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第三話「進化する生命」
第一章「見知らぬ旧友」・①
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◆第一章「見知らぬ旧友」
「わぁっ! 流れ星だ!」
──今日もまた、夢を見ている。
「ねぇ知ってる? 流れ星って、隕石なんだよ!」
記憶を失って目覚めてから、毎晩毎晩、何千回と繰り返されている日課──
朝になれば太陽が昇るように、夜眠ればこの夢を見る。それが僕にとっての日常だった。
『へぇ、そうなの』
夢の最後でクロの声が聞こえたあの夜の後・・・
自称・妖精と出会ったり、拾った動物が人間になったり、新しい怪獣が現れたり・・・激動の数日が過ぎた。
「夜空の星って、ずーっと昔の光が届いてるんだよ!」
・・・それでも、この時間、この夢だけはやっぱり変わる事がない───
『へぇ、そうなの』
────そう、思っていた。
「ちょっとハヤト! その話、前にも聞いたわよ!」
─────ッ⁉
「■■■■ちゃんには確かに話したけど・・・」
聞いた事のない少女の声が僕の名前を呼び、夢の中の僕も当然のようにその声に答える。
・・・・・・なんだ? なんだこれ・・・?
初めて見るシーンだ・・・ッ‼
「ハヤトの話にはバリエーションがないのよね! いっつも星の話ばっかだし」
「あはは・・・ごめんね■■■■ちゃん・・・」
「男ならすぐ謝らないっ!」
ぷりぷりと怒っている少女・・・しかし、彼女に呼びかける僕の声にはノイズがかかって、その名前を聞き取る事が出来ない。
「もうっ! ハヤトにはしっかりしてもらわないと困るんだからっ! 私の・・・その・・・」
僕と手をつなぎ、隣で佇む女性の向こう側──
その少女の姿だけでも見ようとして、夢の中で、何とかもがく。
しかし、なかなかその姿を捉える事ができない。
「私の・・・なに・・・?」
「なっ、何でもないったら!」
そこで幼い頃の僕が、首を傾げ、女性の向こう側に、視線を向けた───
その先にいたのは────紅い──髪の少女───
「────ハヤトさんっ‼」
「ッッ‼」
呼ばれて、息を切らしたまま、目が醒める。
カーテンから差し込む朝の光でぼやけた視界の中に、こちらを心配そうに見つめ、今にも泣きそうな──いや、既に涙を浮かべている──女性の顔が、あった。
「・・・お、おはよう・・・クロ・・・」
心臓がバクバクと暴れている。汗でびっしょりと濡れた寝間着が肌に張り付いている。
今の夢は・・・一体・・・・・・夢の途中で起こされて、最後まで見れない事はこれまでだって何度かあったけど・・・今日に限っては、出来る事なら最後まで見たかった。
とはいえ、自分の今の状態を鑑みるに、魘されていたに違いない。クロはきっと心配して起こしてくれたんだ。
その心遣いは、純粋に嬉しかった。
「ハヤト・・・さん・・・うっ・・・ひぐっ・・・」
真上にあるクロの瞳から、僕の顔へと涙の粒が落ちてきて───
「って熱ッ‼ あっつッッ‼」
淹れたてのホットコーヒーをこぼしてしまった時の、あの感覚──それが今、僕の顔面を襲っていた。
恥ずかしがるだけでヒーター並みの熱を身体から発するクロ。
そんな彼女の涙が、人間のように生易しい温度なわけはない。
慌ててローリングし、投下される爆弾から身をかわして起き上がった。
「えぐっ・・・わ、わたっ・・・は、ハヤトさ・・・まだ・・・いなぐな・・・っでぇ・・・」
「く、クロッ! だ、大丈夫! 大丈夫だから、僕元気‼ 元気だから‼ ねっ⁉」
黙っていれば凛々しく美しいその顔が、まぁもう跡形もない程にくしゃくしゃだ。
いや。ここはね? オトコなら抱きしめて安心させる場面なのはわかってるんだよ?
でもね? この距離でも感じるんです。熱を。
抱きしめようものなら、僕が朝ごはんになってしまうのは間違いない。
「見て! ピンピンしてるでしょ⁉ えっと・・・ほら、ライズマンキックっ!」
近づかないまま(ここが重要)、元気である事をアピールしようと、その場でジャンプして飛び蹴りの動きを見せてみる。
すると、そんな僕の姿を見たクロの涙が止まった。
「! す、すごいです・・・!」
真っ直ぐに見つめられたまま褒められると、悪い気はしない。
最近になってようやく、クロと目が合う事が多くなってきた。それでも日に3回程度だけど。
「あ、あのっ・・・ら、ライジング・・・フィストは・・・?」
「えっ? あっ、やったほうが良い?」
クロはブンブンと縦に頭を振る。風が起きそうな勢いで。
練習では散々やってるんだけど、ハルと違って「面」と向かってお願いされる事が少ないので、何だかくすぐったい。
「そ、それじゃあ・・・」
「あっ・・・ちょっと・・・待って下さい・・・!」
クロは正座した状態からすっくと立ち上がり、棚の上に置いてあるライジングアームのレプリカを手に取った。
ライズマンステージを開催している「ワンダーシアター」の物販で売っているものだ。税込み1980円。ボタン電池入り。
「お、お願いしますっ・・・!」
慣れた手付きで、右手にそれを装着する。子ども用なので、ゴムがだいぶ弛んでいる。
「え、ええと・・・じゃあ、やるね・・・?」
キラキラした目を向けてくれるのは嬉しいんだけど、何だかとても恥ずかしい。
でもやるからには真剣に──そう思って予備動作に入り───
「あっ・・・・・・」
そこで、突然クロがしゅんとしてしまう。
えっ⁉ なんで⁉ ・・・・・・いや待て・・・・・・まさか・・・・・・
「・・・・・・か、会場のみんな・・・ら、ライジングアームを掲げてくれ~・・・」
「ッ‼」
しょんぼりした顔が跳ね起きて、鼻息荒く右手を突き出してくれる。
・・・仕事場に頻繁に連れてくのが躊躇われて、代わりに昔のステージの録画を見てもらってたんだけど・・・
そろそろ連れて行った方が良いのかな・・・ここまでやらせるくらいだし・・・・・・
「あ、ありがとう・・・! み、みんなの輝きが今・・・私の拳に・・・光を宿してくれた・・・」
本来、ライズマンの声はハルが当てている。
ついでに言えばルナーンとナイトメアを始めとする敵の声も全てハルの声。昔は声優を目指していただけあって、器用なのだ。
「声優はとにかく大変」というネットの情報を鵜呑みにして、早い段階で挫折してしまったけど。
というわけで、僕自身には演技力なんてなく・・・タイミングを合わせるためにセリフは覚えてるけど、誰かに披露するなんて初めてだ。
しかも自室で。6畳の空間で。
「が、がんばって・・・ください・・・! ライズマンさん・・・!」
頬に紅を刺しながら、ぎりぎり聞き取れるか否かくらいの声量の応援が飛んでくる。
今僕が戦っているのは自分の羞恥心だけど。
「行くぞ・・・ルナーン・・・ライジング・・・フィストー・・・!」
その場でジャンプして、叩きつけるように拳を降ろしながら着地する。
一応、本番のつもりで動いたから、キレは悪くなかったはず・・・・・・
「~~っ!」
本当はここで効果音が鳴るタイミングで、クロの控えめながらも全力の拍手が聞こえてきた。
「かっ、かっこいい・・・です・・・! ホンモノは・・・すごいです・・・!」
「い、いえいえ・・・クロのには負けるよ・・・その・・・威力とか・・・」
こんなに褒められる事なんてなかなかないから、恥ずかしいけど嬉しいかも・・・。
思わず頭の後ろをかいたのと同時───
「・・・・・・終わったか?」
ドアが開いて、父さんが顔を出した。
「・・・・・・・・・・・・うん」
今度は、僕が泣きそうになる番だった。
視界の淵で、大爆笑してる妖精が見えた。
「わぁっ! 流れ星だ!」
──今日もまた、夢を見ている。
「ねぇ知ってる? 流れ星って、隕石なんだよ!」
記憶を失って目覚めてから、毎晩毎晩、何千回と繰り返されている日課──
朝になれば太陽が昇るように、夜眠ればこの夢を見る。それが僕にとっての日常だった。
『へぇ、そうなの』
夢の最後でクロの声が聞こえたあの夜の後・・・
自称・妖精と出会ったり、拾った動物が人間になったり、新しい怪獣が現れたり・・・激動の数日が過ぎた。
「夜空の星って、ずーっと昔の光が届いてるんだよ!」
・・・それでも、この時間、この夢だけはやっぱり変わる事がない───
『へぇ、そうなの』
────そう、思っていた。
「ちょっとハヤト! その話、前にも聞いたわよ!」
─────ッ⁉
「■■■■ちゃんには確かに話したけど・・・」
聞いた事のない少女の声が僕の名前を呼び、夢の中の僕も当然のようにその声に答える。
・・・・・・なんだ? なんだこれ・・・?
初めて見るシーンだ・・・ッ‼
「ハヤトの話にはバリエーションがないのよね! いっつも星の話ばっかだし」
「あはは・・・ごめんね■■■■ちゃん・・・」
「男ならすぐ謝らないっ!」
ぷりぷりと怒っている少女・・・しかし、彼女に呼びかける僕の声にはノイズがかかって、その名前を聞き取る事が出来ない。
「もうっ! ハヤトにはしっかりしてもらわないと困るんだからっ! 私の・・・その・・・」
僕と手をつなぎ、隣で佇む女性の向こう側──
その少女の姿だけでも見ようとして、夢の中で、何とかもがく。
しかし、なかなかその姿を捉える事ができない。
「私の・・・なに・・・?」
「なっ、何でもないったら!」
そこで幼い頃の僕が、首を傾げ、女性の向こう側に、視線を向けた───
その先にいたのは────紅い──髪の少女───
「────ハヤトさんっ‼」
「ッッ‼」
呼ばれて、息を切らしたまま、目が醒める。
カーテンから差し込む朝の光でぼやけた視界の中に、こちらを心配そうに見つめ、今にも泣きそうな──いや、既に涙を浮かべている──女性の顔が、あった。
「・・・お、おはよう・・・クロ・・・」
心臓がバクバクと暴れている。汗でびっしょりと濡れた寝間着が肌に張り付いている。
今の夢は・・・一体・・・・・・夢の途中で起こされて、最後まで見れない事はこれまでだって何度かあったけど・・・今日に限っては、出来る事なら最後まで見たかった。
とはいえ、自分の今の状態を鑑みるに、魘されていたに違いない。クロはきっと心配して起こしてくれたんだ。
その心遣いは、純粋に嬉しかった。
「ハヤト・・・さん・・・うっ・・・ひぐっ・・・」
真上にあるクロの瞳から、僕の顔へと涙の粒が落ちてきて───
「って熱ッ‼ あっつッッ‼」
淹れたてのホットコーヒーをこぼしてしまった時の、あの感覚──それが今、僕の顔面を襲っていた。
恥ずかしがるだけでヒーター並みの熱を身体から発するクロ。
そんな彼女の涙が、人間のように生易しい温度なわけはない。
慌ててローリングし、投下される爆弾から身をかわして起き上がった。
「えぐっ・・・わ、わたっ・・・は、ハヤトさ・・・まだ・・・いなぐな・・・っでぇ・・・」
「く、クロッ! だ、大丈夫! 大丈夫だから、僕元気‼ 元気だから‼ ねっ⁉」
黙っていれば凛々しく美しいその顔が、まぁもう跡形もない程にくしゃくしゃだ。
いや。ここはね? オトコなら抱きしめて安心させる場面なのはわかってるんだよ?
でもね? この距離でも感じるんです。熱を。
抱きしめようものなら、僕が朝ごはんになってしまうのは間違いない。
「見て! ピンピンしてるでしょ⁉ えっと・・・ほら、ライズマンキックっ!」
近づかないまま(ここが重要)、元気である事をアピールしようと、その場でジャンプして飛び蹴りの動きを見せてみる。
すると、そんな僕の姿を見たクロの涙が止まった。
「! す、すごいです・・・!」
真っ直ぐに見つめられたまま褒められると、悪い気はしない。
最近になってようやく、クロと目が合う事が多くなってきた。それでも日に3回程度だけど。
「あ、あのっ・・・ら、ライジング・・・フィストは・・・?」
「えっ? あっ、やったほうが良い?」
クロはブンブンと縦に頭を振る。風が起きそうな勢いで。
練習では散々やってるんだけど、ハルと違って「面」と向かってお願いされる事が少ないので、何だかくすぐったい。
「そ、それじゃあ・・・」
「あっ・・・ちょっと・・・待って下さい・・・!」
クロは正座した状態からすっくと立ち上がり、棚の上に置いてあるライジングアームのレプリカを手に取った。
ライズマンステージを開催している「ワンダーシアター」の物販で売っているものだ。税込み1980円。ボタン電池入り。
「お、お願いしますっ・・・!」
慣れた手付きで、右手にそれを装着する。子ども用なので、ゴムがだいぶ弛んでいる。
「え、ええと・・・じゃあ、やるね・・・?」
キラキラした目を向けてくれるのは嬉しいんだけど、何だかとても恥ずかしい。
でもやるからには真剣に──そう思って予備動作に入り───
「あっ・・・・・・」
そこで、突然クロがしゅんとしてしまう。
えっ⁉ なんで⁉ ・・・・・・いや待て・・・・・・まさか・・・・・・
「・・・・・・か、会場のみんな・・・ら、ライジングアームを掲げてくれ~・・・」
「ッ‼」
しょんぼりした顔が跳ね起きて、鼻息荒く右手を突き出してくれる。
・・・仕事場に頻繁に連れてくのが躊躇われて、代わりに昔のステージの録画を見てもらってたんだけど・・・
そろそろ連れて行った方が良いのかな・・・ここまでやらせるくらいだし・・・・・・
「あ、ありがとう・・・! み、みんなの輝きが今・・・私の拳に・・・光を宿してくれた・・・」
本来、ライズマンの声はハルが当てている。
ついでに言えばルナーンとナイトメアを始めとする敵の声も全てハルの声。昔は声優を目指していただけあって、器用なのだ。
「声優はとにかく大変」というネットの情報を鵜呑みにして、早い段階で挫折してしまったけど。
というわけで、僕自身には演技力なんてなく・・・タイミングを合わせるためにセリフは覚えてるけど、誰かに披露するなんて初めてだ。
しかも自室で。6畳の空間で。
「が、がんばって・・・ください・・・! ライズマンさん・・・!」
頬に紅を刺しながら、ぎりぎり聞き取れるか否かくらいの声量の応援が飛んでくる。
今僕が戦っているのは自分の羞恥心だけど。
「行くぞ・・・ルナーン・・・ライジング・・・フィストー・・・!」
その場でジャンプして、叩きつけるように拳を降ろしながら着地する。
一応、本番のつもりで動いたから、キレは悪くなかったはず・・・・・・
「~~っ!」
本当はここで効果音が鳴るタイミングで、クロの控えめながらも全力の拍手が聞こえてきた。
「かっ、かっこいい・・・です・・・! ホンモノは・・・すごいです・・・!」
「い、いえいえ・・・クロのには負けるよ・・・その・・・威力とか・・・」
こんなに褒められる事なんてなかなかないから、恥ずかしいけど嬉しいかも・・・。
思わず頭の後ろをかいたのと同時───
「・・・・・・終わったか?」
ドアが開いて、父さんが顔を出した。
「・・・・・・・・・・・・うん」
今度は、僕が泣きそうになる番だった。
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