21 / 198
つくも神
本日はご来店ありがとうございました
しおりを挟む
「本日はムササビカフェ食堂でごゆっくりにご来店頂きありがとうございました~」
「ありがとうございました~」
高男さんとムササビが両手を大きく広げお客さんに挨拶をした。わたしをこのムササビカフェ食堂でごゆっくりに迎え入れてくれた時と同じポーズだ。
そのポーズにお客さんは目を丸くする。
「こちらこそ美味しくて懐かしい料理をありがとうございました」
お客さんは微笑みを浮かべた。
「そう言って頂けると嬉しいですよ。あ、僕は料理長の高男です」
高男さんは僕なんて言って頭を下げた。
「あなたがあの懐かしい味のする菜っ葉の煮物とお好み焼きを作ってくださったんですね」
お客さんは高男さんの顔を真っ直ぐ見て尋ねた。
「はい、お客さんが懐かしく感じられるだろうな~と思う料理をイメージして作りました。お口に合ったのならば良かったです」
「うふふ、母の料理を思い出しました。久しぶりに田舎に帰ってみようと思います」
お客さんは高男さんの顔をしっかり見つめそして、その向こうに見える懐かしい田舎を思い出しているのだろう。
ムササビが会計をし「これオマケですよ」と言ってムササビの柄の缶バッジをお客さんに渡した。
「わっ、可愛らしい。高尾山のムササビですね。ありがとう」
お客さんは頬を緩めムササビからムササビ柄の缶バッジを受け取った。
「ありがとうございました~」
高男さんとムササビが両手を大きく広げお客さんに挨拶をした。わたしをこのムササビカフェ食堂でごゆっくりに迎え入れてくれた時と同じポーズだ。
そのポーズにお客さんは目を丸くする。
「こちらこそ美味しくて懐かしい料理をありがとうございました」
お客さんは微笑みを浮かべた。
「そう言って頂けると嬉しいですよ。あ、僕は料理長の高男です」
高男さんは僕なんて言って頭を下げた。
「あなたがあの懐かしい味のする菜っ葉の煮物とお好み焼きを作ってくださったんですね」
お客さんは高男さんの顔を真っ直ぐ見て尋ねた。
「はい、お客さんが懐かしく感じられるだろうな~と思う料理をイメージして作りました。お口に合ったのならば良かったです」
「うふふ、母の料理を思い出しました。久しぶりに田舎に帰ってみようと思います」
お客さんは高男さんの顔をしっかり見つめそして、その向こうに見える懐かしい田舎を思い出しているのだろう。
ムササビが会計をし「これオマケですよ」と言ってムササビの柄の缶バッジをお客さんに渡した。
「わっ、可愛らしい。高尾山のムササビですね。ありがとう」
お客さんは頬を緩めムササビからムササビ柄の缶バッジを受け取った。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
付喪神、子どもを拾う。
真鳥カノ
キャラ文芸
旧題:あやかし父さんのおいしい日和
3/13 書籍1巻刊行しました!
8/18 書籍2巻刊行しました!
【第4回キャラ文芸大賞 奨励賞】頂きました!皆様のおかげです!ありがとうございます!
おいしいは、嬉しい。
おいしいは、温かい。
おいしいは、いとおしい。
料理人であり”あやかし”の「剣」は、ある日痩せこけて瀕死の人間の少女を拾う。
少女にとって、剣の作るご飯はすべてが宝物のようだった。
剣は、そんな少女にもっとご飯を作ってあげたいと思うようになる。
人間に「おいしい」を届けたいと思うあやかし。
あやかしに「おいしい」を教わる人間。
これは、そんな二人が織りなす、心温まるふれあいの物語。
※この作品はエブリスタにも掲載しております。
26番目の王子に転生しました。今生こそは健康に大地を駆け回れる身体に成りたいです。
克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー。男はずっと我慢の人生を歩んできた。先天的なファロー四徴症という心疾患によって、物心つく前に大手術をしなければいけなかった。手術は成功したものの、術後の遺残症や続発症により厳しい運動制限や生活習慣制限を課せられる人生だった。激しい運動どころか、体育の授業すら見学するしかなかった。大好きな犬や猫を飼いたくても、「人獣共通感染症」や怪我が怖くてペットが飼えなかった。その分勉強に打ち込み、色々な資格を散り、知識も蓄えることはできた。それでも、自分が本当に欲しいものは全て諦めなければいいけない人生だった。だが、気が付けば異世界に転生していた。代償のような異世界の人生を思いっきり楽しもうと考えながら7年の月日が過ぎて……
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

RD令嬢のまかないごはん
雨愁軒経
ファンタジー
辺境都市ケレスの片隅で食堂を営む少女・エリカ――またの名を、小日向絵梨花。
都市を治める伯爵家の令嬢として転生していた彼女だったが、性に合わないという理由で家を飛び出し、野望のために突き進んでいた。
そんなある日、家が勝手に決めた婚約の報せが届く。
相手は、最近ケレスに移住してきてシアリーズ家の預かりとなった子爵・ヒース。
彼は呪われているために追放されたという噂で有名だった。
礼儀として一度は会っておこうとヒースの下を訪れたエリカは、そこで彼の『呪い』の正体に気が付いた。
「――たとえ天が見放しても、私は絶対に見放さないわ」
元管理栄養士の伯爵令嬢は、今日も誰かの笑顔のためにフライパンを握る。
大さじの願いに、夢と希望をひとつまみ。お悩み解決異世界ごはんファンタジー!
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる