賢者様が大好きだからお役に立ちたい〜俺の探査スキルが割と便利だった〜

柴花李

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第九話 回路調整

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 まどろみかけたところで突然ドアを叩かれて飛び起きた。性急なノックの音に気が急いて、緊急事態だろうかととにかくズボンだけ身に付けながら入室を促すと、エウフェリオが飛び込んでくる。
「オリンド、すみませんよく休むよう言っておきながら」
 ランプに火を灯しながら向けられた気遣わしげな顔に、オリンドは片手を振った。
「ぁえ、いや。だ、大丈夫……。え、ええと?」
 何事だろうかと不安そうな顔で見てくるオリンドの、その無防備な上半身に内心でどぎまぎしつつ、テーブルの上に畳まれたガウンを取って羽織らせると、エウフェリオはゆっくりと切り出した。
「……その、さきほどみんなで話し合った結果、貴方の魔力回路を調整してはどうかという結論が出まして」
「……魔力……回路?」
 おっかなびっくり袖を通しつつこくりと首を傾げるその様子に、やはり推測通りギルドの説明や指導を受けていないことが窺い知れる。当たってほしくない予想だったのだが。
「ええ。本来ならば、最初のギルド登録時に説明を受けるものですが、……受けていない、ですね?」
「えっ、……うん。ええと、これくらいの、薄い本ならもらった、けど……」
 これくらい、とオリンドが胸の前あたりで指を広げて作った手帳程度の四角形は、まさに初心者に向けてギルドが用意した簡易手引書の大きさを示していた。
「その、……でも、お、俺もバッツたち……あっ、幼馴染たちも、文字、読めなくて……それで、仕舞い込んでそのまま……」
 おそらく失くしてしまったのだろう。申し訳なさそうな表情をするその肩を、エウフェリオはそっと両手で包み撫でて宥める。
「そうなってしまうでしょうね。ギルドの怠慢が悪いんですから、そんな顔をしなくていいんですよ。では、やはり回路を整えることを教えてもらえないまま、酷使することになってしまったんですね……」
「う、うん? ……そう、いうことに……な、なる、の、か」
 そうか。賢者様の言う通りなら、俺はギルドから説明を端折られて……でも、文字さえ読めていたら……。
「そういうことになるんです。字が読めない冒険者など珍しくもないというのに、貴方が字を読めないということを確認もせず、口頭による説明も無しに冊子だけ渡して……。貴方、ギルドが運営する無料の訓練所の話も聞かされていないでしょう?」
「えっ!? そ、そんなのあるの!?」
 悉く予想通りで辛い。胃の腑の煮える思いを飲み込んで、エウフェリオは続けた。
「……あるんです。魔法を使う冒険者は、初心のうちにその訓練所で扱いや回路の調整方法を学ぶものなんです。……でなければ、魔力の仕組みや不足の前兆も知らずに、今日の貴方のように命を落としかけてしまうんですから」
 実際、魔法を使用する者が一人で冒険を行い、魔力不足で死ぬ案件が後を絶たなかったからこそ設立された訓練所だ。そんな背景を持って生まれた施設の意義を、当のギルドが無為なものにするとは何事か。それも、ただ彼が探査以外にスキルが無いという理由だけで。そんな環境でどれほど無下な扱いを受け、心折られ続けてきたことか。
「い、いのっ……俺、し、死にっ、死にかけた、の? ……そっ……そんな、め、めぃ」
「迷惑をかけたなどと言うつもりなら許しませんよ」
 だからこんなにも萎縮し、自分の命すら、オリンドは軽く扱ってしまうのだ。
「あっ……う……」
「そもそも悪いのは貴方が最初に登録を行ったそのギルドの対応だと言っているでしょう。……ああ、いえ、こんな話をしにきたのでは無いんです。今のままスキルを使い続けるのは危険です。貴方さえ良ければ、回路の調整をしませんか? オリンド」
「……う、ん。……えっと、その、回路のちょ、調整? て、どういう……?」
「っ、それ、なんですが……」
 突然口ごもったエウフェリオは、口元を片手で覆うとしばし視線を彷徨わせた。それから、長いこと立ち話をしていたとオリンドをベッドに座らせ、自分もその隣に腰を落ち着ける。
「ええ……と。具体的にはですね」
「うん」
「まずはお互いの回路を同調させて、その後に扱い慣れた者から習う者の回路へ魔力を流す。その感覚と同じように魔力を返す。これを繰り返して出力量と流し方の調整感覚に慣れたら、今度は同程度の魔力を交換し合う、ということをするのですが……」
「ふむ」
「これが初心のうちなら肌と肌を……そうですね、手のひら程度の面積で直接合わせて通せば済むのですけれども……」
 実際に左右の手のひら同士をくっつけたエウフェリオの長い指先を見ながら、オリンドは確認するように呟く。
「……初心のうちなら」
「ええ。そう。初心のうちなら。回路が固まっていないので、一部を使って上手な通し方を覚えれば、あとは全身の回路を自分で整え成熟させていけるもの、なんですが……」
 それにつけても次の言葉までの間が長い。どうしたことだろう、そんなに難しいことを言っているわけでもないのに。もしかして俺は自分で思うより頭が悪そうに見えるのだろうか。などということを考えたオリンドは、理解していることを示すためにもこの後に来るだろう説明の見当を口にした。
「……が。……俺は、長年変に使ってるから、へ、変なふうに回路が固まってて、いちぶ、一部じゃ難しい、ってこと?」
「その通りです」
 肯定してからまたしても黙り込む。何故だろうと考えたオリンドはそこでようやく気付いた。
「あっ……えっと、た、た、たくさん……広い範囲、で、肌を合わせないと……?」
「……っ、そう、です。……その、最低でも上半身は全て……ですので、調整役が私でも良ければ、ということに……」
 なる、の、ですが。言葉を続けることはできなかった。言葉を失って口元を両手で覆い、それはそれはもう真っ赤になって必死に顔を逸らすその小刻みに震える姿を見てしまっては。
「……オリン……ド?」
 名を呼べば大仰なくらい肩が跳ね上がった。ただの羞恥とは確実に異なる反応に、まさか。という言葉がエウフェリオの脳裏に飛来する。
 まさか。もしや、貴方の憧れとは。
 思い至ればもう止められなかった。気付けばオリンドを掻き抱いていた。
「……っ、け、けん……じゃ、さまっ……」
 腕の中で感極まった声を上げた次の瞬間には、彼はあられもなく泣き出していた。
 こうして抱き締めてみると、改めてなんと細い体であることか。それは取りも直さず彼の人生が苦難の連続であったということを現している。
 その苦難に削られて細くなった肩を大きく震わせ、押し潰して潰して小さく小さく固めて諦めてきた想いを吐き出すように、止まることのない嗚咽をエウフェリオはじっと受け止める。
「……っ、う……っご、ごめんなさい……は、恥ずかしいところ、を」
 小一時間も過ぎる頃、涙と鼻水に塗れた顔を、ガウンの袖で拭うのが躊躇われたのか手の甲で擦るオリンドの腕を取り、エウフェリオは自らの袖で拭った。
「うあっ、ちょっ、よご、汚れるっ」
「汚れたりなんかしません。濡れるだけです」
「だ、駄目だって、はな、鼻水とかっ、きたな、汚いっ、から!」
「やめろと言うなら貴方だって『賢者様』呼びをやめてくださいね」
「ふはっ!?!?」
 指摘された彼は伸び上がるように跳ねて固まる。笑いを堪えるのに一苦労する素っ頓狂さだ。
「私にはエウフェリオという名がありますから」
「っじゃ、なくてっ! お、俺、け、けん、けんじゃ、賢者様呼び、く、口にし、したっ!?」
「……っふ! しましたしました」
 あまりの慌てっぷりにとうとうエウフェリオは吹き出す。胸元まで真っ赤にしたオリンドは布団に突っ伏した。
「っあ~!!」
「はいはい。もうそろそろ夜も遅いんですから、静かにしましょうね。……さ。落ち着いたなら回路の調整をしますよ」
 軽く背を叩くと手の平にびくりとした振動が返ってくる。そして急速に上がる体温。
「……お、落ち、落ち着か、落ち着かない。無理。け、けん……ちが、え、えう、え、ええう、エウ……っフェリ……オっ、とっ、肌合わすなんてっ! おお落ち着くの無理っ! 死ぬ寄りの無理っ!」
「死ぬ寄りなら死んでしまうよりマシでしょう。次の依頼でまた倒れたらどうするんですか」
「うっ……」
 痛いところを突かれた。確かにこのままでは最後の依頼でまた迷惑をかけることになる。
 それはオリンドにとって何より恐ろしいことだった。大角熊の突進を目の当たりにしたときよりも心を竦みあがらせて、ゆるゆると起き上がる。
「……っ、う……お、お願い、します……」
「はい。では、上を脱いで、気持ちを落ち着けてくださいね」
 無理なことを仰る。けっ、賢者様が! 上着を脱ぎながら無理なことを仰る……!っああ~なにその綺麗な肌、絶対俺とは違う生き物だ。……ダメだ見てたら頭爆発する。
 内心で吐血したオリンドは努めて視線を逸らしつつそろそろとガウンを脱いだ。丁寧に畳み直してベッドの端に置く。そのまま極めてゆっくりと振り返ると、にこやかなエウフェリオが両手を広げていた。
 ええ、と。そこに、抱き付きに来い、と、仰る。……無理、死ぬ!
「オリンド」
 これは駄目か。判断したエウフェリオは距離を詰めると包むようにオリンドを抱き込み、そっと肌を合わせた。
「はわっ! わわ……ぁうわ!?」
 柔らかで滑らかな肌の感触に一瞬心臓が破裂しかけたものの、続いて訪れた魔力の感触に息を呑んだ。なんという心地よさか。
 先ほど言っていた同調を行っているのだろう。少しずつ少しずつ、優しさを伴ってエウフェリオの魔力が浸透してくる。これが回路を上手く使うということなのだと気付いたオリンドは、触れた肌から体内に向けて流れ込んでくる感覚を、感動のあまり羞恥も言葉も思考も忘れて夢中で追いかけた。
「……いかがですか?」
 ややあってかけられた声に、はっと顔を上げると深く真剣味を帯びた笑みとかち合う。
「……す、ごい……こんな、撫でるみたいなの知らない……。俺がふだ、普段、使うときは、えっと、もっとザラザラした感触になる」
「ふむ。では、一度普段の感覚のまま返してみてください。少しでも気怠さや吐き気、血の気の引くような感覚……額が冷えたり、指先が冷えたりなどですね。それがあったら魔力不足の前兆です。即座に中断してください」
 指示すると確かに未調整回路特有の粗砂が這うような感触で、体外へ向かう無駄な回路の全てから溢れさせつつも魔力が流れ込んできた。だが、驚くことに初めてであるにも関わらず、渡した分と変わらない量を返される。
 大抵は操作が覚束ず、使用すべきでない回路から流れ出る分を差し引いた使用量の計測もできずに、三割から五割ほども誤差が出るものだ。特に魔力を使い果たした直後の身なら尚更、無意識に自己の不足を補おうとして過小に留まるものだが、この正確さには舌を巻くしかない。
「……素晴らしいですよオリンド。この分なら今から魔力の受け渡しを行なってもよさそうです。初めてで同程度の魔力を返してこられるとは……。貴方よほど普段から研鑽を積んでいますね?」
「んえ? ……あ、いや、研鑽……てほどでも……。が、ガキの頃から毎日指遊び、してて。その、何にも無い、村だったから……」
「指遊び?」
 聞くと一旦胸元を離したオリンドは両手の指をくっつけて、それから何本も入れ替える、緊張時に見せるいつもの癖をやってみせた。
「これ、ゆ、指、入れ替えてくっつけた時に、全身に魔力を一周させる、やつ」
「なんて?」
「え……っ、あの、だから……」
「子供の頃から!? 貴方、子供の頃からこんな高等技術を……遊び!? 遊びとして!? ……いったい、なにをどうしたらこんなことを思い付いて……」
 遊びだなどと、とんでもない。オリンドが今言った行為は体内魔力循環法と呼ばれるもので、歴とした魔力操作力向上と魔力量増幅のための訓練方法だ。エウフェリオの故郷キルタンサスにある世界最難関の高等技術魔法学校でも取り入れられているが、その難しさから習得できる生徒はほんの一握りに留まる。それを幼い頃から手遊びに、果ては緊張を解すための癖にまでしてしまうとは、もはや意味がわからない。
「と……お、親父から、おし、教えてもらった、んだ、けど」
「お父上に感謝を。今こうしてオリンドがこれだけの技術と魔力量を持って私たちの前に現れてくださったのは天にまします貴方様のおかげ」
「大袈裟な」
「大袈裟なものですか。……親御さんはどこでこの技術を?」
 世界各地で推奨されてはいるものの、先に述べた通り最高峰の魔法学校ですら習得できるものは限られるのだから、おのずと教えられる者も少ないはずだが。
「えっ? ……えーと……昔……俺が産まれる前、に、冒険者をし、してたらしくて。えー……どこだっけ、せ、世界一の魔法学校のある……」
「もしやキルタンサス……?」
「そ、そこ、だった、かな? ……たぶん。そこ、で知り合った人から、お、教えてもらったとか、滅茶苦茶に酔っ払ったときに、そんな昔話して、けど自分じゃついぞ、できなかったから、もし万が一俺にできたら親父の、ええと、俺が欲しがってたけ、剣をやるって」
「お父上」
「できてもくれなかったけど」
「お父上……!」
「まりょ魔力なんか見えないのをいいことに、できたって言ってんだろ、とか、す、すっごく拗ねて言われた」
「……っぷは」
「あっはは」
 おや。と、エウフェリオはクスクス笑いながら嬉しく思った。
 初めてオリンドの笑顔を見た瞬間だった。
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