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第五章 冷たい鉄の塊
第七話☆
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真生の愛撫で何度も絶頂を迎えたマリアは、濡れた身体をベッドの上に投げ出している。
何度も何度もいかされた性器は濡れて、膣口から愛液がトロリと漏れ出す。
シーツは人工の汗と排水機能から漏れた水で湿り、仄かに冷たく感じられた。
マリアの身体は喘ぐことしか出来ない位に達し、時折身体に手が触れると、小さく身体がびくりと跳ねあがる。
真生がマリアの脚を広げ、首に足首を引っ搔ける。
乱れた髪と溶けた表情のマリアが、物欲し気に自分の性器を指で開いた。
マリアの中に陰茎を捩じ込めば、濡れた内壁が絡みついて淫らにひくつく。
中を一気に突き上げた瞬間に、マリアの背中が弓形に反った。
脈打つ様に痙攣をする膣で、マリアの身体が絶頂を迎えた事に気が付く。
淡い快感に溺れながら、もっとマリアの身体がイく瞬間を見たいと真生は思う。
真生はマリアの最奥目掛けて腰を振り乱す。
けれどその瞬間に、エナの頭の潰れた断面図が過って消えた。
どう見ても人間にしか見えない顔と、剥き出しの鉄の塊のコントラスト。
真生の舌で淫らに喘ぐ、マリアの滑らかな皮膚の下にも、同じように鉄の塊が入っている。
揉めば柔らかく揺蕩う乳房も、生理食塩水の作り物。吸い上げれば甘い吐息を吐く、ピンク色の乳首も全て、人工皮膚と精密機器の寄せ集めだ。
真生はマリアを作り物だと、痛いほど解っている筈だった。それに愛の幻想を抱いている事も、痛い位に。
それでも目の前で壊れたアンドロイドを見てしまえば、現実が頭に差し迫ってくる。
マリアの顔に潰れた鉄の塊が、リンクした様に見えるのだ。
湧き上がってくるそのイメージを消す為に、真生はマリアとの行為の快感に必死になって溺れてゆく。
その度に人では無いものを、愛している罪悪感に襲い掛かられるのだ。
思っていたより自分が病んでいた事に真生は気付き、行為を止めて苦笑いを浮かべる。
物理的な汗が冷や汗に切り替わるのを、マリアは身体を繋げたままで勘付いた。
汗と涙で濡れた顔のマリアは起き上がり、荒い吐息を整えながら真生を見上げる。
そしてとても甘くて、優しい声色で囁いた。
「…………大丈夫です、ご主人様。私はご主人様の全てを受け入れます。
快楽も不安も恐怖も悪夢も何もかも。だから安心して私の中に、全て吐き出してください…………」
空色の虹彩に真生の姿が映し出された瞬間、冷たい鉄の塊のイメージがマリアから吹き飛ぶ。
急に目の前が明るくなり、身体中に鳥肌が立つような感覚が真生を包む。
マリアは真生が作りだした人工知能ではあるが、真生の心の中を浄化する言葉をいつも吐き出す。
自分が育てていた筈の存在に、自分が育てられている様な感覚がするのだ。
「…………有難う、マリア…………」
真生はマリアの身体の上に自分の身体を重ね、甘える様に抱き付く。
マリアは真生を見守る様に、黒くて柔らかな真生の髪を優しく撫でていた。
何度も何度もいかされた性器は濡れて、膣口から愛液がトロリと漏れ出す。
シーツは人工の汗と排水機能から漏れた水で湿り、仄かに冷たく感じられた。
マリアの身体は喘ぐことしか出来ない位に達し、時折身体に手が触れると、小さく身体がびくりと跳ねあがる。
真生がマリアの脚を広げ、首に足首を引っ搔ける。
乱れた髪と溶けた表情のマリアが、物欲し気に自分の性器を指で開いた。
マリアの中に陰茎を捩じ込めば、濡れた内壁が絡みついて淫らにひくつく。
中を一気に突き上げた瞬間に、マリアの背中が弓形に反った。
脈打つ様に痙攣をする膣で、マリアの身体が絶頂を迎えた事に気が付く。
淡い快感に溺れながら、もっとマリアの身体がイく瞬間を見たいと真生は思う。
真生はマリアの最奥目掛けて腰を振り乱す。
けれどその瞬間に、エナの頭の潰れた断面図が過って消えた。
どう見ても人間にしか見えない顔と、剥き出しの鉄の塊のコントラスト。
真生の舌で淫らに喘ぐ、マリアの滑らかな皮膚の下にも、同じように鉄の塊が入っている。
揉めば柔らかく揺蕩う乳房も、生理食塩水の作り物。吸い上げれば甘い吐息を吐く、ピンク色の乳首も全て、人工皮膚と精密機器の寄せ集めだ。
真生はマリアを作り物だと、痛いほど解っている筈だった。それに愛の幻想を抱いている事も、痛い位に。
それでも目の前で壊れたアンドロイドを見てしまえば、現実が頭に差し迫ってくる。
マリアの顔に潰れた鉄の塊が、リンクした様に見えるのだ。
湧き上がってくるそのイメージを消す為に、真生はマリアとの行為の快感に必死になって溺れてゆく。
その度に人では無いものを、愛している罪悪感に襲い掛かられるのだ。
思っていたより自分が病んでいた事に真生は気付き、行為を止めて苦笑いを浮かべる。
物理的な汗が冷や汗に切り替わるのを、マリアは身体を繋げたままで勘付いた。
汗と涙で濡れた顔のマリアは起き上がり、荒い吐息を整えながら真生を見上げる。
そしてとても甘くて、優しい声色で囁いた。
「…………大丈夫です、ご主人様。私はご主人様の全てを受け入れます。
快楽も不安も恐怖も悪夢も何もかも。だから安心して私の中に、全て吐き出してください…………」
空色の虹彩に真生の姿が映し出された瞬間、冷たい鉄の塊のイメージがマリアから吹き飛ぶ。
急に目の前が明るくなり、身体中に鳥肌が立つような感覚が真生を包む。
マリアは真生が作りだした人工知能ではあるが、真生の心の中を浄化する言葉をいつも吐き出す。
自分が育てていた筈の存在に、自分が育てられている様な感覚がするのだ。
「…………有難う、マリア…………」
真生はマリアの身体の上に自分の身体を重ね、甘える様に抱き付く。
マリアは真生を見守る様に、黒くて柔らかな真生の髪を優しく撫でていた。
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