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第2章 王都編
(14)※ メスのお作法
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まだ昼下がり、陽も高い。荷物を纏めることも諦め、こんな時間から、俺はナイジェルの相手をすることにした。やたら噛みついて来る困った子猫に、下手に餌をやったら、懐かれて飼うことになってしまった。まあ、こうなってしまったものは仕方ない。後のことは後で考えて、今は押しかけて来た彼をどうにか捌かないといけない。
「んんっ…」
彼は夢中で俺の舌を味わっている。もう隷属紋が定着してしまった今となっては、催淫効果のある俺の体液をいくら貪ろうが構わない。てか、この隷属紋って消去できないかな。今度図書館で調べてみよう。
髪を掻き上げて角度を変えてやると、彼は小さく声を上げて、睫毛を震わせ、されるがままになっている。昨日までの勢いはどうした。彼は一度俺を抱いたら、俺のことを「俺の女」みたいな雰囲気で迫って来たが、いざ自分が抱かれると、自分を「俺の女」と認識しているらしい。一々面倒臭い男だ。まあ、そういうところが可愛いらしくもあるのだが。
いや、そうではない。ナイジェルが好きなのは…
「んんん!!」
右手で掻き上げた髪をグッと掴み、左手で顎を強引に開かせ、口の中を乱暴に犯す。彼が最初に俺にしたキス、それは彼がされたかったことだ。散々蹂躙してから唇を解放すると、彼は頬を染めて瞳を潤ませていた。口の端から唾液が伝って、ぞくりとするほどエロティックだ。俺は彼の髪を掴んだまま、
「こうされたかったんだろ?」
耳元で囁き、そして彼の首筋に軽く歯を立てた。
「あ…っ!」
そしてそのまま、首筋に所々赤い跡を付けながら、彼のシャツのボタンに手を掛けていく。
「メ、メイナード、シャワーを…」
彼は情事の前に身支度を整えたそうだったが、許さない。これも、彼が俺にしたかったこと、そしてされたかったことだ。俺は答えの代わりに、彼を乱暴に押し倒し、そしてわざとこれみよがしに、彼の衣服を剥いで行った。自分は下だけ手早く脱ぎ捨て、そして彼の目の前に突きつけた。
「しゃぶれ」
「ん…んっ…」
彼は意外にも、素直に奉仕を始めた。俺にされたことを反芻しながら、見様見真似で咥え込んでいる。ぎこちない舌使いがいい。そろそろ、彼があの時俺にしたかったことをお返ししてやる。
「ん”ん”!」
ちょうど、俺が上から彼の口を犯している形だ。髪を掴んで、軽く奥に押し込んでやると、咽せそうになりながら、懸命に受け入れている。俺には嗜虐的嗜好は無いが、被虐心を煽られ、恥じらいながら燃えるナイジェルにそそられる。よし、及第点だ。
「飲め」
彼は「ふぐっ…!」と呻きながら、大きく膨張したそれから吐き出される精液を、必死で飲み干した。途端に、彼は強烈な催淫作用に襲われる。射精の終わったそれを丹念に吸い上げ、一滴も残さぬように舐め取った後も、期待と欲情に潤んだ瞳で俺を見上げながら、ぺろぺろと舌を這わせて奉仕を続ける。
だが俺は、そんな彼を上から冷静に見下ろしているだけだ。彼は一昨日、俺を昂らせ、しっかりと欲しがらせてから、散々焦らして懇願させるつもりだった。つまり、彼は俺にそうして欲しいっていうことだ。
だんだん分かって来た。ナイジェルは、俺に対してそう悪意があったわけじゃない。彼は獣人の理の中で育って、獣人の思考でもって対人関係を築こうとしていただけだ。獣人の世界は、完全な縦社会。強いものが君臨し、弱い者は虐げられる。それは決して悪いことではなく、彼らは同時に、強い者に支配されたいという欲求を持っている。だから、弱い俺が彼に支配されることを良しとせず、逃げ回るのが気に入らなかったのだ。
俺の方が強いのだから、お前に分からせてやる。お前も強い俺に傅きたいだろう。俺がお前を支配してやるんだから、何の文句があるんだ、という。だから彼は、俺に高圧的な態度を取ることで、リーダーシップを取っているつもりだった。だが俺の方が「強い」と分かると、俺をボスに据え、大人しく支配を受け入れる。それが彼の中では、道理に適っているのだ。
まあ、それは獣人の世界の中の話で、他種族間ではそうはいかない。他の獣人たちは、他種族にも強い者がいると知って、それなりに折り合いを付けていく。彼はなまじ出生の問題を抱えていたため、他よりも強くあろうとして、不幸にもそれが叶ってしまったため、「俺が一番強いのだからお前が従え」という考えが抜けなかったのだろう。
そういうわけで、俺は意趣返しのつもりで、彼が俺にやろうとしたことを彼にやり返したわけだが、逆に彼はそれを欲しているのだろうという推論は、当たっているのではないかと思う。彼は今、俺の精液の催淫効果にやられて、はしたなく悶えながら、俺に奉仕して、無言で情けを懇願している。
「誰が自慰を許可した?」
「う…」
彼のそれはもう、今にも精を吐き出したくてビクビクしている。そして後ろも。彼は俺のそれを受け入れたくて、後ろにまで指を伸ばしている。よしよし。一晩で、メスのお作法をちゃんと学習したじゃないか。そろそろ助け舟を出してやるとしよう。
「欲しければ、懇願してみせろ」
ナイジェルは一瞬目を見開いた後、切ない表情で、俺に希った。
「お、お前のが…欲しい…」
「んんっ…」
彼は夢中で俺の舌を味わっている。もう隷属紋が定着してしまった今となっては、催淫効果のある俺の体液をいくら貪ろうが構わない。てか、この隷属紋って消去できないかな。今度図書館で調べてみよう。
髪を掻き上げて角度を変えてやると、彼は小さく声を上げて、睫毛を震わせ、されるがままになっている。昨日までの勢いはどうした。彼は一度俺を抱いたら、俺のことを「俺の女」みたいな雰囲気で迫って来たが、いざ自分が抱かれると、自分を「俺の女」と認識しているらしい。一々面倒臭い男だ。まあ、そういうところが可愛いらしくもあるのだが。
いや、そうではない。ナイジェルが好きなのは…
「んんん!!」
右手で掻き上げた髪をグッと掴み、左手で顎を強引に開かせ、口の中を乱暴に犯す。彼が最初に俺にしたキス、それは彼がされたかったことだ。散々蹂躙してから唇を解放すると、彼は頬を染めて瞳を潤ませていた。口の端から唾液が伝って、ぞくりとするほどエロティックだ。俺は彼の髪を掴んだまま、
「こうされたかったんだろ?」
耳元で囁き、そして彼の首筋に軽く歯を立てた。
「あ…っ!」
そしてそのまま、首筋に所々赤い跡を付けながら、彼のシャツのボタンに手を掛けていく。
「メ、メイナード、シャワーを…」
彼は情事の前に身支度を整えたそうだったが、許さない。これも、彼が俺にしたかったこと、そしてされたかったことだ。俺は答えの代わりに、彼を乱暴に押し倒し、そしてわざとこれみよがしに、彼の衣服を剥いで行った。自分は下だけ手早く脱ぎ捨て、そして彼の目の前に突きつけた。
「しゃぶれ」
「ん…んっ…」
彼は意外にも、素直に奉仕を始めた。俺にされたことを反芻しながら、見様見真似で咥え込んでいる。ぎこちない舌使いがいい。そろそろ、彼があの時俺にしたかったことをお返ししてやる。
「ん”ん”!」
ちょうど、俺が上から彼の口を犯している形だ。髪を掴んで、軽く奥に押し込んでやると、咽せそうになりながら、懸命に受け入れている。俺には嗜虐的嗜好は無いが、被虐心を煽られ、恥じらいながら燃えるナイジェルにそそられる。よし、及第点だ。
「飲め」
彼は「ふぐっ…!」と呻きながら、大きく膨張したそれから吐き出される精液を、必死で飲み干した。途端に、彼は強烈な催淫作用に襲われる。射精の終わったそれを丹念に吸い上げ、一滴も残さぬように舐め取った後も、期待と欲情に潤んだ瞳で俺を見上げながら、ぺろぺろと舌を這わせて奉仕を続ける。
だが俺は、そんな彼を上から冷静に見下ろしているだけだ。彼は一昨日、俺を昂らせ、しっかりと欲しがらせてから、散々焦らして懇願させるつもりだった。つまり、彼は俺にそうして欲しいっていうことだ。
だんだん分かって来た。ナイジェルは、俺に対してそう悪意があったわけじゃない。彼は獣人の理の中で育って、獣人の思考でもって対人関係を築こうとしていただけだ。獣人の世界は、完全な縦社会。強いものが君臨し、弱い者は虐げられる。それは決して悪いことではなく、彼らは同時に、強い者に支配されたいという欲求を持っている。だから、弱い俺が彼に支配されることを良しとせず、逃げ回るのが気に入らなかったのだ。
俺の方が強いのだから、お前に分からせてやる。お前も強い俺に傅きたいだろう。俺がお前を支配してやるんだから、何の文句があるんだ、という。だから彼は、俺に高圧的な態度を取ることで、リーダーシップを取っているつもりだった。だが俺の方が「強い」と分かると、俺をボスに据え、大人しく支配を受け入れる。それが彼の中では、道理に適っているのだ。
まあ、それは獣人の世界の中の話で、他種族間ではそうはいかない。他の獣人たちは、他種族にも強い者がいると知って、それなりに折り合いを付けていく。彼はなまじ出生の問題を抱えていたため、他よりも強くあろうとして、不幸にもそれが叶ってしまったため、「俺が一番強いのだからお前が従え」という考えが抜けなかったのだろう。
そういうわけで、俺は意趣返しのつもりで、彼が俺にやろうとしたことを彼にやり返したわけだが、逆に彼はそれを欲しているのだろうという推論は、当たっているのではないかと思う。彼は今、俺の精液の催淫効果にやられて、はしたなく悶えながら、俺に奉仕して、無言で情けを懇願している。
「誰が自慰を許可した?」
「う…」
彼のそれはもう、今にも精を吐き出したくてビクビクしている。そして後ろも。彼は俺のそれを受け入れたくて、後ろにまで指を伸ばしている。よしよし。一晩で、メスのお作法をちゃんと学習したじゃないか。そろそろ助け舟を出してやるとしよう。
「欲しければ、懇願してみせろ」
ナイジェルは一瞬目を見開いた後、切ない表情で、俺に希った。
「お、お前のが…欲しい…」
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