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2話 2章 特性サンドイッチ

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 それからサーラは、「どうぞ、召し上がれ」と言って促しながら、大人達の前に料理を差し出す。
 「…おや、わざわざ作ってくれたのかい。」
 「そいつは、すまんなぁ。」
 「だが、まぁ。…せっかくだし、いただくとするかいね。」
 「じゃあ、ワシは、こっちのハムやチーズのにしよう。」
 「私は、こっちの酢漬けの魚が入っているのにするかしら。」
 それを受けて、村長夫妻は食前の祈りを済ませると、好みの具のサンドイッチを手に取って、徐に口に運んで咀嚼しだした。噛んだ瞬間に、パンの触覚や具材の歯応えが口の中に広がり、やがて食材の味を感じだすと、思わず感想を喋りだす。
 「ほう、…ハムとチーズは、至って普段の食べている味だな。だが肉は少し厚めに切ってあるから、食べ応えがあるわい。」
 「…こっちも魚の酸味が強いが、野菜のおかげで、丁度いいよ。パンも少し固めだが、汁を吸って程よく柔らかくなっているねぇ。」
 「本当だ。…こりゃ、旨いや。」
 と、ロンドも既に食事に手をつけていた。この中で、最も満面の笑みを浮かべており、次々に食べ進めていく。
 「…ねぇ~。」
 と、アリサも両手を前に伸ばし、値だってくる。サーラに、サンドイッチを小さく千切って貰うと、大きな口で頬張ったのだった。
 そんな様子をジョンドは側で控えた状態のまま、ただ黙って見ている。
 「ジョンドさんも、良かったらどうぞ。」
 すると再びサーラが声をかけてきて、一つのサンドイッチを手にしたら、目の前に差し出してきた。
 「あぁ、いえ。…私まで貰う訳には。」
 対してジョンドは、片手を横に振りつつ、丁重に断わっていた。だが突如として、「ぐうっ。」と自身の腹の虫が鳴ってしまい、
 「…わかりました。…では、一つだけ。」
 と恥ずかしそうにしながらも受け取り、ゆっくりと口に運んだ。
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