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第5章 期待
第25話 相談
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◆Side アイリス◆
「アイリス、おはよう。急で申し訳ないんだけど、今度の競技会に出ない?」
朝早くシメイが現れたと思ったら、いきなりそんなことを聞いてきた。
「え?暫く出ないって言ってなかった?」
確か、彼は、また私を買いたいという人が現れないように、暫く競技会には出ないと言っていたはずだ。
「そうなんだけど、実は次の競技会の開催される所は、魔力が高いかも知れないんだ。」
「そうなの!?」
「確証はないんだけど……。」
「でも、可能性があるのなら、行ってみたいわ。」
シメイが去った後、もしそこが本当に魔力が高い場所だった場合について考えてみた。
目的だったアイテムボックスからお金を取り出すことはできるのか?
テレポートは……ダメか。
もしそこでテレポートポイントを設定値できたとしても、それ以外の所からテレポートできないから意味がない。
そうだ!もしかしたら、身体能力が上がるかも知れない。
そうだとすると、抑えないと運動が不自然になるかも知れない。
興奮して色々と思いを巡らせてしまったが、冷静に考えるとそこまで魔力の高さは期待できないのではないかと思う。
シメイも確信はないと言っていたし、あまり過度な期待はしないようにしよう。
◆Side 紫明◆
僕は箕島と会った翌日の朝、アイリスに話をしに行った。
「アイリス、おはよう。急で申し訳ないんだけど、今度の競技会に出ない?」
「え?暫く出ないって言ってなかった?」
競技会でアイリスの良さをわかってもらえるのは嬉しいことだけれども、もしかしたら、また彼女を買いたいという人が現れるかも知れない。
だから、競技会には暫く出ないつもりだったし、彼女にもそう告げていたのだ。
「そうなんだけど、実は次の競技会の開催される所は、魔力が高いかも知れないんだ。」
「そうなの!?」
「確証はないんだけど……。」
彼女の食い付きが予想以上だったので、慌ててそう付け加えた。
あまり期待されると、それが外れた時のショックが大きくなる。
「でも、可能性があるのなら、行ってみたいわ。」
彼女のその言葉で、僕は競技会への出場を決めた。
林藤先輩に競技会に出る意思を伝えると、彼女は一瞬少し意外そうな顔をした後、嬉しそうな顔になった。
彼女も、僕が競技会に出るのを躊躇している理由に気付いていたのだろう。
ちなみに、今回は出場する課目のレベルは控え目にした。
僕は出場しなくても、手伝いとして競技会場に行けるが、アイリスは出場しないなら居残りになるから、仕方なく出場するだけなのだ。
その分、上位に入る可能性も上がってしまうが、レベルが低い課目ならそう目立たないだろう。
まあ、今回は競技の成績は正直どうでも良い。
重要なのは、本当にそこが魔力が高い場所で、アイリスがお金を取り出すことができるかどうかだ。
「アイリス、おはよう。急で申し訳ないんだけど、今度の競技会に出ない?」
朝早くシメイが現れたと思ったら、いきなりそんなことを聞いてきた。
「え?暫く出ないって言ってなかった?」
確か、彼は、また私を買いたいという人が現れないように、暫く競技会には出ないと言っていたはずだ。
「そうなんだけど、実は次の競技会の開催される所は、魔力が高いかも知れないんだ。」
「そうなの!?」
「確証はないんだけど……。」
「でも、可能性があるのなら、行ってみたいわ。」
シメイが去った後、もしそこが本当に魔力が高い場所だった場合について考えてみた。
目的だったアイテムボックスからお金を取り出すことはできるのか?
テレポートは……ダメか。
もしそこでテレポートポイントを設定値できたとしても、それ以外の所からテレポートできないから意味がない。
そうだ!もしかしたら、身体能力が上がるかも知れない。
そうだとすると、抑えないと運動が不自然になるかも知れない。
興奮して色々と思いを巡らせてしまったが、冷静に考えるとそこまで魔力の高さは期待できないのではないかと思う。
シメイも確信はないと言っていたし、あまり過度な期待はしないようにしよう。
◆Side 紫明◆
僕は箕島と会った翌日の朝、アイリスに話をしに行った。
「アイリス、おはよう。急で申し訳ないんだけど、今度の競技会に出ない?」
「え?暫く出ないって言ってなかった?」
競技会でアイリスの良さをわかってもらえるのは嬉しいことだけれども、もしかしたら、また彼女を買いたいという人が現れるかも知れない。
だから、競技会には暫く出ないつもりだったし、彼女にもそう告げていたのだ。
「そうなんだけど、実は次の競技会の開催される所は、魔力が高いかも知れないんだ。」
「そうなの!?」
「確証はないんだけど……。」
彼女の食い付きが予想以上だったので、慌ててそう付け加えた。
あまり期待されると、それが外れた時のショックが大きくなる。
「でも、可能性があるのなら、行ってみたいわ。」
彼女のその言葉で、僕は競技会への出場を決めた。
林藤先輩に競技会に出る意思を伝えると、彼女は一瞬少し意外そうな顔をした後、嬉しそうな顔になった。
彼女も、僕が競技会に出るのを躊躇している理由に気付いていたのだろう。
ちなみに、今回は出場する課目のレベルは控え目にした。
僕は出場しなくても、手伝いとして競技会場に行けるが、アイリスは出場しないなら居残りになるから、仕方なく出場するだけなのだ。
その分、上位に入る可能性も上がってしまうが、レベルが低い課目ならそう目立たないだろう。
まあ、今回は競技の成績は正直どうでも良い。
重要なのは、本当にそこが魔力が高い場所で、アイリスがお金を取り出すことができるかどうかだ。
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