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第十七話
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ロットの家に到着し、木製のテーブルとふかふかのソファの置いてあるリビングに通された。
ロットはお茶の準備をしにキッチンに向かい、ウィードはソファに座った。
リビングに戻ってきたロットは、紅茶をテーブルに置き、ソファに座った。向かいのソファではなく、ウィードの座っているソファに。
「えっと……近くない?」
ロットの座った位置は動かしていない足と足があたるほどに近かった。
ウィードは足を右に少しずらす。
「え、そうですか? あの、離れた方が……いいんでしょうか?」
手を握られ、上目遣いに見上げられた。
身長の低いロットからそうされると、ウィードは断れなかった。
「いや、大丈夫だよ。それで話って?」
妙に距離感が近くて、落ち着かない。
ウィードはこの空気感から早く抜け出したくてすぐに本題を切り出した。
「ああ、そうでした! ウィードさんが僕の家に来てくれたのが嬉しくて、本題を忘れるところでした!」
ロットはそう言って照れるように自身の頭を撫でると、テーブルに置いていた紅茶を飲む。
ウィードはそれを見て、わざわざロットが紅茶を入れてくれていたことを思い出し、それに口をつける。
「少し甘い? でも、おいしい」
「甘かったですか!? ……ご、ごめんなさい」
ロットは目を見開いて驚いた。
が、それも一瞬のこと。
ロットは身体を丸めてしょぼくれた。そして口をすぼめる。
「僕間違えて、いつも通り兄さんに出す体で砂糖入れちゃって……」
ウィードはそのロットの様子に少し違和感を感じた。
甘いと言われただけでそこまで驚くだろうか?
いや、疑いすぎか。
いつまで自分はロットのかわいさに嫉妬しているんだろう?
人のあら探しなんてして、みっともない。
「謝らなくて大丈夫だよ。僕、甘いもの好きだし」
ウィードは安心させる為に、紅茶をごくごくと勢いよく飲んだ。
ロットはそれを見て、ほっと胸を撫で下ろし、微笑んだ。
「ウィードさん、ありがとうございます。それで本題なんですけど」
ロットはウィードが紅茶を飲み干したのを見てから話し出した。
「僕と一緒にこの街を出ませんか?」
「街を……出る……?」
お腹もうタプタプで苦しいかも・・・なんて考えていたら、予想だにしない話が始まってウィードは驚いた。
「えっと、どういうことかな?」
まずは話を聞いてみよう。
そう思って、ロットの言葉の続きを待った。
「ウィードさんはハルサックにストーカーされてますよね?」
「えっと、そうなの……かな?」
最近外に出てるときに、たまに視線を感じることはある。
その視線の先をたどればハルサックと視線が合うことはよくあるが、それをストーカーと呼ぶかは分からない。
「あれは、立派なストーカーです! このままじゃいつハルサックのクソ野郎がウィードさんを襲うか分からない。その前に、ウィードさんは逃げた方が良い!!!!」
段々と語気は強くなっていった。
ロットはソファから立ち上がると、ウィードの方に向き直る。
「だからウィードさん。ハルサックから逃げましょう! 僕もお供しますから!」
ソファに座ったウィード視線を合わせ、両手で握る。
彼の至近距離プラス大きい瞳から放たれる目力にウィードは気圧された。
ロットはお茶の準備をしにキッチンに向かい、ウィードはソファに座った。
リビングに戻ってきたロットは、紅茶をテーブルに置き、ソファに座った。向かいのソファではなく、ウィードの座っているソファに。
「えっと……近くない?」
ロットの座った位置は動かしていない足と足があたるほどに近かった。
ウィードは足を右に少しずらす。
「え、そうですか? あの、離れた方が……いいんでしょうか?」
手を握られ、上目遣いに見上げられた。
身長の低いロットからそうされると、ウィードは断れなかった。
「いや、大丈夫だよ。それで話って?」
妙に距離感が近くて、落ち着かない。
ウィードはこの空気感から早く抜け出したくてすぐに本題を切り出した。
「ああ、そうでした! ウィードさんが僕の家に来てくれたのが嬉しくて、本題を忘れるところでした!」
ロットはそう言って照れるように自身の頭を撫でると、テーブルに置いていた紅茶を飲む。
ウィードはそれを見て、わざわざロットが紅茶を入れてくれていたことを思い出し、それに口をつける。
「少し甘い? でも、おいしい」
「甘かったですか!? ……ご、ごめんなさい」
ロットは目を見開いて驚いた。
が、それも一瞬のこと。
ロットは身体を丸めてしょぼくれた。そして口をすぼめる。
「僕間違えて、いつも通り兄さんに出す体で砂糖入れちゃって……」
ウィードはそのロットの様子に少し違和感を感じた。
甘いと言われただけでそこまで驚くだろうか?
いや、疑いすぎか。
いつまで自分はロットのかわいさに嫉妬しているんだろう?
人のあら探しなんてして、みっともない。
「謝らなくて大丈夫だよ。僕、甘いもの好きだし」
ウィードは安心させる為に、紅茶をごくごくと勢いよく飲んだ。
ロットはそれを見て、ほっと胸を撫で下ろし、微笑んだ。
「ウィードさん、ありがとうございます。それで本題なんですけど」
ロットはウィードが紅茶を飲み干したのを見てから話し出した。
「僕と一緒にこの街を出ませんか?」
「街を……出る……?」
お腹もうタプタプで苦しいかも・・・なんて考えていたら、予想だにしない話が始まってウィードは驚いた。
「えっと、どういうことかな?」
まずは話を聞いてみよう。
そう思って、ロットの言葉の続きを待った。
「ウィードさんはハルサックにストーカーされてますよね?」
「えっと、そうなの……かな?」
最近外に出てるときに、たまに視線を感じることはある。
その視線の先をたどればハルサックと視線が合うことはよくあるが、それをストーカーと呼ぶかは分からない。
「あれは、立派なストーカーです! このままじゃいつハルサックのクソ野郎がウィードさんを襲うか分からない。その前に、ウィードさんは逃げた方が良い!!!!」
段々と語気は強くなっていった。
ロットはソファから立ち上がると、ウィードの方に向き直る。
「だからウィードさん。ハルサックから逃げましょう! 僕もお供しますから!」
ソファに座ったウィード視線を合わせ、両手で握る。
彼の至近距離プラス大きい瞳から放たれる目力にウィードは気圧された。
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