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ディノル
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「おにいちゃん痛そう、だいじょうぶ?」
そう言って駆けていく奏に、え、と声を漏らして付いて行く。
路地裏からそろ~っと覗き込めば、胸から血を流す光陰がいて。
「手前が千切ってどうすんだよッ!?」
――いや、落ち着け。光陰のピンクはまだ健在だ。稲が歯を立てただけだろう。何の解説だ。
息を荒くして、びくびくと陸に打ち上げられた魚のように震えている光陰を避けながら、稲の背後に隠れる。
「何してるんだ」
「それはこっちの台詞だ」
「ずっと見てただろう楽ド。嫉妬なんかしなくていいさ。私は君だけを……あ、愛して……る、から……」
「少し黙ってろ。ややこしくなる」
正に骨抜きにされている光陰を観察していると、ふと視線を感じて稲を見る。奴は楽ドの胸をじっと見つめていた。
「楽ド、頼みがあるんだが。君の乳を吸――」
「何かしたら二度とお前とは口聞かないからな……」
「……何でもない」
自分でもびっくりする位の低い声が出た。
骨抜きにされた光陰を恐れたのは、稲さんのキスで同じようにされた自分に類似して見えたからだろう。
「光陰。もういいのか?」
よくこんな姿にした張本人が普通に話し掛けられるよな。見習いたい位だ。
「だ、大丈夫ら」
「ボリュームを求めるならセイナに頼めばいいんじゃないか?」
「はああ!?」
「はえ? セイナさんの胸なら、さっき触ったけど。戦闘中に事故で。それがあんまりにも柔らかかったから、なんか、もっかい触りたくて」
でも頼めないから代わりに稲の胸を触ってみたと。スケべなこと考えるからスケべなことされたんだお前は。
「なら妹の胸を揉め」
「何つーこと言うんだ手前は!?」
「そだな。将来おっきくなるかもだし」
「賛成。揉め」
楽ドは即座に決断を下した。奏はその会話を不思議そうに聞いていた。
「もめ? かもめ? かもめさんがどうかしたの? め、かもめ、もめ、かめも、かめ? かめさん好き!」
ごめん。奏。楽ド兄ちゃんも光陰兄ちゃんも大きな胸が好きなんだ。
「だが、セイナの胸はそんなに良かったのか? 気になるな。試してくるか」
「おい待てお前、ナチュラルに何言ってんだ」
「ちゃんと許可は取る」
「どう取る気なんだよ!?」
揉ませて下さいとでも言うのか。
「セイナ、胸を揉ませろ」
命令口調かよ。て言うか大人組勢揃いじゃねえかよ。茶飯なんか俺と同じ顔してんじゃねえか。顎がガクガクしてらぁ。
「いいいい稲貴様何を言っているのだ! ふ、ふざけるのも大概にしろ! いい訳がないだろう!」
「落ち着け茶飯。私は構わない」
「え」
この場にいて反応しないのはオルトシアと稲だけだろう。
「い、いいんですか!?」
「自分で何を言っているのか分かっているのですかセイナさん!?」
「ああ。分かっているとも」
セイナさんは稲の手を取って自分の胸に触れさせた。たゆんたゆんに揺れたそれを見て、楽ドと茶飯と光陰が真っ赤になって鼻血を流す中、流石のオルトシアも不思議そうに見ている。何だその胸が揺れる原理を考えているようなイヤらしさの欠片もない澄んだ眼差しは。
「これは子が生まれた時の為の授乳器に過ぎない。我が子が生まれだ時以外は役に立たない代物だ。お前は乳を知らない。興味があったんだろう。幾らでも触るといいさ」
稲の頭を引き寄せて胸に押し当てるセイナさん。なんてことだ。あの稲が死にかけている。
「ぷは、セイナ。やはり胸からは乳が出るのか? なら吸わせてくれ」
だから手前は常識外れも大概にしろ。
「構わないが、私には子がいないからな。乳は出ないんだ。すまない。もし私の乳が飲みたいのなら、オルトシアに私に子をはませる為の行為をしろと頼むといい」
珈琲を飲んでいたオルトシアが吹き出す。新しい反応だ。
「オルトシア、セイナに子を産んで貰ってくれないか」
「言った筈だぞ稲! 俺は女の人を好きになれない!」
「何故だ」
「それも言った筈だ! 俺は君が好きなんだ。君が女になれば好きになれる気がする……男でもいいから結婚してくれないかっ?」
このショタコン野郎。
「ちゅーしてもいーか? かわいい、いいよな? な?」
「ふざけるな。触るな」
稲さん相変わらず塩対応だな。
「セイナさんのような美しい女性に口説かれてもビクともしないとは、あんな変態の何処がいいのだ?」
「稲限定の変態だからな。と言うより稲の強さ限定っつうか……何つぅか。稲にさえ出会っていなければ、モテてたと思う」
「……そ、そうだな、稲に出会う前のあいつの知り合いだから言えることだが、結構モテていたよ。……妻も一時期あいつに惚れてた時があった」
何かいらぬ傷口を勝手にえぐりだし始めたらしい。茶飯はブツブツと呟き始めた。
稲を抱き締めて頬擦りし始める様を複雑な心境で眺める。稲の魔性には常識が通じないのだ。キスされた自分や胸を吸われた光陰にも言えることだ。あいつの綺麗な顔立ちを見ると、自分のされていることが幸運なことなのだと錯覚してしまう。
大変危険なタラシ野郎だ。
妹達もメロメロだし……。あいつだけは絶対に許さん。お兄ちゃん許さない。
「いなおにいちゃんおっぱいすきなの? さわっていいよ」
奏ちゃあああああん!?
「稲サマ。私の胸も揉むといい。です」
我が妹よおおおおおおお!?
「君たちは胸ないから必要ないな」
てんめえええええええええッ!? そこ代われえええええええええッ!!
妹達だって大きくなったら育つんだからな!
そう言って駆けていく奏に、え、と声を漏らして付いて行く。
路地裏からそろ~っと覗き込めば、胸から血を流す光陰がいて。
「手前が千切ってどうすんだよッ!?」
――いや、落ち着け。光陰のピンクはまだ健在だ。稲が歯を立てただけだろう。何の解説だ。
息を荒くして、びくびくと陸に打ち上げられた魚のように震えている光陰を避けながら、稲の背後に隠れる。
「何してるんだ」
「それはこっちの台詞だ」
「ずっと見てただろう楽ド。嫉妬なんかしなくていいさ。私は君だけを……あ、愛して……る、から……」
「少し黙ってろ。ややこしくなる」
正に骨抜きにされている光陰を観察していると、ふと視線を感じて稲を見る。奴は楽ドの胸をじっと見つめていた。
「楽ド、頼みがあるんだが。君の乳を吸――」
「何かしたら二度とお前とは口聞かないからな……」
「……何でもない」
自分でもびっくりする位の低い声が出た。
骨抜きにされた光陰を恐れたのは、稲さんのキスで同じようにされた自分に類似して見えたからだろう。
「光陰。もういいのか?」
よくこんな姿にした張本人が普通に話し掛けられるよな。見習いたい位だ。
「だ、大丈夫ら」
「ボリュームを求めるならセイナに頼めばいいんじゃないか?」
「はああ!?」
「はえ? セイナさんの胸なら、さっき触ったけど。戦闘中に事故で。それがあんまりにも柔らかかったから、なんか、もっかい触りたくて」
でも頼めないから代わりに稲の胸を触ってみたと。スケべなこと考えるからスケべなことされたんだお前は。
「なら妹の胸を揉め」
「何つーこと言うんだ手前は!?」
「そだな。将来おっきくなるかもだし」
「賛成。揉め」
楽ドは即座に決断を下した。奏はその会話を不思議そうに聞いていた。
「もめ? かもめ? かもめさんがどうかしたの? め、かもめ、もめ、かめも、かめ? かめさん好き!」
ごめん。奏。楽ド兄ちゃんも光陰兄ちゃんも大きな胸が好きなんだ。
「だが、セイナの胸はそんなに良かったのか? 気になるな。試してくるか」
「おい待てお前、ナチュラルに何言ってんだ」
「ちゃんと許可は取る」
「どう取る気なんだよ!?」
揉ませて下さいとでも言うのか。
「セイナ、胸を揉ませろ」
命令口調かよ。て言うか大人組勢揃いじゃねえかよ。茶飯なんか俺と同じ顔してんじゃねえか。顎がガクガクしてらぁ。
「いいいい稲貴様何を言っているのだ! ふ、ふざけるのも大概にしろ! いい訳がないだろう!」
「落ち着け茶飯。私は構わない」
「え」
この場にいて反応しないのはオルトシアと稲だけだろう。
「い、いいんですか!?」
「自分で何を言っているのか分かっているのですかセイナさん!?」
「ああ。分かっているとも」
セイナさんは稲の手を取って自分の胸に触れさせた。たゆんたゆんに揺れたそれを見て、楽ドと茶飯と光陰が真っ赤になって鼻血を流す中、流石のオルトシアも不思議そうに見ている。何だその胸が揺れる原理を考えているようなイヤらしさの欠片もない澄んだ眼差しは。
「これは子が生まれた時の為の授乳器に過ぎない。我が子が生まれだ時以外は役に立たない代物だ。お前は乳を知らない。興味があったんだろう。幾らでも触るといいさ」
稲の頭を引き寄せて胸に押し当てるセイナさん。なんてことだ。あの稲が死にかけている。
「ぷは、セイナ。やはり胸からは乳が出るのか? なら吸わせてくれ」
だから手前は常識外れも大概にしろ。
「構わないが、私には子がいないからな。乳は出ないんだ。すまない。もし私の乳が飲みたいのなら、オルトシアに私に子をはませる為の行為をしろと頼むといい」
珈琲を飲んでいたオルトシアが吹き出す。新しい反応だ。
「オルトシア、セイナに子を産んで貰ってくれないか」
「言った筈だぞ稲! 俺は女の人を好きになれない!」
「何故だ」
「それも言った筈だ! 俺は君が好きなんだ。君が女になれば好きになれる気がする……男でもいいから結婚してくれないかっ?」
このショタコン野郎。
「ちゅーしてもいーか? かわいい、いいよな? な?」
「ふざけるな。触るな」
稲さん相変わらず塩対応だな。
「セイナさんのような美しい女性に口説かれてもビクともしないとは、あんな変態の何処がいいのだ?」
「稲限定の変態だからな。と言うより稲の強さ限定っつうか……何つぅか。稲にさえ出会っていなければ、モテてたと思う」
「……そ、そうだな、稲に出会う前のあいつの知り合いだから言えることだが、結構モテていたよ。……妻も一時期あいつに惚れてた時があった」
何かいらぬ傷口を勝手にえぐりだし始めたらしい。茶飯はブツブツと呟き始めた。
稲を抱き締めて頬擦りし始める様を複雑な心境で眺める。稲の魔性には常識が通じないのだ。キスされた自分や胸を吸われた光陰にも言えることだ。あいつの綺麗な顔立ちを見ると、自分のされていることが幸運なことなのだと錯覚してしまう。
大変危険なタラシ野郎だ。
妹達もメロメロだし……。あいつだけは絶対に許さん。お兄ちゃん許さない。
「いなおにいちゃんおっぱいすきなの? さわっていいよ」
奏ちゃあああああん!?
「稲サマ。私の胸も揉むといい。です」
我が妹よおおおおおおお!?
「君たちは胸ないから必要ないな」
てんめえええええええええッ!? そこ代われえええええええええッ!!
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