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シーサーたんと怪獣界のお父ちゃまとミケネコーン
6 ミケネコーンはどこにいるの?
しおりを挟む翌朝目が覚めるとミケネコーン用のベッド(飼い猫のミケナが使っていた水玉模様の涼しげな柄)にミケネコーンのその姿はなかった。
「ミケネコーンちゃん、どこにいるの~?」
名前を呼んでみたが返事はなかった。
わたしは、心配になりベッドの下やクローゼットの中や机の引き出しの中まで覗いた。けれどミケネコーンの姿はない。
いなくなってしまったミケナのことを思い出し不安な気持ちになるのと同時にミケネコーンは怪獣界からやって来たことを思い出した。
ミケネコーンちゃんは預かっているだけなんだ……。食いしん坊でワガママだけどいつの間にか大切な存在になっていることに気がついた。
底知れぬ食欲でむしゃむしゃにゃんと食べまくる。気持ちのいい食べっぷり。ポロポロこぼしてかりゆしシャツも食べ物でベタベタにするけどね。
「ミケネコーンちゃん、どこにいるの?」
やっぱり返事はない。
わたしは、もしかしたら一階にいるのかなと思い部屋を出て階段を下りた。
すると……。
居間に行くと話し声が聞こえてきた。部屋の中を覗くと、かりゆしシャツ姿のミケネコーンがいた。
そして、「めちゃ旨ですにゃん、ミケネコーンは幸せですにゃん」と言ってバナナをむしゃむしゃにゃんと食べている姿が見えた。
なんだ、居間にいたんだ良かったとホッとしたのと同時に呑気にバナナなんて食べているミケネコーンを見ていると心配した自分が馬鹿みたいに思えてきた。
「あ、夏花~おはようですにゃん!」
ミケネコーンはわたしに気づきにゃぱにゃぱと朝の挨拶をした。
「あ、おはよう、ミケネコーンちゃん」
わたしは、あははっと笑いながら居間に入り椅子に座った。
「夏花もバナナをむしゃむしゃにゃんと食べますかにゃん?」
「あ、うん……」
「うにゃん? 夏花ってば元気がないですがどうしたんですかにゃん?」
ミケネコーンは心配そうに眉間に皺を寄せた。その表情を見るとミケネコーンは何も悪くない。わたしが心配しただけだと思い笑顔を作った。
「大丈夫、元気だよ~わたしもバナナ食べようかな?」
「にゃはにゃはにゃん。バナナめちゃ旨ですにゃん!」
ミケネコーンはそう言って小さな体でテーブルの上にあるバナナをうんしょと持ち上げて、わたしに渡した。
「ミケネコーンちゃん、ありがとう」
わたしは、バナナを笑顔で受け取った。この日食べたバナナはとても美味しかった。
バナナを食べ終えると、お母さんが用意してくれた目玉焼きとウインナーの朝食を食べた。
「めちゃくちゃ美味しいですにゃん。ミケネコーンは目玉焼きもウインナーも大好きですにゃん」
ミケネコーンはそれはもう幸せそうな表情でむしゃむしゃにゃんと食べている。そんなミケネコーンを見ていると、なんだか微笑ましくて幸せな気持ちになる。
「ミケネコーンちゃんは食べることが好きなんだね」
わたしは、ウインナーを口に運びながらうふふと笑った。
「はいにゃん。ミケネコーンはむしゃむしゃにゃんとご飯を食べている時間が幸せですにゃん」
そう答えたミケネコーンの口の周りはお決まりのようにケチャップまみれになっていた。
「ミケネコーンちゃん! 口の周りにケチャップがくっついているよ~」
わたしは、言いながら紙ナプキンでミケネコーンの口の周りを拭いてあげた。
「夏花、ありがとうですにゃん」
ミケネコーンはお礼を言ってにゃぱにゃぱにゃんと笑った。
そんなミケネコーンが妹のように思えてきた。あ、弟だった。あははっ、なんだか可笑しいや。わたしがクスクスと笑っていると、
「夏花? どうしたんですかにゃん?」
ミケネコーンは不思議そうに首を傾げた。
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