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シーサーたんと怪獣界のお父ちゃまとミケネコーン
7 お父ちゃまに会いたいけど今は……
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「ううん、何でもないよ。でもさ、ミケネコーンちゃんって怪獣界でどんな生活をしていたのかなって思ったんだよ」
「あ、怪獣界ですかにゃん?」
「うん、まだ怪獣界の話をちゃんと聞いたことがないんだもん」
そうなのだ。この地球以外に怪獣界があることもそもそも不思議に思うしそれとミケネコーンはその怪獣界でもやっぱり食いしん坊だったのかなと考えた。
「……怪獣界は、良い世界ですにゃん。お父ちゃまとお母ちゃまがいますしそれにお姉ちゃまもいますにゃん!」
とそこまで話したところで、ミケネコーンはボロボロと涙を流した。
「えっ? ミケネコーンちゃん! どうしたの?」
「だ、だって、ミケネコーンはお父ちゃまに修行だにゃんて言われてこの黒い人間界に捨てられましたにゃ~ん!!」
ミケネコーンはそう言って顔からはみ出しそうな大きな目から大粒の涙を流した。
「……ミケネコーンちゃん、そ、そんな捨てられたなんてことはないはずだよ」
わたしは、ボロボロと涙を流すミケネコーンのその小さな頭にそっと手を伸ばした。
「だって、お父ちゃまはミケネコーンをこの黒い人間界に置き去りにしたんですにゃん」
わたしは、そう言って滝のように涙を流すミケネコーンが可哀想だなと思った。
「ミケネコーンちゃん……」
にゃんにゃんと鳴くミケネコーンの小さな頭に触れると猫のように柔らかくてもふもふで気持ちが良かった。
そういえば初めて会ったあの日、黒いマジックで『捨て猫です』と書かれているダンボールの中にミケネコーンが入っていたことを思い出した。
「ミケネコーンは大好きなお父ちゃまにこの黒い人間界に捨てられたんですにゃ~ん!!」
ミケネコーンはまたまた滝のように涙を流した。そんなミケネコーンが不憫でそして、テーブルの上が涙で海のようになってしまうではないかと心配にもなった。
「ねえ、お父さんはミケネコーンちゃんに強くなってほしいと思ってこの人間界に置いて帰ったんじゃないのかな? シーサーたんだってそう言ってたでしょ」
「うにゃん? 強くなってほしいですかにゃん?」
ミケネコーンは顔を上げてわたしの顔をじっと見た。
わたしはミケネコーンのその顔からはみ出しそうな大きな目を見て、
「鳴くなミケネコーン、お前は我が怪獣王国の跡継ぎなんだぞにゃん! 鳴いてばかりで情けないぞにゃんって、ミケネコーンちゃんのお父さんが言ってたってシーサーたんが話していたよね」と言った。
「はいにゃん……」
顔中涙まみれのミケネコーンは首を縦にコクコクと振った。
「ミケネコーンちゃんは怪獣王国の跡継ぎなんでしょ? 怪獣王子なんだよね」
「はいにゃん。ミケネコーンは怪獣王国の跡継ぎですにゃん」
「だから、きっと、親元を離れて修行をしてほしいんだよ。って言ってもよく分からないけどね。怪獣王国は良い国なんだよね?」
わたしが聞くとミケネコーンは、
「はいにゃん。怪獣王国は素晴らしい国ですにゃん。ご飯も美味しくて周りにいるみんなも良い猫怪獣ですにゃん」
ミケネコーンはそう答えて満面の笑みを浮かべそして、
「それに黒い人間界みたいに争いごともほとんどありませんにゃん」
「そっか、ミケネコーンちゃんは幸せなんだね」
「はいにゃん。ミケネコーンは幸せですにゃん」
「じゃあ、人間界で修行を頑張ろうよ」
わたしは、ミケネコーンの顔を真っ直ぐ見て言った。
「はいにゃん。でも、ミケネコーンは国王になりたいか分からないですにゃん」
そう言ってミケネコーンは俯いた。
「ミケネコーンちゃん……」
わたしが俯くミケネコーンの顔を覗き込むと、ミケネコーンはパッと顔を上げ、
「うにゃん、これからのことは分からないけど頑張りますにゃん」
そう言ってにゃぱにゃぱと笑った。
「あ、怪獣界ですかにゃん?」
「うん、まだ怪獣界の話をちゃんと聞いたことがないんだもん」
そうなのだ。この地球以外に怪獣界があることもそもそも不思議に思うしそれとミケネコーンはその怪獣界でもやっぱり食いしん坊だったのかなと考えた。
「……怪獣界は、良い世界ですにゃん。お父ちゃまとお母ちゃまがいますしそれにお姉ちゃまもいますにゃん!」
とそこまで話したところで、ミケネコーンはボロボロと涙を流した。
「えっ? ミケネコーンちゃん! どうしたの?」
「だ、だって、ミケネコーンはお父ちゃまに修行だにゃんて言われてこの黒い人間界に捨てられましたにゃ~ん!!」
ミケネコーンはそう言って顔からはみ出しそうな大きな目から大粒の涙を流した。
「……ミケネコーンちゃん、そ、そんな捨てられたなんてことはないはずだよ」
わたしは、ボロボロと涙を流すミケネコーンのその小さな頭にそっと手を伸ばした。
「だって、お父ちゃまはミケネコーンをこの黒い人間界に置き去りにしたんですにゃん」
わたしは、そう言って滝のように涙を流すミケネコーンが可哀想だなと思った。
「ミケネコーンちゃん……」
にゃんにゃんと鳴くミケネコーンの小さな頭に触れると猫のように柔らかくてもふもふで気持ちが良かった。
そういえば初めて会ったあの日、黒いマジックで『捨て猫です』と書かれているダンボールの中にミケネコーンが入っていたことを思い出した。
「ミケネコーンは大好きなお父ちゃまにこの黒い人間界に捨てられたんですにゃ~ん!!」
ミケネコーンはまたまた滝のように涙を流した。そんなミケネコーンが不憫でそして、テーブルの上が涙で海のようになってしまうではないかと心配にもなった。
「ねえ、お父さんはミケネコーンちゃんに強くなってほしいと思ってこの人間界に置いて帰ったんじゃないのかな? シーサーたんだってそう言ってたでしょ」
「うにゃん? 強くなってほしいですかにゃん?」
ミケネコーンは顔を上げてわたしの顔をじっと見た。
わたしはミケネコーンのその顔からはみ出しそうな大きな目を見て、
「鳴くなミケネコーン、お前は我が怪獣王国の跡継ぎなんだぞにゃん! 鳴いてばかりで情けないぞにゃんって、ミケネコーンちゃんのお父さんが言ってたってシーサーたんが話していたよね」と言った。
「はいにゃん……」
顔中涙まみれのミケネコーンは首を縦にコクコクと振った。
「ミケネコーンちゃんは怪獣王国の跡継ぎなんでしょ? 怪獣王子なんだよね」
「はいにゃん。ミケネコーンは怪獣王国の跡継ぎですにゃん」
「だから、きっと、親元を離れて修行をしてほしいんだよ。って言ってもよく分からないけどね。怪獣王国は良い国なんだよね?」
わたしが聞くとミケネコーンは、
「はいにゃん。怪獣王国は素晴らしい国ですにゃん。ご飯も美味しくて周りにいるみんなも良い猫怪獣ですにゃん」
ミケネコーンはそう答えて満面の笑みを浮かべそして、
「それに黒い人間界みたいに争いごともほとんどありませんにゃん」
「そっか、ミケネコーンちゃんは幸せなんだね」
「はいにゃん。ミケネコーンは幸せですにゃん」
「じゃあ、人間界で修行を頑張ろうよ」
わたしは、ミケネコーンの顔を真っ直ぐ見て言った。
「はいにゃん。でも、ミケネコーンは国王になりたいか分からないですにゃん」
そう言ってミケネコーンは俯いた。
「ミケネコーンちゃん……」
わたしが俯くミケネコーンの顔を覗き込むと、ミケネコーンはパッと顔を上げ、
「うにゃん、これからのことは分からないけど頑張りますにゃん」
そう言ってにゃぱにゃぱと笑った。
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