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本編・取り違えと運命の人
043 夏の嵐・おまけ(リカルドとフラヴィオ) ②
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リカルドの職場にて・2(お前の職業はなんだ?)
「よう、リカルド」
「あ! フラヴィオさん!」
「元気か?」
「はい! 俺もジュリエッタも元気です! 今日はどうなさったんですか?」
「店のバックヤードをちょっと改造してもらおうと思って、相談に来た」
「ええと、担当のマッテオは、ちょっと今接客中で……」
「予約とか入れずに来たからな。仕方ない。その間、ちょっと相手してもらってもいいか?」
「はい、もちろん!」
フラヴィオさんは少し不思議そうな表情で、俺に訊ねてきた。
「ジュリエッタはお前のこと大工って結婚報告のハガキに書いてたけど、なんか、違うんじゃね?」
「え?」
「お前、ここで見かけるたび、客とか下請け業者とか同僚とかに説明してた」
「あー、ご説明やお手続きで俺の資格が必要な日は内勤なんですよ。普段は現場で作業してます」
「いや、でも、結構、ここで見かける率、高かった」
「ええと、今は、込み入った案件が続いてるから、半々くらいですかね」
やっぱり腑に落ちないという表情で、フラヴィオさんは続ける。
「待て。普通、大工って、現場で実際に建物作るのが仕事だろ?」
「俺、もちろんそういう作業してますよ」
「……現場で、それ以外の作業もしてるだろ? 肉体労働じゃないやつ」
「え? あー、機械の操作説明とか設計士と作業工程詰めたりとかですか?」
「やっぱ、お前の肩書き、大工じゃなくね?」
肩書き?
「その、俺、現場で役立てばいいんで、肩書きとかそんなに気にしたことなかったんですけど……。でも、俺が自分で肩書き決めていいなら、小さい頃から憧れてたんで、大工です!」
「憧れ?」
「はい! 父が大工で! 小さい頃、よく無理言って現場に連れてってもらってたんですけど、もう、すごく、すごく、かっこよくて! いつか俺もあんな風になりたいなって! まだまだ全然ですけど!」
フラヴィオさんは少し遠い目をした。つい、父ちゃんへの憧れを力説しちゃったから、引かれちゃったかな?
「そっか、お前、大工か」
「はい!」
「失礼な訊ね方して、悪かった」
「ええと、よくわかんないですけど」
「またなんかあったら連絡するわ。店のことでも、ジュリエッタのことでも」
「はい! ぜひ!」
そこまで話したところで、マッテオがこちらに向かってくるのが見えた。
「あ、担当の兄ちゃん、手が空いたみたいだわ。それじゃ、リカルド、これからも、よろしくな」
「はい!こちらこそ、よろしくお願いします!!」
「よう、リカルド」
「あ! フラヴィオさん!」
「元気か?」
「はい! 俺もジュリエッタも元気です! 今日はどうなさったんですか?」
「店のバックヤードをちょっと改造してもらおうと思って、相談に来た」
「ええと、担当のマッテオは、ちょっと今接客中で……」
「予約とか入れずに来たからな。仕方ない。その間、ちょっと相手してもらってもいいか?」
「はい、もちろん!」
フラヴィオさんは少し不思議そうな表情で、俺に訊ねてきた。
「ジュリエッタはお前のこと大工って結婚報告のハガキに書いてたけど、なんか、違うんじゃね?」
「え?」
「お前、ここで見かけるたび、客とか下請け業者とか同僚とかに説明してた」
「あー、ご説明やお手続きで俺の資格が必要な日は内勤なんですよ。普段は現場で作業してます」
「いや、でも、結構、ここで見かける率、高かった」
「ええと、今は、込み入った案件が続いてるから、半々くらいですかね」
やっぱり腑に落ちないという表情で、フラヴィオさんは続ける。
「待て。普通、大工って、現場で実際に建物作るのが仕事だろ?」
「俺、もちろんそういう作業してますよ」
「……現場で、それ以外の作業もしてるだろ? 肉体労働じゃないやつ」
「え? あー、機械の操作説明とか設計士と作業工程詰めたりとかですか?」
「やっぱ、お前の肩書き、大工じゃなくね?」
肩書き?
「その、俺、現場で役立てばいいんで、肩書きとかそんなに気にしたことなかったんですけど……。でも、俺が自分で肩書き決めていいなら、小さい頃から憧れてたんで、大工です!」
「憧れ?」
「はい! 父が大工で! 小さい頃、よく無理言って現場に連れてってもらってたんですけど、もう、すごく、すごく、かっこよくて! いつか俺もあんな風になりたいなって! まだまだ全然ですけど!」
フラヴィオさんは少し遠い目をした。つい、父ちゃんへの憧れを力説しちゃったから、引かれちゃったかな?
「そっか、お前、大工か」
「はい!」
「失礼な訊ね方して、悪かった」
「ええと、よくわかんないですけど」
「またなんかあったら連絡するわ。店のことでも、ジュリエッタのことでも」
「はい! ぜひ!」
そこまで話したところで、マッテオがこちらに向かってくるのが見えた。
「あ、担当の兄ちゃん、手が空いたみたいだわ。それじゃ、リカルド、これからも、よろしくな」
「はい!こちらこそ、よろしくお願いします!!」
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