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学校とわたしとミケネコーン
1学校とミケネコーン
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わたしは、急いで二階の自室に駆け上がり学校鞄に教科書と昨日買ったばかりの沖縄の本を詰め込み、ダダッーと階段を駆け下りる。
玄関の上がり框で靴を履き、「いってきま~す!」とドアを開け外に出る。
外に出ると朝の生ぬるい風が吹いていた。学校に行きたくないなと思いながらわたしはとぼとぼと通学路を歩く。
空は青くてとっても綺麗なのにわたしの心はどんよりだ。ミケネコーンと一緒に食べた朝ごはんの時間はあんなに楽しかったのにな。
学校に向かおうとするとなんだか足が重くなる。こんな毎日が続いていた。
そして、学校に着き教室に入る。クラスメイト達は仲良し同士が楽しそうに話をしている。
わたしは、誰にも挨拶をしないで窓際の自分の席に座った。きっと暗い子だと思われているだろうなと考えると嫌になる。
教科書の準備をして昨日買ったばかりの沖縄の本を読もうかなと学校鞄を開けると、
「えっ!?」と思わず声を上げそうになった。
だって、鞄の中に……どうしているのよ。
そうなのだ。鞄の中には、あの顔からはみ出しそうな大きな目をした生き物がいるではないか。
その生き物はわたしの顔をじっと見てにゃぱにゃぱにゃんと笑った。
「……ミ、ミ、ミケネコーンちゃんってばどうして鞄の中にいるのかな?」
わたしは、小声で鞄の中の生き物ことミケネコーンに聞いた。
「うにゃん、ミケネコーンも学校に行きたかったので鞄の中に入りましたにゃ~ん!」
ミケネコーンは自信に満ちた顔で言った。
「ちょっと、ミケネコーンちゃん声を出さないでよ! みんながびっくりするでしょ」
わたしは、キョロキョロと教室を見渡した。クラスメイトは自分達の会話に夢中でわたしとミケネコーンには気がついていないようだ。
良かったとわたしはホッと胸を撫で下ろした。
すると、その時、教室の廊下側の一番前の席に座っている三木田さんと目が合った。
窓際のわたしの席と距離があるので、ミケネコーンには気づいてはいないと思うけれど、わたしはパッと目を逸らした。
鞄の中に目を向けると人の気も知らないミケネコーンがぐーすーぴーと寝ているではないか。
ミケネコーンってばどうして寝ているのだ!!
玄関の上がり框で靴を履き、「いってきま~す!」とドアを開け外に出る。
外に出ると朝の生ぬるい風が吹いていた。学校に行きたくないなと思いながらわたしはとぼとぼと通学路を歩く。
空は青くてとっても綺麗なのにわたしの心はどんよりだ。ミケネコーンと一緒に食べた朝ごはんの時間はあんなに楽しかったのにな。
学校に向かおうとするとなんだか足が重くなる。こんな毎日が続いていた。
そして、学校に着き教室に入る。クラスメイト達は仲良し同士が楽しそうに話をしている。
わたしは、誰にも挨拶をしないで窓際の自分の席に座った。きっと暗い子だと思われているだろうなと考えると嫌になる。
教科書の準備をして昨日買ったばかりの沖縄の本を読もうかなと学校鞄を開けると、
「えっ!?」と思わず声を上げそうになった。
だって、鞄の中に……どうしているのよ。
そうなのだ。鞄の中には、あの顔からはみ出しそうな大きな目をした生き物がいるではないか。
その生き物はわたしの顔をじっと見てにゃぱにゃぱにゃんと笑った。
「……ミ、ミ、ミケネコーンちゃんってばどうして鞄の中にいるのかな?」
わたしは、小声で鞄の中の生き物ことミケネコーンに聞いた。
「うにゃん、ミケネコーンも学校に行きたかったので鞄の中に入りましたにゃ~ん!」
ミケネコーンは自信に満ちた顔で言った。
「ちょっと、ミケネコーンちゃん声を出さないでよ! みんながびっくりするでしょ」
わたしは、キョロキョロと教室を見渡した。クラスメイトは自分達の会話に夢中でわたしとミケネコーンには気がついていないようだ。
良かったとわたしはホッと胸を撫で下ろした。
すると、その時、教室の廊下側の一番前の席に座っている三木田さんと目が合った。
窓際のわたしの席と距離があるので、ミケネコーンには気づいてはいないと思うけれど、わたしはパッと目を逸らした。
鞄の中に目を向けると人の気も知らないミケネコーンがぐーすーぴーと寝ているではないか。
ミケネコーンってばどうして寝ているのだ!!
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