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6 魔法の効果
しおりを挟む「……ですわ、……ですわ、お義姉様ばかり……って…え!? いったい、どうなっていますの!?!?」
魔法の効果はあった。
あえて義妹の気に入りそうなペンダントを身に付けて試してみたのだが、『ずるいずるい』と言えなくなった義妹は私から欲しい物を奪えなかった。
(ああ、よかった……)
高位の魔法使いは普通の魔法使いと違って魔力が多く、他人の行動を操ることすら出来るのだそうだ。侯爵家ではその豊富な魔力に目を付けていて、仕事上で関わり合いがあるらしい。連絡を取るならそこだろう。
そう思った私は高位の魔法使いに連絡を取るために忘れかけていたお母様の母国語を徹底的に覚え直した。そして現状と心情を綴った手紙を、あちらの親族に教えてもらった高位の魔法使いの連絡先に送り続けた。最初は開封もされずに返送されてきていたが、相手が受け取って返事をくれるまで何度も何度も何度も書き直しては送り続けた。
そしてようやく連絡が取れて、義妹に魔法をかけてもらうことができたのだ。
多少の苦労はしたものの結果的にコレで全てが解決した――――そう思った。
しかし。
「不平等ですわ、不平等ですわ、お義姉様ばかり! 私も伯爵家の人間になったのだから、そんな素敵なペンダントが欲しいです!」
義妹は魔法で使えなくなった言葉を別の言葉に言い変えて目的の物をサクッと奪っていった。
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