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最終章
第二話☆
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パァンという乾いた音と、宙に舞い散る花吹雪。飛び出してきた紙テープは、俺の髪に絡まった。
足元を見ると佐京と侑京が、クラッカーを手にしてニヤニヤ笑う。
「虎ぁぁぁぁ!!メリークリスマス!!」
クラッカーを打たれた俺は、悪ガキ二人を捕まえて抱き寄せる。
今日はクリスマスイヴで俺は嘉生荘に遊びに来ていた。
「うぉぉぉらぁぁぁぁ!!!悪ガキ共ぉぉぉぉ!!!!仕返しだぁぁぁぁ!!!」
佐京と侑京の上に腕を置き、身動きが取れない様にする。
二人はケラケラと明るい声を上げて笑った。
この二人は元気で五月蝿い位が丁度いいと、腕の中の温もりを感じながら思う。
「ただいまぁ♡フライドチキン買いに行ったら、お店超混んでたんだけどぉー!!!」
ドアの鍵の開く音がして、フライドチキンの箱を持った操さんが顔を出す。
俺の腕をすり抜けた悪ガキ二人は、玄関目掛けて駆け抜ける。
操さんに元気いっぱいに飛びつく二人を見ながら、改めて幸せだと思った。
地上げ屋の一件が落ち着き、嘉生館には平和が戻ってきたようだ。
多少何が起きるか解らない不安もあり、親父の計らいで門前には警備員が暫くつく。
けれど今のところは、これといって特に事件はない。
それにあんな風に手を打たれてしまえば、向こうが他に打つ手はないように思うのだ。
佐京と侑京が寝静まったのを確認し、枕元にプレゼントの箱を置く。
俺と操さんはお互いに顔を見合わせて、口元に人差し指を立てた。
大女将に二人を預け、夜の街へと二人で繰り出す。思えばこれが初デートになるんだと思う。
今まで沢山身体を重ねて、二人の時間を過ごしてきたのいうのに、デートだけは初なのだ。
玄関で寝巻でショールを肩に掛けた大女将が、ご機嫌そうな様子で笑う。
「さ、あとはうちが見るから。いってらっしゃい」
操さんは大女将に微笑みながら、パタパタと手を振る。
この二人が対峙している時、大女将の表情はとても明るい。
大女将にとっても操さんは宝物なんだと、この顔を見ていると感じるのだ。
操さんは大女将に向かってこう言った。
「いってきます………お母さん」
大女将は目を大きく開いて、朗らかな笑みを浮かべドアを閉める。
操さんは悪戯っぽく微笑み、俺の手を握り締めた。
夜遅くのデートの内容は、操さんの観たがっていた映画を見る事。
それが終わったら、朝までホテルで二人きり。初めての恋人としての時間を過ごすのだ。
***
操さんの身体からふわりと、甘い砂糖菓子の様な匂いが漂う。
操さんの過度な抑制剤の使用は収まり、前より甘い匂いが香る。
俺はそれを嬉しいと思う反面、気が気じゃないと感じていた。
操さんの首元に唇を近付けながら、背後からきつく抱きしめる。華奢な背中が愛しくて堪らない。
猫を思い起こさせる大きな目と、口角の上がった形のいい唇。そして誘うようにふわふわと漂う、砂糖菓子の様な甘いフェロモンの匂い。
この完全に俺好みの美しい人が、俺の恋人なのである。
「虎ちゃん、なんか今日静かじゃない??どうしたのぉ??」
珍しく操さんは黒のタートルネックのセーターに、タイトなパンツを履いている。
初めて見る操さんの洋服姿は新鮮だ。この人は何を着ても綺麗だし、似合ってしまうと思う。
今の今まで必死に愛してると言い続けてきた俺は、恋人になった操さんを前に緊張している。
今日の洋服がよく似合っているという事さえ、緊張し過ぎて言えないのだ。
「今…………その…………!!滅茶苦茶緊張していて…………!!!」
「あっは!!何それ!!!今まであんなにセックスしてきたのに!?今更ぁ!?!?!?」
…………俺も今更だと思う!!!
ベッドの上に腰かけてガチガチに凍り付いた俺を、操さんは揶揄する様に見ている。
今の俺はさながら何も知らない少年の様だ。もう何回も操さんとヤる事をやってるのに、本当におかしい。
操さんは何時も通りの、鈴を転がした様に笑う声を響かせて、俺の隣に腰掛ける。
すると白魚の様な手が、俺の膝を優しく撫でた。
操さんが俺の膝を撫でただけで、一気位に身体中が熱くなる。
俺は自分の緊張を解す為にも、操さんと会話をしてみようと試みた。
「そ、そういえば操さん…………今日ってどうして洋服なんですか………??似合ってますけど………」
俺が間抜けな問い掛けをすると、操さんが俺の身体に体重をかける。
呆気に取られた状態で寝転がると、俺を見降ろした操さんが小悪魔っぽい笑みを浮かべた。
「えー??こういうことぉ♡♡♡しやすいじゃん??セックス♡♡♡」
俺の上で馬乗りになった操さんが、徐にセーターを脱いでみせる。
操さんのストリップが終わった頃には、俺は言葉を完全に失っていた。
「だってぇ♡愛し合ってから結ばれるのぉ………今日が初めてでしょぉ♡
早く抱いて??ダーリン♡」
俺の上の覆い被さった操さんは、八重歯をみせた笑みを浮かべる。
そのまま俺に顔を近付けて、唇と唇を重ね合わせた。
ちゅっ、という操さんからのキスの音が響き、俺の理性が一気に崩れる。
俺は操さんの身体をベッドに転がし、貪る様にキスをした。
操さんは嬉しそうな目をしながら、舌を絡めて息を乱す。まるで俺が襲い掛かるのを、心待ちにしていたみたいだ。
「………操さん、愛してる…………」
操さんの身体に唇を落としていけば、身体をびくりと跳ね上げる。
シーツをきつく握りしめながら、操さんは囁いた。
「俺も愛してる………!!!」
え!?ちょっと待って!?愛してるっていったら、愛してるって返ってくるの!?!?
感極まって動きを止めると、操さんは呆れた様に笑う。俺は慌てて気を取り直し、操さんの身体に舌を這わせた。
操さんの身体を見ていると、不思議と隅々まで味わいたいと感じる。
舐めて触れてもっと感じさせたくなって、色んな顔を知りたいと思う。
俺しか知らない操さんの表情を、もっともっと引き出したくなる。
「はっ、あ…………んんっ………虎ちゃん、緊張してる………ね………??」
入り口から蜜が溢れ出すのを感じながら、馴染ませるように指を入れる。
指の動きに合わせて、操さんの腰が揺らめく。
甘い香りがする。俺を惹き付けて離さない、甘い蜜の香り。
愛し合いながら一つになれるなんて、最高だ。
「………そりゃしてますよ。世界で一番好きな人と、俺結ばれるんですよ………??」
シーツを握り締めていた手に手を重ね合わせる。
操さんの指先は俺の手に絡まり、きつく手のひらを握り締めた。
「…………ほんとは、ね………俺も緊張して、る…………」
操さんの言葉に思わず微笑むと、操さんもつられて笑う。
笑い合いながら額と額をくっ付けて、啄ばむキスを繰り返す。
白くて艶めかしい脚を開いて、操さんの中に入り込む。操さんの漏らした吐息は、俺の唇が飲み込んだ。
このホテルのベッドは腰を動かすと、スプリングが軋みほんの少しだけ音が響く。
何だかそれが気恥ずかしくて、とても照れ臭いのだ。
汗ばんだ身体を重ね合わせながら、お互いにお互いの熱に溺れてゆく。
すると操さんが目を潤ませながら、甘える様に囁いた。
「……………虎ちゃん、俺の項を噛んで………」
操さんの首元に輝く、桜の花のモチーフが光る首輪。以前俺がプレゼントしたもの。
首輪に手を掛けて、静かに外してゆく。操さんの顔にも緊張が垣間見えている。
俺のものが飲み込まれているままの身体を、ゆっくりと背中を向かせてゆく。
白くて綺麗な操さんの項を見つめ、指先で撫でる。
この人にとって一生に一度しかない番契約を、俺が貰うんだと思う。
一生大事にする。一生愛し続けようと思う。この人も、この人の愛するすべてのものも。
「あ―――――――――……………!!!」
白い項に噛み付くと、操さんの身体は絶頂を迎える。息を乱して身体を汗で濡らしながら、白濁を漏らす。
くっきりと付いた俺の歯形が、この人は自分だけのものだと証明している。
身体を捻らせて俺を見上げた操さんを、背後から抱き寄せて心から囁く。
「っ………愛してます………!!」
操さんは俺の腕を抱き返し、小さくふふっと声を出して笑う。
操さんの笑い声は、相も変わらず鈴を転がした様だった。
足元を見ると佐京と侑京が、クラッカーを手にしてニヤニヤ笑う。
「虎ぁぁぁぁ!!メリークリスマス!!」
クラッカーを打たれた俺は、悪ガキ二人を捕まえて抱き寄せる。
今日はクリスマスイヴで俺は嘉生荘に遊びに来ていた。
「うぉぉぉらぁぁぁぁ!!!悪ガキ共ぉぉぉぉ!!!!仕返しだぁぁぁぁ!!!」
佐京と侑京の上に腕を置き、身動きが取れない様にする。
二人はケラケラと明るい声を上げて笑った。
この二人は元気で五月蝿い位が丁度いいと、腕の中の温もりを感じながら思う。
「ただいまぁ♡フライドチキン買いに行ったら、お店超混んでたんだけどぉー!!!」
ドアの鍵の開く音がして、フライドチキンの箱を持った操さんが顔を出す。
俺の腕をすり抜けた悪ガキ二人は、玄関目掛けて駆け抜ける。
操さんに元気いっぱいに飛びつく二人を見ながら、改めて幸せだと思った。
地上げ屋の一件が落ち着き、嘉生館には平和が戻ってきたようだ。
多少何が起きるか解らない不安もあり、親父の計らいで門前には警備員が暫くつく。
けれど今のところは、これといって特に事件はない。
それにあんな風に手を打たれてしまえば、向こうが他に打つ手はないように思うのだ。
佐京と侑京が寝静まったのを確認し、枕元にプレゼントの箱を置く。
俺と操さんはお互いに顔を見合わせて、口元に人差し指を立てた。
大女将に二人を預け、夜の街へと二人で繰り出す。思えばこれが初デートになるんだと思う。
今まで沢山身体を重ねて、二人の時間を過ごしてきたのいうのに、デートだけは初なのだ。
玄関で寝巻でショールを肩に掛けた大女将が、ご機嫌そうな様子で笑う。
「さ、あとはうちが見るから。いってらっしゃい」
操さんは大女将に微笑みながら、パタパタと手を振る。
この二人が対峙している時、大女将の表情はとても明るい。
大女将にとっても操さんは宝物なんだと、この顔を見ていると感じるのだ。
操さんは大女将に向かってこう言った。
「いってきます………お母さん」
大女将は目を大きく開いて、朗らかな笑みを浮かべドアを閉める。
操さんは悪戯っぽく微笑み、俺の手を握り締めた。
夜遅くのデートの内容は、操さんの観たがっていた映画を見る事。
それが終わったら、朝までホテルで二人きり。初めての恋人としての時間を過ごすのだ。
***
操さんの身体からふわりと、甘い砂糖菓子の様な匂いが漂う。
操さんの過度な抑制剤の使用は収まり、前より甘い匂いが香る。
俺はそれを嬉しいと思う反面、気が気じゃないと感じていた。
操さんの首元に唇を近付けながら、背後からきつく抱きしめる。華奢な背中が愛しくて堪らない。
猫を思い起こさせる大きな目と、口角の上がった形のいい唇。そして誘うようにふわふわと漂う、砂糖菓子の様な甘いフェロモンの匂い。
この完全に俺好みの美しい人が、俺の恋人なのである。
「虎ちゃん、なんか今日静かじゃない??どうしたのぉ??」
珍しく操さんは黒のタートルネックのセーターに、タイトなパンツを履いている。
初めて見る操さんの洋服姿は新鮮だ。この人は何を着ても綺麗だし、似合ってしまうと思う。
今の今まで必死に愛してると言い続けてきた俺は、恋人になった操さんを前に緊張している。
今日の洋服がよく似合っているという事さえ、緊張し過ぎて言えないのだ。
「今…………その…………!!滅茶苦茶緊張していて…………!!!」
「あっは!!何それ!!!今まであんなにセックスしてきたのに!?今更ぁ!?!?!?」
…………俺も今更だと思う!!!
ベッドの上に腰かけてガチガチに凍り付いた俺を、操さんは揶揄する様に見ている。
今の俺はさながら何も知らない少年の様だ。もう何回も操さんとヤる事をやってるのに、本当におかしい。
操さんは何時も通りの、鈴を転がした様に笑う声を響かせて、俺の隣に腰掛ける。
すると白魚の様な手が、俺の膝を優しく撫でた。
操さんが俺の膝を撫でただけで、一気位に身体中が熱くなる。
俺は自分の緊張を解す為にも、操さんと会話をしてみようと試みた。
「そ、そういえば操さん…………今日ってどうして洋服なんですか………??似合ってますけど………」
俺が間抜けな問い掛けをすると、操さんが俺の身体に体重をかける。
呆気に取られた状態で寝転がると、俺を見降ろした操さんが小悪魔っぽい笑みを浮かべた。
「えー??こういうことぉ♡♡♡しやすいじゃん??セックス♡♡♡」
俺の上で馬乗りになった操さんが、徐にセーターを脱いでみせる。
操さんのストリップが終わった頃には、俺は言葉を完全に失っていた。
「だってぇ♡愛し合ってから結ばれるのぉ………今日が初めてでしょぉ♡
早く抱いて??ダーリン♡」
俺の上の覆い被さった操さんは、八重歯をみせた笑みを浮かべる。
そのまま俺に顔を近付けて、唇と唇を重ね合わせた。
ちゅっ、という操さんからのキスの音が響き、俺の理性が一気に崩れる。
俺は操さんの身体をベッドに転がし、貪る様にキスをした。
操さんは嬉しそうな目をしながら、舌を絡めて息を乱す。まるで俺が襲い掛かるのを、心待ちにしていたみたいだ。
「………操さん、愛してる…………」
操さんの身体に唇を落としていけば、身体をびくりと跳ね上げる。
シーツをきつく握りしめながら、操さんは囁いた。
「俺も愛してる………!!!」
え!?ちょっと待って!?愛してるっていったら、愛してるって返ってくるの!?!?
感極まって動きを止めると、操さんは呆れた様に笑う。俺は慌てて気を取り直し、操さんの身体に舌を這わせた。
操さんの身体を見ていると、不思議と隅々まで味わいたいと感じる。
舐めて触れてもっと感じさせたくなって、色んな顔を知りたいと思う。
俺しか知らない操さんの表情を、もっともっと引き出したくなる。
「はっ、あ…………んんっ………虎ちゃん、緊張してる………ね………??」
入り口から蜜が溢れ出すのを感じながら、馴染ませるように指を入れる。
指の動きに合わせて、操さんの腰が揺らめく。
甘い香りがする。俺を惹き付けて離さない、甘い蜜の香り。
愛し合いながら一つになれるなんて、最高だ。
「………そりゃしてますよ。世界で一番好きな人と、俺結ばれるんですよ………??」
シーツを握り締めていた手に手を重ね合わせる。
操さんの指先は俺の手に絡まり、きつく手のひらを握り締めた。
「…………ほんとは、ね………俺も緊張して、る…………」
操さんの言葉に思わず微笑むと、操さんもつられて笑う。
笑い合いながら額と額をくっ付けて、啄ばむキスを繰り返す。
白くて艶めかしい脚を開いて、操さんの中に入り込む。操さんの漏らした吐息は、俺の唇が飲み込んだ。
このホテルのベッドは腰を動かすと、スプリングが軋みほんの少しだけ音が響く。
何だかそれが気恥ずかしくて、とても照れ臭いのだ。
汗ばんだ身体を重ね合わせながら、お互いにお互いの熱に溺れてゆく。
すると操さんが目を潤ませながら、甘える様に囁いた。
「……………虎ちゃん、俺の項を噛んで………」
操さんの首元に輝く、桜の花のモチーフが光る首輪。以前俺がプレゼントしたもの。
首輪に手を掛けて、静かに外してゆく。操さんの顔にも緊張が垣間見えている。
俺のものが飲み込まれているままの身体を、ゆっくりと背中を向かせてゆく。
白くて綺麗な操さんの項を見つめ、指先で撫でる。
この人にとって一生に一度しかない番契約を、俺が貰うんだと思う。
一生大事にする。一生愛し続けようと思う。この人も、この人の愛するすべてのものも。
「あ―――――――――……………!!!」
白い項に噛み付くと、操さんの身体は絶頂を迎える。息を乱して身体を汗で濡らしながら、白濁を漏らす。
くっきりと付いた俺の歯形が、この人は自分だけのものだと証明している。
身体を捻らせて俺を見上げた操さんを、背後から抱き寄せて心から囁く。
「っ………愛してます………!!」
操さんは俺の腕を抱き返し、小さくふふっと声を出して笑う。
操さんの笑い声は、相も変わらず鈴を転がした様だった。
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