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7.エドワード誘惑作戦
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二人きりになるとスチュアートは私のベッドのシーツなどを替えてくれた。
私は部屋にある豪華な装飾のついた全身鏡の前に立ち、可愛いネグリジェを着ている自分の姿を見た。
マリアンヌは絵本に出てくるお姫様みたいに美しい十八歳の女の子だ。
折れちゃいそうなほど腰も腕も細いのに、胸だけは元の私と同じくメロンみたいに大きい。
完璧な顔とボディーを見ているうちに、私の心に今まで抱いたことのない「自分は無敵な女だ」という自信がふつふつと湧いてきた。
鏡越しに黙々と働くスチュアートの横顔が映った。
どちらかというと優しい兄のエドワードがよかったけど、まあスチュアートだって現実世界ではお目にかかれなかったほど凛とした美麗な人だ。
バッドエンドで死ぬぐらいなら彼を攻略しよう、と考えていたら鏡の中の彼と目が合った。
私がニコッと微笑むと、彼は私をバカにしたようにフンっとそっぽを向いた。
今日から私の世話係だと言うのに、なんという態度だろうか。
スチュアートを攻略するのはかなり難しそうだ。
やっぱり私は兄のエドワードの攻略をすることにした。
私はスチュアートが部屋からいなくなった隙に、廊下へ出た。
運よく向こうからエドワードがやってきた。
「ちょうどよかったわ、エドワード。汗をかいたからお風呂に入りたいの」
と私は上目遣いで話しかけた。
彼はにこっと微笑んで大きく頷き、
「かしこまりました、お嬢様。すぐにメイドを呼んでまいりますね」
と廊下を歩きだろうとした。
私は彼の服を掴んで引き留め、
「違うわ、あなたが一緒に入浴して私の背中を流して」
と甘く囁いた。
私の前世は風俗嬢だ。柔らかな泡をたっぷりつけた乳房で彼の全身をくまなく洗ってあげたら、あっという間に彼は私にメロメロになるだろうと自信があった。
「えっ、それは……」
彼はほんのりと頬を赤くして、困った顔をした。
「変な意味はないわ。……ほら、私は三日も寝込んでいて、足がフラフラするから一緒に入ってほしいのよ」
もっともらしい理由をつけても、彼は首を縦に振らなかった。
「ねえ、いいでしょう?」
私は彼の腕にすり寄って、柔らかなお乳を押しつけた。
不意に彼が私の後ろを見ていたから、振り返るとそこにはスチュアートが立っていた。
彼は私を睨むように見つめて、
「マリアンヌ様のお世話係はわたくしスチュアートでございます。お風呂でございましたか、気が利かず大変申し訳ございません。準備は出来ております。わたくしは脱衣所の外で待っておりますので、ごゆっくりお入りください」
と言って、風呂場の前まで連れていかれた。
屋敷の使用人たちの間でも執事としての完璧なまでの仕事ぶりを尊敬されている一方で、まるで鉄仮面をつけているかのように怖い顔ばかりしていて滅多に笑わないから彼の部下のような立場である下級使用人たちに恐れられていた。
そもそもスチュアートという名前がすごい。「執事」という意味の名なのだから。
彼が根っからの堅物な仕事人間だということを表していた。外見はいいのに、全くつまらない男だな、と私は思った。
私は部屋にある豪華な装飾のついた全身鏡の前に立ち、可愛いネグリジェを着ている自分の姿を見た。
マリアンヌは絵本に出てくるお姫様みたいに美しい十八歳の女の子だ。
折れちゃいそうなほど腰も腕も細いのに、胸だけは元の私と同じくメロンみたいに大きい。
完璧な顔とボディーを見ているうちに、私の心に今まで抱いたことのない「自分は無敵な女だ」という自信がふつふつと湧いてきた。
鏡越しに黙々と働くスチュアートの横顔が映った。
どちらかというと優しい兄のエドワードがよかったけど、まあスチュアートだって現実世界ではお目にかかれなかったほど凛とした美麗な人だ。
バッドエンドで死ぬぐらいなら彼を攻略しよう、と考えていたら鏡の中の彼と目が合った。
私がニコッと微笑むと、彼は私をバカにしたようにフンっとそっぽを向いた。
今日から私の世話係だと言うのに、なんという態度だろうか。
スチュアートを攻略するのはかなり難しそうだ。
やっぱり私は兄のエドワードの攻略をすることにした。
私はスチュアートが部屋からいなくなった隙に、廊下へ出た。
運よく向こうからエドワードがやってきた。
「ちょうどよかったわ、エドワード。汗をかいたからお風呂に入りたいの」
と私は上目遣いで話しかけた。
彼はにこっと微笑んで大きく頷き、
「かしこまりました、お嬢様。すぐにメイドを呼んでまいりますね」
と廊下を歩きだろうとした。
私は彼の服を掴んで引き留め、
「違うわ、あなたが一緒に入浴して私の背中を流して」
と甘く囁いた。
私の前世は風俗嬢だ。柔らかな泡をたっぷりつけた乳房で彼の全身をくまなく洗ってあげたら、あっという間に彼は私にメロメロになるだろうと自信があった。
「えっ、それは……」
彼はほんのりと頬を赤くして、困った顔をした。
「変な意味はないわ。……ほら、私は三日も寝込んでいて、足がフラフラするから一緒に入ってほしいのよ」
もっともらしい理由をつけても、彼は首を縦に振らなかった。
「ねえ、いいでしょう?」
私は彼の腕にすり寄って、柔らかなお乳を押しつけた。
不意に彼が私の後ろを見ていたから、振り返るとそこにはスチュアートが立っていた。
彼は私を睨むように見つめて、
「マリアンヌ様のお世話係はわたくしスチュアートでございます。お風呂でございましたか、気が利かず大変申し訳ございません。準備は出来ております。わたくしは脱衣所の外で待っておりますので、ごゆっくりお入りください」
と言って、風呂場の前まで連れていかれた。
屋敷の使用人たちの間でも執事としての完璧なまでの仕事ぶりを尊敬されている一方で、まるで鉄仮面をつけているかのように怖い顔ばかりしていて滅多に笑わないから彼の部下のような立場である下級使用人たちに恐れられていた。
そもそもスチュアートという名前がすごい。「執事」という意味の名なのだから。
彼が根っからの堅物な仕事人間だということを表していた。外見はいいのに、全くつまらない男だな、と私は思った。
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