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ヤクザの演技は教えられても淫売の演技は教えてもらわなかっただろ。
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「つまり潜入捜査しろってことですか。」
テーブルを挟んだ向こう側に座っている神崎は、不機嫌な表情の霧野に対して一向に表情を崩さず無表情に続ける。
「つまりそういうことだ。お前が一番適任だというのが上の判断だ。お前以外にも既に潜ってるやつがいるから、ソイツから引き継ぎを受けろ。」
「体のいい左遷ではないですか?こんな誰もやりたがらないヤバい仕事、」
「ああ、この際はっきり言うが、左遷というのはあながち間違ってない。心当たりがあるだろ。お前、察しがよすぎるんだよ。お前が思ってる以上に警察組織は縦組織だ。お前のようにコネも無いくせに『自分の正義』でたてつきそうな人間は目をつけられやすい。あれだけ俺が遠回しに注意してやったのに、そういうところは察しが悪いよな。」
今まで表情を崩さなかった神崎が目だけで軽く笑ったことが余計に霧野の気に触った。神崎は続ける。
「俺が決めたわけじゃないんだ。そんな目で見るなよ。俺はお前のいい上司だっただろ。しばらくお別れになるが帰ってきた時の席は空けといてやるし、昇進にもなる。」
「……神崎さんだって俺みたく飛ばされてるかもよ。そうやって交互に飛ばされて一生会えなくなっても知らないですよ。」
神崎は今度はあからさまに顔を崩して笑って、俺たちは警察に向いてないかもなと冗談を返した。
「とはいえ、俺個人としては交通課に10年20年いかされるより余程お前の性にあっていると思ってるよ。上だってわざわざ適性もない無能を敵地に送り込んだりしないさ。ある意味評価されてるってことだ。」
「汚いな……」
「何か言ったか?」
「汚いんですよやり方が。」
「そういうところだよ。黙って『はい』というのが一番評価されるんだ。警察官は国家の犬なんて揶揄されるがそれ以前に上官どもの犬なんだ。奴らに気に入られたけりゃ、潔くいってとっとと成果を上げて帰ってこい。それが一番近道だ。お前なら上手くやれるよ。」
◆
「いい感じに仕上がってるじゃん。」
充電が切れて止まっていたエネマグラがおさまっていた場所に再び美里の指がいれられていた。
美里がいなくなってから、体感時間にして30分程度はあまりの快楽に声を荒げていたが、ある程度すると身体が刺激に慣れ、耐えられるレベルの快楽になった。
それでも時折高まる快感を抑えながら、充電が切れるのを待っていた。サイズから見積もってせいぜいもって3時間。それだけ耐えれば凌げると思っていた。
丁度充電が切れ、肩で息をしていたところに美里がひとりで戻ってきたのだった。
「こんなに音を立てて、すっかり使い込まれたマンコになってきたな。お前の性が根っからの淫乱だったとは。こんなもんじゃ物足りなくなっただろ。」
美里はエネマグラを手に持って視界から消えると、一回り大きなサイズのグロテスクなバイブレーターをもって戻ってきた。
「どうした?気持ちよかっただろ、もっと嬉しそうな顔してもいいんだぞ。」
「できるわけない、なぜこんなことをするんだ、こんなことをしても」
霧野の声は朝ほどに元気がなく、語尾が震えていた。
「なぜか?お前はそればっかりだな。お前の尊厳と人格を一番手っ取り早く破壊できるからだよ。お前が警官だったという事実は消せないが、その事実を後悔させ上から新しい人格を上書いてやることはできるかもしれねぇ。俺たちの言うことならばどんなことでも聞く犬に一から躾けなおして使えるようにしてやるんだ。お前のような奴には最も効果的な罰だ。」
美里は霧野に対し、気が高かったお前が裏切り者になった「おかげで」皆遠慮なくお前を嬲り物にできて気が晴れてるんだとは言わずに黙っていた。
「お前が今何考えてるかわかるぞ。喜んでチンポ咥える演技でもすれば解放されるとでも考えたんだろ。でも今のお前にはそんな演技はとても無理だな。ヤクザの演技は教えられても淫売の演技は教えてもらわなかっただろ。演技じゃなく本当にそうなってしまうしかないなぁ。」
美里は霧野のすぐ横に屈みこむと下着とは名ばかりのほとんどひも状の下着を指でをひっかけて横にずらし、エネマグラを抜いたばかりでひくついている穴の中にグロテスクな物体をゆっくりとねじこむ。奥まで入ったことを確認してから下着にかけていた指を外した。下着が食い込む衝撃で更に中に押し込まれたような感覚が霧野の身体を襲った。
「また動かしてもないのに声を出す。そいつはさっきのより充電の持ちもいいからな4,5時間はいけるぞ。」
美里は霧野の身体を抱え、より扉の近くへ引きずって移動させた。扉のほぼ目の前に移動すると美里は悔しそうに悶えている霧野を見下ろした。
「そんなに抜いてほしいか?、ソレ。」
霧野が黙ったままうなずくと、美里は霧野のすぐそばにしゃがみ込んで微笑んだ。
それから後ろ手にしていた手枷と足枷を外し自由にした。霧野は驚いた顔をして床に座り込んでいた。
「じゃあ、ここでソイツにケツマンコ掘られながら土下座して自分のしでかしたことを反省しな。扉の向こうに俺か川名さんが常に立ってると思い許しを請うといい。ビデオカメラつけておいてやるから、姿勢崩したり自分で抜いたりしたら後ですぐにわかるからな。それでお前の誠意が伝わってきたら抜いてやるよ。」
美里は立ち上がり、霧野を見下ろした。
「なんだ?その面は。お前に拒否権はないんだよ。自分が嬲り殺されていないことをありがたく思えよ。俺や上の人間の気分ですぐに飛ぶ命だということを忘れるな。死にたいんだったら話は別だけどなァ。」
美里は霧野から視線を外し、作業台の方に歩を進めた。三脚とビデオカメラがあったはずだ。背後に霧野の息遣いを聴きながら続ける。
さすがに警戒を解くことは出来ず、彼の気配が移動していないか注意深く気を張りつめていた。
この男は自由になった途端、二条の戯れでまだ体力もあった時とはいえ銃をもっている相手に対して飛び掛る器量を持っているのだ。
ジャケットの下に差し入れている拳銃を久々に意識しながら振り返る。
「もし、俺に殺されたくなったら言えよ。なるべく気持ちよく殺してやるから、他の奴らにされるより余程いいぞ。……、わかったらさっさと扉の方に向かって言われた通りの姿勢をしてみろ。」
美里の嗜虐的な表情を見ていると、はらわた煮えくり返ると同時にもし何かあれば自分のことをすぐ様に処刑できるある意味違う種類の人間だということが思い出された。
ジャケットの下から拳銃の持ち手部分がチラチラと見えており、あそこに手を差し込んで抜くには相当タイミングを図る必要があるし、美里もそれをわかっていて隙を一切見せてこない。ポケットにナイフが入っている可能性もあるが確信が持てない。
過去に一緒に仕事をしていた中でわかったことは、美里は知識や予測能力に欠け、戦闘能力でも霧野にやや劣るが、緊急時や異常時の冷酷さ、機動力が抜群なのだ。
過去に自分より下の組員を人質に取られた時、この男は組員と敵の構成員の頭を一緒にぶち抜いていた。捕まって足を引っ張るようなヘマをする人間は最初から居なかったのと同じだからと。
「どうした?できないのか?」
カメラを手に持った美里が歩み寄ってきて、背中の当たりを革靴の底が優しく撫で回した。
「できるよな?俺の言うことが聞けるよな?霧野。川名さんの言うことが聞けて俺の言うことが聞けないなんてこと許さないからな。」
ゆっくりと屈辱的な姿勢をとり、頭を床に埋めるようにする。すぐ近くに美里がたっている気配がした。既に身体が羞恥心と悔しさで震えていた。
「そうだよ、それでいい。惨めだなぁ霧野。そうしておけばここに俺以外の誰かが入ってきても皆お前をかわいがってくれるぞ。お前の仲間が万に1つ助けに来たとしてもあまりの惨めさに口も開かず助けてくれるさ。」
美里が自分のすぐ横にかがみ、身体を撫で続ける。下着の上をまさぐっていた指が、体内に差し込まれた物を押し、スイッチを入れる。
息が上がってきて、身体が刺激にこたえ反応するように中の肉壁が蠢き始めた。身体が時折跳ねるように動いてしまう。
「おいおい霧野巡査、そんなに腰をビクつかせてアヘってたら反省してるように見えないぞ。もっとしっかり反省の意志を見せてみろよ。」
「……く、そんな事、言われても」
美里は霧野の臀から太ももまでの肉を撫でながら、表情は見えないが腰を振るわせながら、感じたくないのに感じ入ってしまっている霧野の様子を眺め、自身の下半身に昂りを覚えた。
霧野の下半身はがくがくと震え肉棒が力を持って起き上がって揺れていた。
「下着からチンポが飛び出てガン勃ちじゃないかよ。情けねぇな。お前何全裸で土下座させられてバイブでケツ穴ぶち抜かれておっ勃ててんだよ。お前の上司も今のお前のマゾ丸出しの姿見たら幻滅だぜ。救えねぇ。ちゃんとビデオに記録しておいてやるからもっと真面目にやれよ。」
状況、執拗な言葉による責めとカメラに記録するという行為がじわじわと霧野の精神を侵食した。あまりの恥ずかしさに、体が熱く涙が出てくる。それは性的な刺激と相性がよく、羞恥心を感じれば感じるほどに身体が意志と関係なく疼いてしまう。
元々の気が高ければ高いほど自分の惨めな姿が受け入れられず発狂しそうな頭が精神力を保つために体を気持ちよくさせた。
「おいおい、何息荒らげてんだよ変態め。そんなんじゃ一生お前はそのままだぞ。今のお前を見ても誰も改心したとは思わないな。」
目を強くとじ、歯を食いしばって余計なことを考えないようにする。
美里が自分の背後で何かしている音が聞こえる。大方言葉通りビデオを設置しているのだろう。
自分がその手の仕事に関わったことは無いが、地下で違法ポルノが撮られることもあると美里の口から聞いたことがあり、裏取りもある。実際、違法ポルノの販売もこの組のシノギのひとつであり、証拠のビデオのコピーをいくつか上に回していた。
美里の足音が近くに戻ってくる。
「身体を一時的に起こすことを許してやるから後ろを見てみろ。」
身体を起こし後ろを振り向くと三脚の上に設置されたカメラのレンズと目があい、思わず目元を手で覆い視線を下げた。視線を提げた先にはもう1台小さな筒状のカメラのようなものが置かれている。
「そっちはペットの監視用に使われるライブカメラだ。」
美里はポケットに突っ込んでいた手を出し、スマホをいじっていたかと思うとその画面を霧野の目の前に突きつけた。そこには今現在の霧野自身と美里が映り込んでいた。
「お前の姿はこうしていつでも見れるんだ。くれぐれも妙な真似をするなよ。わかったな。カメラを壊したりしたらすぐにわかるからな。理解したら元の姿勢に戻れ。」
美里の手が頭の上に置かれ、徐々に力がこめられていく。カメラから視線を外し、元のように床に体を埋めると上に乗っていた手が優しく頭を撫でてからどかされた。
「そこで大人しく反省してろよ。自分がしでかしたことのせいでこうなってるんだ。もし、耐えられなくなったら特別に1回だけ自分でマスかいてもいいぞ。俺ももう少しでお前の上司の死体捨て終わるからさ。余計な仕事これ以上増やさないようにしてくれよな。わかったな。」
霧野が黙っていると、臀を平手で一発叩かれ身体がびくんと大きく跳ねた。
顔を捕まれ目の前に再びスマホの画面をつきつけられた。そこにはライブカメラの映像が写っており、霧野自身の淫猥な下半身がくっきりと映っていた。
「奥までバイブを咥えこんで腰を揺らしながら勃起して、いやらしい下半身だと思わないか?これが今のお前の身体なんだよ。おら、ちゃんと見ろよ。」
「……こんなもの、見たくない、」
「顔が真っ赤だな。そんなに恥ずかしいか?恥ずかしがってる割に余計に息を荒らげているじゃねぇか。身体だけでなく精神まで恥ずかしいやつだな。よくお前みたいな奴がイキった警官やれたもんだよ。国の犬以前に国の恥みたいな男だよお前は。」
美里は乱暴に霧野を掴んでいた手を離すと、スマホをポケットにしまい、立ち上がった。背後から微かに泣き声の交じった呻き声が聞こえ始め、思わず深いため息が出てくる。
無視して扉を開け鍵をしめて階段を駆け上がった。激しく動いた訳でもないのに身体が汗ばんでいる。
気持ちがいいくらいに晴れており、ちょうど自転車に乗った割腹のいい中年の警察官が目の前の道路をとおりすぎていくところだった。
「おまわりさーん」
美里が背後から冷やかすように声をかけると警察官は一瞬だけ振り向き、美里の容姿を確認すると前を向きなおってペダルを漕いで行ってしまった。
道路に向かって思わず唾を吐いた。
「無能警官め。」
テーブルを挟んだ向こう側に座っている神崎は、不機嫌な表情の霧野に対して一向に表情を崩さず無表情に続ける。
「つまりそういうことだ。お前が一番適任だというのが上の判断だ。お前以外にも既に潜ってるやつがいるから、ソイツから引き継ぎを受けろ。」
「体のいい左遷ではないですか?こんな誰もやりたがらないヤバい仕事、」
「ああ、この際はっきり言うが、左遷というのはあながち間違ってない。心当たりがあるだろ。お前、察しがよすぎるんだよ。お前が思ってる以上に警察組織は縦組織だ。お前のようにコネも無いくせに『自分の正義』でたてつきそうな人間は目をつけられやすい。あれだけ俺が遠回しに注意してやったのに、そういうところは察しが悪いよな。」
今まで表情を崩さなかった神崎が目だけで軽く笑ったことが余計に霧野の気に触った。神崎は続ける。
「俺が決めたわけじゃないんだ。そんな目で見るなよ。俺はお前のいい上司だっただろ。しばらくお別れになるが帰ってきた時の席は空けといてやるし、昇進にもなる。」
「……神崎さんだって俺みたく飛ばされてるかもよ。そうやって交互に飛ばされて一生会えなくなっても知らないですよ。」
神崎は今度はあからさまに顔を崩して笑って、俺たちは警察に向いてないかもなと冗談を返した。
「とはいえ、俺個人としては交通課に10年20年いかされるより余程お前の性にあっていると思ってるよ。上だってわざわざ適性もない無能を敵地に送り込んだりしないさ。ある意味評価されてるってことだ。」
「汚いな……」
「何か言ったか?」
「汚いんですよやり方が。」
「そういうところだよ。黙って『はい』というのが一番評価されるんだ。警察官は国家の犬なんて揶揄されるがそれ以前に上官どもの犬なんだ。奴らに気に入られたけりゃ、潔くいってとっとと成果を上げて帰ってこい。それが一番近道だ。お前なら上手くやれるよ。」
◆
「いい感じに仕上がってるじゃん。」
充電が切れて止まっていたエネマグラがおさまっていた場所に再び美里の指がいれられていた。
美里がいなくなってから、体感時間にして30分程度はあまりの快楽に声を荒げていたが、ある程度すると身体が刺激に慣れ、耐えられるレベルの快楽になった。
それでも時折高まる快感を抑えながら、充電が切れるのを待っていた。サイズから見積もってせいぜいもって3時間。それだけ耐えれば凌げると思っていた。
丁度充電が切れ、肩で息をしていたところに美里がひとりで戻ってきたのだった。
「こんなに音を立てて、すっかり使い込まれたマンコになってきたな。お前の性が根っからの淫乱だったとは。こんなもんじゃ物足りなくなっただろ。」
美里はエネマグラを手に持って視界から消えると、一回り大きなサイズのグロテスクなバイブレーターをもって戻ってきた。
「どうした?気持ちよかっただろ、もっと嬉しそうな顔してもいいんだぞ。」
「できるわけない、なぜこんなことをするんだ、こんなことをしても」
霧野の声は朝ほどに元気がなく、語尾が震えていた。
「なぜか?お前はそればっかりだな。お前の尊厳と人格を一番手っ取り早く破壊できるからだよ。お前が警官だったという事実は消せないが、その事実を後悔させ上から新しい人格を上書いてやることはできるかもしれねぇ。俺たちの言うことならばどんなことでも聞く犬に一から躾けなおして使えるようにしてやるんだ。お前のような奴には最も効果的な罰だ。」
美里は霧野に対し、気が高かったお前が裏切り者になった「おかげで」皆遠慮なくお前を嬲り物にできて気が晴れてるんだとは言わずに黙っていた。
「お前が今何考えてるかわかるぞ。喜んでチンポ咥える演技でもすれば解放されるとでも考えたんだろ。でも今のお前にはそんな演技はとても無理だな。ヤクザの演技は教えられても淫売の演技は教えてもらわなかっただろ。演技じゃなく本当にそうなってしまうしかないなぁ。」
美里は霧野のすぐ横に屈みこむと下着とは名ばかりのほとんどひも状の下着を指でをひっかけて横にずらし、エネマグラを抜いたばかりでひくついている穴の中にグロテスクな物体をゆっくりとねじこむ。奥まで入ったことを確認してから下着にかけていた指を外した。下着が食い込む衝撃で更に中に押し込まれたような感覚が霧野の身体を襲った。
「また動かしてもないのに声を出す。そいつはさっきのより充電の持ちもいいからな4,5時間はいけるぞ。」
美里は霧野の身体を抱え、より扉の近くへ引きずって移動させた。扉のほぼ目の前に移動すると美里は悔しそうに悶えている霧野を見下ろした。
「そんなに抜いてほしいか?、ソレ。」
霧野が黙ったままうなずくと、美里は霧野のすぐそばにしゃがみ込んで微笑んだ。
それから後ろ手にしていた手枷と足枷を外し自由にした。霧野は驚いた顔をして床に座り込んでいた。
「じゃあ、ここでソイツにケツマンコ掘られながら土下座して自分のしでかしたことを反省しな。扉の向こうに俺か川名さんが常に立ってると思い許しを請うといい。ビデオカメラつけておいてやるから、姿勢崩したり自分で抜いたりしたら後ですぐにわかるからな。それでお前の誠意が伝わってきたら抜いてやるよ。」
美里は立ち上がり、霧野を見下ろした。
「なんだ?その面は。お前に拒否権はないんだよ。自分が嬲り殺されていないことをありがたく思えよ。俺や上の人間の気分ですぐに飛ぶ命だということを忘れるな。死にたいんだったら話は別だけどなァ。」
美里は霧野から視線を外し、作業台の方に歩を進めた。三脚とビデオカメラがあったはずだ。背後に霧野の息遣いを聴きながら続ける。
さすがに警戒を解くことは出来ず、彼の気配が移動していないか注意深く気を張りつめていた。
この男は自由になった途端、二条の戯れでまだ体力もあった時とはいえ銃をもっている相手に対して飛び掛る器量を持っているのだ。
ジャケットの下に差し入れている拳銃を久々に意識しながら振り返る。
「もし、俺に殺されたくなったら言えよ。なるべく気持ちよく殺してやるから、他の奴らにされるより余程いいぞ。……、わかったらさっさと扉の方に向かって言われた通りの姿勢をしてみろ。」
美里の嗜虐的な表情を見ていると、はらわた煮えくり返ると同時にもし何かあれば自分のことをすぐ様に処刑できるある意味違う種類の人間だということが思い出された。
ジャケットの下から拳銃の持ち手部分がチラチラと見えており、あそこに手を差し込んで抜くには相当タイミングを図る必要があるし、美里もそれをわかっていて隙を一切見せてこない。ポケットにナイフが入っている可能性もあるが確信が持てない。
過去に一緒に仕事をしていた中でわかったことは、美里は知識や予測能力に欠け、戦闘能力でも霧野にやや劣るが、緊急時や異常時の冷酷さ、機動力が抜群なのだ。
過去に自分より下の組員を人質に取られた時、この男は組員と敵の構成員の頭を一緒にぶち抜いていた。捕まって足を引っ張るようなヘマをする人間は最初から居なかったのと同じだからと。
「どうした?できないのか?」
カメラを手に持った美里が歩み寄ってきて、背中の当たりを革靴の底が優しく撫で回した。
「できるよな?俺の言うことが聞けるよな?霧野。川名さんの言うことが聞けて俺の言うことが聞けないなんてこと許さないからな。」
ゆっくりと屈辱的な姿勢をとり、頭を床に埋めるようにする。すぐ近くに美里がたっている気配がした。既に身体が羞恥心と悔しさで震えていた。
「そうだよ、それでいい。惨めだなぁ霧野。そうしておけばここに俺以外の誰かが入ってきても皆お前をかわいがってくれるぞ。お前の仲間が万に1つ助けに来たとしてもあまりの惨めさに口も開かず助けてくれるさ。」
美里が自分のすぐ横にかがみ、身体を撫で続ける。下着の上をまさぐっていた指が、体内に差し込まれた物を押し、スイッチを入れる。
息が上がってきて、身体が刺激にこたえ反応するように中の肉壁が蠢き始めた。身体が時折跳ねるように動いてしまう。
「おいおい霧野巡査、そんなに腰をビクつかせてアヘってたら反省してるように見えないぞ。もっとしっかり反省の意志を見せてみろよ。」
「……く、そんな事、言われても」
美里は霧野の臀から太ももまでの肉を撫でながら、表情は見えないが腰を振るわせながら、感じたくないのに感じ入ってしまっている霧野の様子を眺め、自身の下半身に昂りを覚えた。
霧野の下半身はがくがくと震え肉棒が力を持って起き上がって揺れていた。
「下着からチンポが飛び出てガン勃ちじゃないかよ。情けねぇな。お前何全裸で土下座させられてバイブでケツ穴ぶち抜かれておっ勃ててんだよ。お前の上司も今のお前のマゾ丸出しの姿見たら幻滅だぜ。救えねぇ。ちゃんとビデオに記録しておいてやるからもっと真面目にやれよ。」
状況、執拗な言葉による責めとカメラに記録するという行為がじわじわと霧野の精神を侵食した。あまりの恥ずかしさに、体が熱く涙が出てくる。それは性的な刺激と相性がよく、羞恥心を感じれば感じるほどに身体が意志と関係なく疼いてしまう。
元々の気が高ければ高いほど自分の惨めな姿が受け入れられず発狂しそうな頭が精神力を保つために体を気持ちよくさせた。
「おいおい、何息荒らげてんだよ変態め。そんなんじゃ一生お前はそのままだぞ。今のお前を見ても誰も改心したとは思わないな。」
目を強くとじ、歯を食いしばって余計なことを考えないようにする。
美里が自分の背後で何かしている音が聞こえる。大方言葉通りビデオを設置しているのだろう。
自分がその手の仕事に関わったことは無いが、地下で違法ポルノが撮られることもあると美里の口から聞いたことがあり、裏取りもある。実際、違法ポルノの販売もこの組のシノギのひとつであり、証拠のビデオのコピーをいくつか上に回していた。
美里の足音が近くに戻ってくる。
「身体を一時的に起こすことを許してやるから後ろを見てみろ。」
身体を起こし後ろを振り向くと三脚の上に設置されたカメラのレンズと目があい、思わず目元を手で覆い視線を下げた。視線を提げた先にはもう1台小さな筒状のカメラのようなものが置かれている。
「そっちはペットの監視用に使われるライブカメラだ。」
美里はポケットに突っ込んでいた手を出し、スマホをいじっていたかと思うとその画面を霧野の目の前に突きつけた。そこには今現在の霧野自身と美里が映り込んでいた。
「お前の姿はこうしていつでも見れるんだ。くれぐれも妙な真似をするなよ。わかったな。カメラを壊したりしたらすぐにわかるからな。理解したら元の姿勢に戻れ。」
美里の手が頭の上に置かれ、徐々に力がこめられていく。カメラから視線を外し、元のように床に体を埋めると上に乗っていた手が優しく頭を撫でてからどかされた。
「そこで大人しく反省してろよ。自分がしでかしたことのせいでこうなってるんだ。もし、耐えられなくなったら特別に1回だけ自分でマスかいてもいいぞ。俺ももう少しでお前の上司の死体捨て終わるからさ。余計な仕事これ以上増やさないようにしてくれよな。わかったな。」
霧野が黙っていると、臀を平手で一発叩かれ身体がびくんと大きく跳ねた。
顔を捕まれ目の前に再びスマホの画面をつきつけられた。そこにはライブカメラの映像が写っており、霧野自身の淫猥な下半身がくっきりと映っていた。
「奥までバイブを咥えこんで腰を揺らしながら勃起して、いやらしい下半身だと思わないか?これが今のお前の身体なんだよ。おら、ちゃんと見ろよ。」
「……こんなもの、見たくない、」
「顔が真っ赤だな。そんなに恥ずかしいか?恥ずかしがってる割に余計に息を荒らげているじゃねぇか。身体だけでなく精神まで恥ずかしいやつだな。よくお前みたいな奴がイキった警官やれたもんだよ。国の犬以前に国の恥みたいな男だよお前は。」
美里は乱暴に霧野を掴んでいた手を離すと、スマホをポケットにしまい、立ち上がった。背後から微かに泣き声の交じった呻き声が聞こえ始め、思わず深いため息が出てくる。
無視して扉を開け鍵をしめて階段を駆け上がった。激しく動いた訳でもないのに身体が汗ばんでいる。
気持ちがいいくらいに晴れており、ちょうど自転車に乗った割腹のいい中年の警察官が目の前の道路をとおりすぎていくところだった。
「おまわりさーん」
美里が背後から冷やかすように声をかけると警察官は一瞬だけ振り向き、美里の容姿を確認すると前を向きなおってペダルを漕いで行ってしまった。
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「無能警官め。」
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