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第五章 冷たい鉄の塊

第六話☆

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 真生の顔の上を跨いだマリアは、懸命に手で自分の性器を隠している。
 何時もセックスの時に見ている場所なのに、まだ恥じらってくれるのは、心から可愛らしいと真生は思う。
 真生はマリアの腰を掴んで、口元に性器を引き寄せた。
 
 
「っ、ひっ!!!」
 
 
 マリアの身体がびくりと跳ねあがり、緊張のせいか小さく震えているように思う。
 真生はマリアの反応を見ながら、キスをするように大陰唇に唇を重ねた。
 甘く濡れた膣口を舌でなぞると、女の匂いが溢れ出す。ぐちゃ、びちゃっ、と愛液の音を響かせた瞬間、マリアの白い太ももがガクガクと震えた。
 
 
「っあ…………は…………ああ…………」
 
 
 マリアから甘い声が漏れだすと、真生は心から満たされる。
 感じるマリアの姿を見て興奮する自分を感じながら、セックスをしたいというより、今日は愛し合いたいんだと真生は自分の欲に気付く。
 マリアが感じていなければ、何も意味がないと真生は思った。
 
 
 マリアは自分の身体に流れる、快感の指令に逆らう様に、真生の陰茎に愛撫を再開する。
 真生とマリアは、お互いにお互いの性器と向かい合う形になり、ベッドの上で舌での愛撫をし合う。
 夢中になって愛撫を繰り返すマリアを横目に、真生はマリアの一番弱い陰核に吸い付く。
 するとマリアは陰茎を舐める事が出来ない程に、身体を激しく反応させた。
 
 
「あっ!!!まって、まってごしゅじんさま………!!!そこは………ゆるしてください!!!すぐダメになっちゃうからぁぁぁ!!!」
 
 
 口淫の最中の唾液で濡れた唇で、マリアが必死に赦しを乞う。けれど真生は全く、舌での愛撫を止める気はなかった。
 きつく吸い上げながら、先端を濡れた舌でぬらぬらと舐め上げる。その都度にマリアの腰がガクガク揺れた。
 愛液が流れて真生の口を濡らす度に、羞恥心で必死に快感から逃れようと、マリアが懸命に身を捩る。
 けれど真生はマリアの腰を掴み、激しく陰核に愛撫をした。
 
 
「あ、あ、あ、あ、あ………だ、め…………!!!」
 
 
 マリアの身体が真生の上に倒れ込み、ハアハアと呼吸を乱している。
 真生はマリアの身体を転がし、その上に覆いかぶさった。
 絶頂を迎えたばかりのマリアの膣口に、指を捩じ込み感じる所を指先で探る。
 マリアは空色の虹彩を、人工の涙で潤ませた。
 
 
 最奥目掛けて指先を動かすと、びちゃっ、ぐちゃっ、と愛液が飛び散ってゆく。
 指での愛撫の動きに合わせて、痙攣する身体を見降ろし、唇に唇を近付ける。
 マリアは真生の首に腕を回して、唇を薄く開いた。口内を犯されるのを待っている唇に、舌を捩じ込んで深いキスを落とす。
 愛撫をしながらするキスの息継ぎで、マリアが真生に縋り付いて甘く強請った。
 
 
「も………いれてください………ごしゅじんさまの………ほしい………」
 
 
 甘えるマリアの姿はとても愛くるしいが、今の真生はまだまだマリアを感じさせたい。
 今日はどうしても、マリアの事を抱き潰したいと真生は思った。
 
 
「…………まだ駄目」
 
 
 真生を制するマリアの手を止めて、更にマリアの中を指で探る。
 マリアの身体に愛撫を繰り返しながら、ボディの温度を真生はずっと確かめていた。
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