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うわー遅刻だ
2 客室清掃
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努力の甲斐があり、ようやくゴミ袋の中に腐った果物は収まった。
もう、気持ち悪くて息を止めていたので苦しかった。ゴミ袋をくくり、止めていた息をふ~と吐き出す。
はぁ、苦しかった。
それにしても、腐った果物を直接ゴミ箱に捨てるなんてあり得ない。
「みどりちゃん、大丈夫だった~」
「真理子! あんた、面白がっているでしょう?」
「えへへ」
「酷い奴だな~」
「ごめん。笑ってしまった」
でも、これぐらいのことでへこたれていたら駄目だよね。きっとこれから先もっともっと気持ちの悪い部屋に遭遇することがあるだろうから。
わたしは、頑張ろうと気合いを入れ直す。
また、すぐにへこたれてしまうかもしれないけれど……。負けてはいられない。
それからはもう大変だった。
床に散らばっているタオル等をとりあえず廊下にぽいぽいと出して、ペットボトルも大量にあったので回収した。
池垣さんに前回教えてもらったことを思い出しながら作業を続ける。
次は浴室だ。使い捨ての歯ブラシや歯磨き粉が洗面所にそのまま放置されていたので、ゴミ袋にぽいぽいと捨てる。
浴室のユニットバスの風呂釜を掃除。
「髪の毛が大量に落ちてる! 気持ち悪い~」
真理子が顔を歪めて言う。
「確かにちょっと気持ち悪いね」
「こんなに、この仕事が大変だと思わなかったね。みどりちゃん……」
「わたしも、甘くみていたかも。とりあえず頑張ろう!」
髪の毛は次のお客様に不快感を与えないためにきちんと、取るんだよと池垣さんに教わった。
浴槽を念入りにチェックしながら、スポンジでゴシゴシ洗った。
お風呂とトイレの掃除がやはり一番大変だと思う。だって、まず人が使用したトイレを掃除することに拒絶反応というかやっぱり嫌だなと感じる。
綺麗に仕上げた、ユニットバスの洗面所に新しい歯磨きと歯磨き粉を追加して、バスタオルも置いた。
うん。でも綺麗になると気持ちがいいな。
鏡もキュキュッと拭いてお風呂場は完成した。
なーんにもできないと言っていた真理子も、気持ち悪いよーと言いながらも頑張った。
さあ、次は室内の清掃だ!
「じゃ~ん! 真理子の苦手な掃除機で~す!」
わたしは、でーんと掃除機を部屋の真ん中に置いた。
「みどりちゃんが掃除機かけてよ」
「真理子がかけてみてよ」
「いいよ。見ていて」
真理子は掃除機を手に取り、スイッチを入れ掃除機をかける。
やっぱり真理子は右に左にへとふらふらしながら掃除機をかける。
「あ~もうなんで上手くかけられないのよ~」
そう言って真理子は掃除機をわたしに差し出してきた。
「え! もうギブアップ? しゃあない、みどりさんが見本を見せてあげるね」
ブォ~ンブォ~ンと掃除機をかけてみせるわたし。パチパチと拍手する真理子。何故掃除機かけて拍手か意味不明だけど、まあ悪い気はしない。
そんなこんなで掃除機も終了。
そして、お次はベッドメイキングだ。
この前は池垣さんに教えてもらいながらだったのでなんとなく見様見真似で、できたけど、自分達だけでやるとなると結構大変な作業だ。
エアコンの冷房をつけているのに汗をかく。
枕カバーとシーツをセット。
この作業を池垣さんは三分でやれという、めちゃくちゃな話だ。わたしと真理子は十五分程かかってようやく終了だというのに……。
「あ~お腹空いた~」
「朝ごはん食べてなかったよね」
「わたし、このままでは飢え死にしちゃうよ~」
「真理子~わたしもお腹が空いて苦しい~よ」
わたしと真理子のお腹はぐぅーと音が鳴りそうだ。
もう、気持ち悪くて息を止めていたので苦しかった。ゴミ袋をくくり、止めていた息をふ~と吐き出す。
はぁ、苦しかった。
それにしても、腐った果物を直接ゴミ箱に捨てるなんてあり得ない。
「みどりちゃん、大丈夫だった~」
「真理子! あんた、面白がっているでしょう?」
「えへへ」
「酷い奴だな~」
「ごめん。笑ってしまった」
でも、これぐらいのことでへこたれていたら駄目だよね。きっとこれから先もっともっと気持ちの悪い部屋に遭遇することがあるだろうから。
わたしは、頑張ろうと気合いを入れ直す。
また、すぐにへこたれてしまうかもしれないけれど……。負けてはいられない。
それからはもう大変だった。
床に散らばっているタオル等をとりあえず廊下にぽいぽいと出して、ペットボトルも大量にあったので回収した。
池垣さんに前回教えてもらったことを思い出しながら作業を続ける。
次は浴室だ。使い捨ての歯ブラシや歯磨き粉が洗面所にそのまま放置されていたので、ゴミ袋にぽいぽいと捨てる。
浴室のユニットバスの風呂釜を掃除。
「髪の毛が大量に落ちてる! 気持ち悪い~」
真理子が顔を歪めて言う。
「確かにちょっと気持ち悪いね」
「こんなに、この仕事が大変だと思わなかったね。みどりちゃん……」
「わたしも、甘くみていたかも。とりあえず頑張ろう!」
髪の毛は次のお客様に不快感を与えないためにきちんと、取るんだよと池垣さんに教わった。
浴槽を念入りにチェックしながら、スポンジでゴシゴシ洗った。
お風呂とトイレの掃除がやはり一番大変だと思う。だって、まず人が使用したトイレを掃除することに拒絶反応というかやっぱり嫌だなと感じる。
綺麗に仕上げた、ユニットバスの洗面所に新しい歯磨きと歯磨き粉を追加して、バスタオルも置いた。
うん。でも綺麗になると気持ちがいいな。
鏡もキュキュッと拭いてお風呂場は完成した。
なーんにもできないと言っていた真理子も、気持ち悪いよーと言いながらも頑張った。
さあ、次は室内の清掃だ!
「じゃ~ん! 真理子の苦手な掃除機で~す!」
わたしは、でーんと掃除機を部屋の真ん中に置いた。
「みどりちゃんが掃除機かけてよ」
「真理子がかけてみてよ」
「いいよ。見ていて」
真理子は掃除機を手に取り、スイッチを入れ掃除機をかける。
やっぱり真理子は右に左にへとふらふらしながら掃除機をかける。
「あ~もうなんで上手くかけられないのよ~」
そう言って真理子は掃除機をわたしに差し出してきた。
「え! もうギブアップ? しゃあない、みどりさんが見本を見せてあげるね」
ブォ~ンブォ~ンと掃除機をかけてみせるわたし。パチパチと拍手する真理子。何故掃除機かけて拍手か意味不明だけど、まあ悪い気はしない。
そんなこんなで掃除機も終了。
そして、お次はベッドメイキングだ。
この前は池垣さんに教えてもらいながらだったのでなんとなく見様見真似で、できたけど、自分達だけでやるとなると結構大変な作業だ。
エアコンの冷房をつけているのに汗をかく。
枕カバーとシーツをセット。
この作業を池垣さんは三分でやれという、めちゃくちゃな話だ。わたしと真理子は十五分程かかってようやく終了だというのに……。
「あ~お腹空いた~」
「朝ごはん食べてなかったよね」
「わたし、このままでは飢え死にしちゃうよ~」
「真理子~わたしもお腹が空いて苦しい~よ」
わたしと真理子のお腹はぐぅーと音が鳴りそうだ。
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