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死の大陸編 青年期

第40話. 巨大蜘蛛

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 今日も探索の為、滅びの国近くにある高台の場所を調べていたら洞窟を見つけたので、今日はそこを重点的に調べる

 洞窟に入ってすぐ、いつものように魔法で高火力の球メテオを2つ放ち、1つは僕の身近にセットし、もう1つは前方を照らす為にセットする

 どの洞窟もそうだが、必ず魔物が棲み着いている

 洞窟の規模が大きいと、下に行く階層も増え、行けば行くほど魔物のレベルが高くなるのを感じた

 今回も僕のやる事は変わらず、魔物が襲いかかってくれば容赦なく、風魔法のエアカッターでスパスパ斬り刻んで先に進む

 当然、この時に仕留めた魔物はすぐにアースが食べてしまうか、もしくは食材として収納部屋行きだ!

 今回の洞窟は結構な規模だが、何処となくヒトの手が加えられている

 5分ほど歩いていると奥にある広い空間に入り、気を引き締めてから、戦闘モードに入る

 広い空間を探知で探ると、そこにはかなりの数の魔物がいるのを確認できた


 そのまま広い空間内を進むが、壁にはびっしりヒカリゴケが付着しており、そのヒカリゴケを主食とする光蟲ひかりむしがたくさんいるお陰で、この空間内は明るくなっていた。

 前方にセットしている高火力の球メテオの光りに誘われ、蝙蝠系の魔物が次から次へとメテオに自爆アタックしている


 それは、超、高温のマグマをそのまま球体にしたような物で、その火球をうっかり手で掴もうとするなら、火傷というレベルで済まされず、手が溶けて無くなってしまう!

 実際には魔物の身体の一部が溶けたりしているが、球体そのものは20㎝位しかないので、完全に魔物が消滅することはないので、邪魔になる魔物のはエアカッターでスパスパと滅していく

 メテオを大きくするのは簡単にできるんだが、大きくすればそれだけ邪魔になり、魔力の消費も大きくなるので、この20㎝位がちょうどいいサイズだった

 何より大きなサイズだと、それこそ魔物が何も残らないので、それだと問題があって、うちのアース君の食事のストックができなくなる事が、1番の問題だった

 なので被害は最小限に抑える方向性でいる

 僕が放つ、2枚のエアカッターは円盤型で超高速回転しながら宙に浮き、洞窟に入ってからずっとスタンバイさせている状態で、魔物を感知すると自動的に狩っている

 これはかなり便利な機能で、オートモードにすると僕が認識した魔物は自動的に仕留め、マニアルモードに切り替える事で、細かい動きで正確に局部をねらったりと、状況次第で切り替え、どちらも使いこなしている


 オートでエアカッターを飛ばし、高火力の球メテオに触れてない魔物を切り落とし終えると、ようやく僕の近くに戻ってきた

 ざっと蝙蝠の魔物が40体は転がっているので、
すかさず収納!
 

 何事もなかったようにしばらく進むと、今度は辺りに蜘蛛の巣が張り巡らされてあり、その奥には馬鹿でかい蜘蛛の姿が見える

 こっちを見る大きな赤い眼が、四方八方あちこちと動きながら観察するように見ている

 そして、その赤い眼が一斉に僕の方に向く!

  ギョロギョロギョロギョロ

 キモっ!!

 8つある赤い眼が全てこちらを向き、その直後、蜘蛛は毒糸をいくつも飛ばして来た

 僕はその攻撃に対し、慌てる事なく前方にあるメテオで毒糸を溶かしてしまう事で、蜘蛛の攻撃は僕まで届かない。

 蜘蛛は僕に攻撃が防がれると、次に周りに蠢いていた子蜘蛛の大群に命令をくだし、群れをなして波のようにこちらに押し寄せてきた!

 すると突然、アースがあの大群の蜘蛛を食べて良いか聞いたきた

 「ねえねえ、あいつら食べていい?」

 「んっ?アースが食べたいんだったら食べていいよ!」


 突然、アースが言って来たので、一瞬コイツら美味しいのか?と、ふと思ってしまったが、少しでもアースの腹の足しになればと思い、食べてもらう


 この子蜘蛛は青い眼球が1つで、眼の上に槍の様な鋭い角が生えており、数にして数百匹はいるんじゃないかと思う位の大群が突進して来ていた

 そこで僕はすぐに子蜘蛛をマーキングして、オートモードで3枚のエアカッターを仕向ける

 子蜘蛛に反応したエアカッターは、高速で狂喜乱舞のごとしスパスパと斬っていくので、僕はそれを間近で観ているだけでよかった

 あちこちに斬り刻まれた蜘蛛の残骸を確認したアース君が、空腹を満たす為、すでに処理部隊として行動していた


 
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