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学校とわたしとミケネコーン

2 ピンチ

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「うにゃ~ん、眠かったですにゃん。思わずうとうとしてしまいましたにゃん」

  ミケネコーンはふわぁ~ふわぁ~とあくびをしながらわたしの顔を見上げた。

  あまりにも呑気すぎて呆れてしまうけれど、ぶさかわなその顔に愛嬌がありなんだか癒されてしまう。

「ミケネコーンちゃん、しーっだからね!」

  わたしは、人差し指を唇に当ててしーっのポーズをとる。

ふわぁ~ふわぁ~とあくびをしているミケネコーンを眺めているとなんだかお姉さんになったみたいでちょっとくすぐったい。

  でも、大きな声を出したらダメだからねとミケネコーンを睨む。けれど、ミケネコーンは素知らぬ顔であくびをしている。

「ちょっと、ミケネコーンちゃんっば聞いているの!」

「うにゃん?」

  ミケネコーンは、わたしを見上げにゃぱにゃぱと笑う。やっぱりぶさかわだよ。

「うにゃんじゃないでしょ!」

  と言ったその時、

「真川さん」とわたしを呼ぶ声が聞こえてきた。

  この声はと、そーっと顔を上げると三木田さんが不思議そうな顔つきで、わたしを見下ろしていた。

  これは、緊急ピンチだよ。


  
  どうしようと焦りわたしは、三木田さんのその顔をじっと見てしまった。高めの位置で結んだツインテールの髪が微かに揺れた。

  だって、鞄の中にはにゃぱにゃぱと笑うミケネコーンがいるのだから。このぶさかわ猫怪獣の存在に気づかれたらどうしようと心配になる。いや、もしかしたら気づいているのかもしれない。

「ねえ、真川さん」

「あ、えっと、三木田さん何かな?」

  わたしは、パッと鞄を隠そうとしたんだけれど、どうやら遅かったらしい。

「わっ!  その子ぶさかわ猫ちゃんだね」

  そう言ってわたしの鞄を覗き込む三木田さんなのだ。

「……あ、これは、その……」

  わたしは、焦ってしまい次の言葉が出てこない。

  その時……。

「ミケネコーンはぶさかわとちゃいますにゃん!  それから猫ちゃいますにゃん!  猫の形をした怪獣ですにゃ~ん」

  なんて言うではないか。

  ミケネコーンってばどうしてくれるのよ。三木田さんは目を見開きびっくりしているではないか。

  そして、三木田さんは……。
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