～前世の知識を持つ少女、サーラの料理譚～

２話 ２章 特性サンドイッチ

８

　「あぁ！！…サーラちゃんてば、またっ！！？」
　その後に、ロンドが気がつくと追いかけようとしたが、足が縺れて地面に倒れてしまう。
　その間にサーラは止まる事もなく、瞬く間に目的の店に辿り着いたら、すかさず目当ての商品を注文しており、
　「…おじちゃん！…これ、頂戴！」
　「お、おう。…まいどあり。」
　「ありがとう！…次は…！」
　と受けとるや否や、再び走り出していた。次の店でも同じ行動を繰り返していき、やがて両手一杯の荷物を抱えながら、元いた席に戻ってくると、買ってきた物を取り出して並べていく。
　「なんだい？…こりゃ？」
　と村長夫妻も、彼女の様子をまじまじと見つめだした。
　ようやくロンドも起き上がると、同様の行動をする。
　そのテーブルの上には、食材ーー、ハム、レタス、チーズ、酢漬けの小魚の便詰め、平たく切られたパン一斤など、が用意された。どれも一目見て上物である。また一部の物は、適当な大きさに切り分けられている。
　それからサーラは、この場で簡単な調理を開始しだした。
　まず彼女はテーブルの天板に布を敷しいたら、そこに平たいパンを一枚を皿変わりに置き、続けて他の食材も積み重ねる様にして、最後にパンを一番上に乗せていた。
　それを複数個分ずつ作りながら、具材の中身を変えていく。
　一個目は、上から順番に、レタス、ハム、チーズ、レタス、となっている。さっぱりした味に仕上げていた。
　二個目は、真ん中の具に酢漬けの小魚を入れて、より酸味の味がする様に仕上げていた。
　三個目は、真ん中の具材に小海老の揚げ物を入れて、味の濃いものに仕上げていた。
　そうして数種類の具材のサンドイッチが、幾つか出来上がったのである。