わたし沖縄で働くことにしました(沖縄の風や味が忘れられなくて)

なかじまあゆこ

文字の大きさ
上 下
32 / 54
うわー遅刻だ

客室清掃

しおりを挟む
 窓を開けたままだと暑いので、窓を閉めてエアコンを入れた。わぁ涼しい生きかえる。

 ホテルの客室清掃はテキパキ丁寧にしかも決められた時間内が鉄則らしい。

 十五時になるとお客様のチェックインが始まるからだと池垣さんに説明された。

 とりあえずはゴミの回収を頑張らないと!

 「みどりちゃん~」

 もう何よ、人が気合を入れているときに真理子は泣きそうな声でわたしを呼ぶのだから。

 「もう、真理子なあに?」

 「見てみて」

 真理子が指差すゴミ箱を面倒くさいなと思いながら、視線を向けると。


 何これ?

 ゴミ箱の中には腐った果物類が大量に入っていた。

 悪臭だ~。

 これは酷い。茶色になったリンゴ、黒い斑点が大量についてるマンゴー、腐ったみかんには青カビが生えている。他にも潰れた果物が色々入っているみたいだ。

 「これ、気持ち悪いね」

 「気持ち悪いよ~みどりちゃんが捨ててよ」

 「何でよ、真理子が捨てなよ~」

 「嫌だ~」

 なんて押し付け合いをしていたら仕事が終わらない。

 「じゃあ、ジャンケンポンで決めよ」

 「よし、分かった! みどりちゃんには負けないぞ!」

 「こっちの台詞だ~じゃあ、一回勝負ね!」

 ジャンケン~

 ポーン。


 さあ、この気持ち悪~い腐った果物を捨てるのは、わたしみどりか、真理子かどちらになるのか運命の時だ!

 ジャンケンの結果は……。

 チャララン。

 わたしが、パーで、真理子は……。チョキだ!!

 ま、負けた。悔しいよ!

 「やった~勝ったぞ!」

 真理子は万歳三唱をしている。

 「負けた~」

 がっくり膝をつき敗北感を味わうわたしみどり……。

 それにしても、こんな気持ち悪い腐った果物を置いて帰る人の気が知れない。

えいゃ、えいゃ、えいゃとわたしは声を出す。

 「何やってんの? みどりちゃん」

 「何をって、ゴミを拾っているんでしょ!」

 真理子の奴はわたしのゴミを拾っている姿を見てニヤニヤしている。

 酷いじゃないの、ずるいじゃないのと怒り爆発だ。

 ジャンケンで負けたのはわたしなんだけれど……。

 ゴミ箱の中にある腐った果物は、ゴミ箱にべったりとくっついている。

 手にビニール手袋、これでべったりとくっついている果物のカスをとっている。

 あ~もう嫌にらなる。えいゃ~臭い、臭い、臭いよ。

 なんともいえない悪臭だ。鼻が腐りそうだよ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

真理子とみどり沖縄で古書カフェ店をはじめました~もふもふや不思議な人が集う場所

なかじまあゆこ
キャラ文芸
真理子とみどり沖縄で古書カフェ店をはじめました!そこにやって来るお客様は不思議な動物や人達でした。 真理子はある日『沖縄で夢を売りませんか? 古書カフェ店の雇われ店長募集。もふもふ』と書かれている張り紙を見つけた。その張り紙を見た真理子は、店長にどうしてもなりたいと強く思った。 友達のみどりと一緒に古書カフェ店の店長として働くことになった真理子だけど……。雇い主は猫に似た不思議な雰囲気の漂う男性だった。 ドジな真理子としっかり者のみどりの沖縄古書カフェに集まる不思議な動物や人達のちょっと不思議な物語です。 どうぞよろしくお願いします(^-^)/

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

高尾山で立ち寄ったカフェにはつくも神のぬいぐるみとムササビやもふもふがいました

なかじまあゆこ
キャラ文芸
高尾山で立ち寄ったカフェにはつくも神や不思議なムササビにあやかしがいました。 派遣で働いていた会社が突然倒産した。落ち込んでいた真歌(まか)は気晴らしに高尾山に登った。 パンの焼き上がる香りに引き寄せられ『ムササビカフェ食堂でごゆっくり』に入ると、 そこは、ちょっと不思議な店主とムササビやもふもふにそれからつくも神のぬいぐるみやあやかしのいるカフェ食堂でした。 その『ムササビカフェ食堂』で働くことになった真歌は……。 よろしくお願いします(^-^)/

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

笑顔になれる沖縄料理が食べたくて

なかじまあゆこ
ライト文芸
幼い日お母さんが帰って来なくて公園のベンチに座り泣いていた愛可(あいか)に見知らぬおばさんが手を差し伸べてくれた。その時に食べさせてもらった沖縄ちゃんぽんが忘れられない。 いつもご飯を食べると幸せな気持ちになる愛可。今日も大好きな食堂でご飯を食べていると眉目秀麗な男性に「君をスカウトします」と声をかけられたのだけど。 沖縄料理と元気になれる物語。 どうぞよろしくお願いします(^-^)/

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

金沢ひがし茶屋街 雨天様のお茶屋敷

河野美姫
キャラ文芸
古都・金沢、加賀百万石の城下町のお茶屋街で巡り会う、不思議なご縁。 雨の神様がもてなす甘味処。 祖母を亡くしたばかりの大学生のひかりは、ひとりで金沢にある祖母の家を訪れ、祖母と何度も足を運んだひがし茶屋街で銀髪の青年と出会う。 彼は、このひがし茶屋街に棲む神様で、自身が守る屋敷にやって来た者たちの傷ついた心を癒やしているのだと言う。 心の拠り所を失くしたばかりのひかりは、意図せずにその屋敷で過ごすことになってしまいーー? 神様と双子の狐の神使、そしてひとりの女子大生が紡ぐ、ひと夏の優しい物語。 アルファポリス 2021/12/22~2022/1/21 ※こちらの作品はノベマ!様・エブリスタ様でも公開中(完結済)です。 (2019年に書いた作品をブラッシュアップしています)

処理中です...