって高品質の宝飾品がより身近に、そして安価で大量に流通するようになった時代。古くからの手法により手作業で作られている宝飾品は高いだけの「嗜好品」と揶揄される事もあった。
リッカは「オカチマチ」と呼ばれる宝飾品専門街に「夜の装飾品店」と言う一軒の工房を構え、魔法を使わない「手仕事」で装飾品を作る職人である。オパールを愛するが故の酷い収集癖のせいで常に貧乏生活を送るリッカだが、自作の宝飾品を売る事でなんとか食いつないでいるのであった。
「宝石は一期一会の出会い」
その一言をモットーに今日も「夜の装飾品店」の一日が始まる。作品作りと販売を通して様々な職人や客と出会う、小さな彫金工房の何気ない日常を描くゆるゆる続く物語。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
【完結】国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
gari
キャラ文芸
☆たくさんの応援、ありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
※ 一話の文字数を1,000~2,000文字程度で区切っているため、話数は多くなっています。
一部、話の繋がりの関係で3,000文字前後の物もあります。
あやかし温泉街、秋国
桜乱捕り
キャラ文芸
物心が付く前に両親を亡くした『秋風 花梨』は、過度な食べ歩きにより全財産が底を尽き、途方に暮れていた。
そんな中、とある小柄な老人と出会い、温泉旅館で働かないかと勧められる。
怪しく思うも、温泉旅館のご飯がタダで食べられると知るや否や、花梨は快諾をしてしまう。
そして、その小柄な老人に着いて行くと―――
着いた先は、妖怪しかいない永遠の秋に囲まれた温泉街であった。
そこで花梨は仕事の手伝いをしつつ、人間味のある妖怪達と仲良く過ごしていく。
ほんの少しずれた日常を、あなたにも。
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
吸血鬼のための人間の噛み方入門
水鳴諒
キャラ文芸
まさか俺の兄が人間(食べ物)だなんて……そこは架空の大正風異世界にある、大日本帝国。国を治めるごく少数の華族は、その九割が吸血鬼だ。だが、多くの平民である人間はその事を知らない。世界は吸血鬼が治めているが、そのことを知る人間はごく一部だ。十八歳の若き伯爵・西園寺澪もまた、吸血鬼である。やる気が見えない従者の絵山と態度の大きい従者の久水も吸血鬼だ。そんなある日、白兎を名乗る者から手紙が届き、澪には、父と貧民街の夜鷹(遊女)との間に生まれた異母兄・昴がいると判明する。澪は貧民街に異母兄を見に行くと決めた。
仕合わせの行く先~ウンメイノスレチガイ~
国府知里
キャラ文芸
~風のように旅する少女とその姿を追う王子がすれ違い続ける物語~
ひょんなことから王国行事をアシストした旅の少女。もう一度会いたい王子はその行方を求めるが、なぜかすんでのところで毎回空振り。いつしか狩猟本能の火が灯り、是か非でも会えるまで追い続けることに。その足跡を追うごとに少女の数奇な運命が暴かれて……?果たしてこのふたり、再会したらどうなっちゃうの?
~数奇な運命に翻弄されて旅をする少女の仕合わせの行く先を追う少女向けファンタジー~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる